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歓迎パーティー
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水色のドレスを着て、シェラミリア様と並んでる。歓迎パーティーには学園に婚約がいる人は共に入場するが、それ以外は1人で入っても大丈夫。逆に婚約者でない人と入ったほうが問題になる。シェラミリア様も婚約者は歳上で既に学園にいないため1人での入場になる。
入場はEクラスから始まりSクラスが1番最後になる。
先にシェラミリア様の名前が呼ばれ入っていった。最後にわたくしの名前が呼ばれた。中に入ると沢山の視線を感じる。
ゆっくり歩いてシェラミリア様のところに向かった。
「殿方の視線を集めてますわよ」
「シェラミリア様もですわよ」
2人でふふふと笑い合う。生徒会長の宣言の後、パーティーが始まった。
わたくしたちは壁の端によりジュースを飲む。中央ではダンスをしている人たちがいた。クラーク殿下もマリー・ヤクトン男爵令嬢と踊ってる。マリー・ヤクトン男爵令嬢はダンスが下手なようでクラーク殿下の足を何度も踏んでいた。
「あの方たち仲がよろしいのですね」
前回は仲が良くなったのは2学年になってからだと思ったのだが。
「どうやら恋人同士のようにイチャついてるらしいですわよ」
「殿下には婚約者がいないからよろしいと思いますが……」
まだ婚約者でもないのにところ構わずイチャつくのはマナーがなっていないわ。
そんなことをシェラミリア様と話してたら横からパシャッと水音がした。横を見るといつの間になマリー・ヤクトン男爵令嬢がいて空のグラスを持って立っている。わたくしから少し離れたところにその中身が溢れたのだろう床が紫色に濡れていた。
「ひ、酷いですぅ」
「何がですか?」
「飲み物をかけるなんて酷いですぅ」
よく見ればマリー・ヤクトン男爵令嬢のドレスにも数滴かかっているわね。
「マリー、どうしたんだ?」
クラーク殿下の登場だわ。
「アレクシアがあたしに飲み物を掛けたんですぅ」
「何だと!?」
男爵令嬢が公爵令嬢を呼び捨てとは……。しかも無理がある話ですわ。
「殿下、よくご覧になってください。わたくしの持ってる飲み物は透明ですわよ。そちらのご令嬢が持ってる飲み物が紫色ですわよ」
マリー・ヤクトン男爵令嬢のグラスに僅かに残ってる。
「違いますぅ! 掛けられたんですぅ! 信じてください!」
「勿論、俺様はマリーを信じる!アレクシア・バートン! マリーに謝れ!!」
「お断りしますわ。してもいないことを謝ることはしませんわ」
「何だと!? 俺様の言うことが聞けないのか!?」
何故、ご自分が正しいと思うのかしら?
「何をしている?」
王太子殿下までやってきた。
「フェルぅ、アレクシアがあたしにジュースをかけたのぉ」
王太子殿下を愛称呼び!? そちらの方が驚きだわ。王太子殿下も口をぽかんと開けている。その気持ちよく分かりますわ。わたくしは扇子で顔の下半分を隠した。
「私はそなたに対してそのような呼び方で呼ぶことを許可してない。私のことは王太子殿下と呼ぶように。また公爵令嬢のアレクシア嬢を呼び捨て呼ぶのも失礼にあたる」
「兄上、そんなことよりアレクシア・バートンがマリーのドレスにジュースを掛けたんです!! これは罰せなけばなりません!」
そんなことではないわよ。とても重要なことよ。
「何処をどう見たらそうなるのだ、クラーク。そちらの令嬢が自分で零したか。または逆にアレクシア嬢に掛けたかだろう」
「アレクシア・バートンのドレスは濡れておりません!!」
「アレクシア嬢は害意あるものは防ぐ魔道具を付けてるのだろう」
王太子殿下がこれがそうだと自身の魔道具を指す。
「しかし……」
「もう良い。そなたたちは下がれ。今日は歓迎パーティーだ」
王太子殿下が衛兵を呼び2人を強制的に退場させた。
「アレクシア嬢、弟がすまなかった」
「王太子殿下がお謝りになることではありませんわ。また助けて頂きたい感謝を申し上げます」
マリー・ヤクトン男爵令嬢とクラーク殿下に絡まれたがその後は何もなくパーティーを終えた。
入場はEクラスから始まりSクラスが1番最後になる。
先にシェラミリア様の名前が呼ばれ入っていった。最後にわたくしの名前が呼ばれた。中に入ると沢山の視線を感じる。
ゆっくり歩いてシェラミリア様のところに向かった。
「殿方の視線を集めてますわよ」
「シェラミリア様もですわよ」
2人でふふふと笑い合う。生徒会長の宣言の後、パーティーが始まった。
わたくしたちは壁の端によりジュースを飲む。中央ではダンスをしている人たちがいた。クラーク殿下もマリー・ヤクトン男爵令嬢と踊ってる。