毎日スキルが増えるのって最強じゃね?

七鳳

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第一章 『転生』

二十一話

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朝焼けの光が窓から差し込んだとき、軽く伸びをしてからいつもの日課をこなす。そう、「ガチャ」を回すための集中だ。深呼吸をして頭を空っぽにし、脳裏に刻まれるスキル情報を待つ。やがてサッと電流が走るような感触がして、新たなスキル名が浮かんできた。

『通常スキル:《風属性耐性(Lv1)》を取得しました。』

文字どおり、風属性の攻撃や強風環境に対して耐性を得るスキルらしい。いつものように地味だが、有効範囲が広そうで、今後の冒険に役立つかもしれない。思わず小さく笑ってしまう。こうして少しずつ積み重なっていくスキルの数々は、自分の戦い方の幅を確実に広げてくれているのだから。

ベッドから降り、身支度を整えてから宿の廊下へ出ると、ちょうど猫耳のリーシェと姉のシェオラが部屋を出ようとしていた。二人は昨夜の疲れも見えず、どこか晴れやかな表情をしている。リーシェの回復ぶりは目覚ましいもので、もう短時間なら街を歩き回れるようになったそうだ。

「おはよう、アオさん。今日も神官さんに会って、それからリーシェと一緒に少し外を回ろうかって」

「うん、聞いたよ。順調そうで何より。無理のない範囲でね」

心配そうに声をかけると、リーシェは「大丈夫、痛みもほぼないし」と笑ってくれる。姉妹がそろって出かける姿は微笑ましく、宿の女将もちらりと見て「いってらっしゃい」と手を振っていた。これまで暗い表情で部屋にこもりがちだった妹が、こうして少しずつ外へ踏み出しているのが嬉しい。

階下の食堂で簡単に朝食を済ませると、ウサギ耳のイルナが慌ただしい足取りでやってきた。どうやら今朝も錬金術屋からの注文が多く、納品までに調合作業があるらしい。忙しそうにしながらも、俺を見つけると「おはようございます!」とにこやかに言い、耳をぴこぴこと動かして笑う。

「アオさん、また新しいスキル出たんですよね? 今朝ギルドの人が『風属性耐性だって』って噂してました」

「はは、情報早いな。まあ、そういう感じの耐性スキルだよ。たいして派手ではないけど、地味に役立ちそう」

「地味じゃないですよ。強風が吹く場所や、風属性魔法を使う敵が出るダンジョンなんかだと重宝しますよね。いいなあ、やっぱりうらやましい」

イルナはそう言いながら、鼻を小さく鳴らして微笑む。少し前に受けた遺跡探索の思い出がよみがえる。あの時はイゼリアとの連携もあって、結構充実した冒険になったし、イルナ自身も成果を感じ取ってくれていた。こうしてまた新たなスキルが加わるたびに、周囲から頼られることも増えるのだろう。

朝食を終えて店を出ると、外の通りには陽光が降り注いでいた。まだ早い時間帯だが、商人たちが荷馬車を引いて行き交い、冒険者らしき姿もちらほら見える。イルナは大きめの布袋を抱えて、「じゃ、わたしはこれから錬金術屋にこもります。アオさんは……?」と声をかける。

「俺は、昼頃にギルドにちょっと顔を出したあと、特に目立った用事はないかな。ああ、夜になったらイゼリアに声をかけるかもしれないけど」

「なるほど。もし夕方までに会えそうなら一緒に軽くお茶でも……あ、忙しかったらいいですけど」

「うん、都合が合えばね」

そう言うと、イルナは満足げに尻尾を揺らして「がんばります!」と笑い、街の奥へ消えていった。俺はそのまま逆方向へ進み、雑用のついでに宿へ戻ろうかと考えていると、物陰からひょこっと誰かが顔を出した。見ると、見慣れない獣人の少年が、何か言いたそうにこちらを見つめている。

「あの……あなた、アオさんって人ですよね? ちょっと尋ねたいことがあって……」

唐突な声に少し警戒しつつも、険悪な様子は感じ取れない。何か情報を求めているのかもしれない。相手はまだ若い少年で、体は小柄だが服装は荒れた印象だ。俺が「そうだけど?」と頷くと、少年はちらりと周囲を見回してから、やや小声で話し始めた。

「聞いたんです。あなた、毎日スキルを得られる“ガチャ”って能力を持っているとか。今……もしよかったら“獣人達の集まり”について、何か耳にしてませんか?」

獣人達の集まり――イゼリアからも聞いていた、最近噂になっている謎の集会のことだろうか。俺は気を抜かずに適度に対応することにした。

「一応聞いてはいるけど、具体的には知らないよ。それがどうかした?」

「……俺、ちょっとだけ心配なんです。獣人仲間が最近、わけの分からない呪術や“魔王”の話をちらつかせてて……なんだか嫌な予感がするんです。けど、俺だけじゃ何もできないし……あなたみたいに力のある人が何か掴んでるなら、教えてほしいんです」

真剣な瞳で訴えかけられる。まるで命綱を求めるような必死さがうかがえた。が、俺自身、魔王や獣人絡みの深い真相を知っているわけではない。まだ情報は限られているから、下手なことを言えない。

「申し訳ないけど、俺も詳しくは把握してないんだ。街に来てくれる獣人の仲間は大勢いるけど、みんな普通に暮らしてるしね……。でも、もし怪しいことが分かったら助けになるかもしれない。君も気をつけて行動してくれ」

少年は落胆のような表情を浮かべるが、「そっか……うん、わかった。ありがとう」とつぶやき、足早に去っていった。何とも言えず胸にわずかな棘が刺さったような気持ちになる。魔王を巡る動きが獣人の若者たちにも影を落としているのかもしれない。それだけが事実ならば、いずれ本格的な問題が浮上するだろう。だが、今のところはそれをどうすることもできないというのが正直なところだ。

昼頃になり、ギルドに立ち寄って軽い仕事を探したあと、遅い昼食をとろうと宿へ戻る。すると、女将が小さくため息をつきながら「裏の倉庫で騒ぎがあったんだとか」と言うので、何事かと耳を傾けた。どうやら昨夜のイゼリアとの一件の延長で、他の倉庫でも似たような窃盗未遂があったらしい。幸い大きな被害はないようだが、やはり油断はできない。

「イゼリアさん、そろそろ帰ってくるんじゃない? 騎士団の詰所に行ってるみたいだけど」

そう女将が言うので、食堂で適当にパンとスープを腹に収めたあと、しばらく待ってみることにした。しばらくして扉が開き、イゼリアが少し疲れた顔で姿を現す。鎧を一部外した状態で、いかにも任務を切り上げた直後という雰囲気だが、俺を見つけるとほっとした表情を見せる。

「アオ。こっちを探してたの?」

「まあね、昨夜の倉庫の件で追加情報があるかと思って。どうだった?」

イゼリアは苦笑いで首を振る。

「まさに追加被害があったみたいで、同じ手口だって。捕まえた男は『知り合いに聞いてちょっと真似した』なんて言ってるそうで、どうにも根本が断ち切れてない。騎士団もしょうがなく重い腰を上げそうだけど、これ以上被害が広がらなきゃいいわね」

なるほど、ただの模倣犯のようなものが出てきてしまったのか。騎士団が大々的に動けない状況で、小規模の窃盗が広がるのはやっかいだ。俺が「また夜に見回りでもしようか?」と提案すると、イゼリアは少し迷ったそぶりを見せつつ、軽く首を横に振る。

「ありがとう。でも、あなたに毎夜つき合わせるわけにもいかないし……。ここは騎士団である程度手分けする予定。あなたはあなたの生活があるでしょう?」

その言葉に頷きながら、もう一度だけ念を押す。

「了解。でも呼ばれたら協力するよ。そっちも無理しないでね」

イゼリアが柔らかく微笑み返し、「気をつけるわ」と短く答える。よほど疲れたのか、軽く伸びをしてから宿の奥へ姿を消していった。夜の事件を連日取り締まるのは体力的にもきついはずだ。

そのまま一人で食堂に戻ると、静かにお茶をすすっているシェオラの姿があった。妹を部屋へ寝かしつけたらしく、ほっと一息ついているらしい。俺が向かいの椅子に腰掛けると、「リーシェ、疲れて眠っちゃったわ。でも痛みはなさそう」と穏やかな声で伝えてくる。こんな日常が続いてくれれば――そう思うのは贅沢かもしれないが、心底願わずにはいられない。

やがて夕刻が近づき、女将が忙しく厨房を行き来し始めるころ、ウサギ耳のイルナがまた錬金術屋から戻ってきた。今度は試作品でなく本番のポーションがいくつか完成したらしく、明日以降の出荷計画を考えたいと言う。ちょうどイゼリアの姿はないが、シェオラが手伝いに名乗りを上げ、テーブルに広げた瓶をチェックしている。おそらく二人で話し合いながら、細かいラベルを貼ったり分類するのだろう。

女将がカウンターで腕を組んで見守りつつ、「あんたも一緒に手伝ってやれば?」と目配せしてきたが、俺は苦笑しながら首を横に振る。

「いまは俺が口出しすると、逆に邪魔かも。あの二人、わりと同じペースでやれるし」

「なるほど。まあ好きにしな」

そう言って女将は厨房へ戻っていく。俺としても、シェオラとイルナが試行錯誤しながら何かしているのを邪魔するつもりはなかったし、彼女たちがワイワイ話している光景を眺めるだけでも不思議と和む。

一日の終わりが近づく頃、ふと窓の外を見ると、すっかり夜が降りていた。遠くの街灯や家々の明かりが小さくまたたき、昼間の賑わいとは別の静かな顔を見せている。心のどこかで“魔王”や“七つの大罪”という大きな話を意識しつつも、今はこうした当たり前の風景が心にしみる。いつか全ての大罪を揃え、大きな運命を背負う日が来るのだろうけど、それまでの時間を仲間や人々と共有していたい――そんな思いに浸りながら、明日の「ガチャ」でどんなスキルが得られるかを想像する。

退屈なようでいて、確かに前に進んでいる日々。毎朝必ず新しい力を手に入れつつ、仲間や出会いが増えていく。まだ三つしか揃っていない“大罪”は、いつ四つ目や五つ目が姿を見せるのだろう。期待と不安が胸をかき混ぜるが、それを柔らかな人々の気配が穏やかに包んでくれる感じがあった。

「よし、とりあえず今日はもう休もう。明日の朝までに事件が起きなければいいけど……」

小さく呟いてから部屋へ向かう。階段の途中ですれ違ったシェオラが「もう寝るの?」と声をかけてきたので、「ちょっと疲れた」と笑って答える。彼女も頑張りすぎないようにと念を押しあい、軽い会釈をして別れる。

部屋に入ると、窓からうっすら月明かりが差し込んでいる。ベッドに腰を下ろす前に、今日得た《風属性耐性(Lv1)》の感触を簡単に確かめようと腕を振ってみるが、特に派手な演出はなく、身体の中で微かな魔力の膜を感じる程度だ。こういう地味な能力でも、積み重なれば相当な戦力になるはず。とくに世界のどこかで“魔王”への道が動き始めているなら、備えておいて損はないだろう。

そんなことを考えつつ、照明を落としてベッドへ横たわる。耳を澄ませば、遠くの廊下で小さな足音が交差するのが聞こえる。シェオラやイルナか、あるいは女将や他の宿泊客かもしれない。自分が初めてこの宿に来たころは、こういう音すらどこか遠いものに感じていたが、いまはすっかり“家”のような感覚に包まれている。

(明日もガチャを回して、新しい日が始まる。これまでと同じように、少しずつスキルを増やして、一歩ずつ進んでいこう……)

そんな決心を胸に、深く息をついて瞼を閉じる。すぐに眠りが訪れそうだ。ふと瞳を閉じる直前、リーシェの笑顔やイルナの尻尾、イゼリアの凛々しい姿などが頭をよぎる。みんなが日常の中で懸命に動き、得意なことを活かしている。その様子に励まされ、俺も魔王の宿命に対して、もう怯えるだけじゃなくなったのだと感じた。

――こうして、また一日の幕が下りる。明日、どんな事件やどんなスキルが訪れるのかは分からない。だが、仲間たちとの絆を信じながら、七つの大罪という大きな力を抱えてもなお、変わらぬ日常を続けていく――そんな思いを抱きつつ、俺は静かに夢の中へ落ちていった。
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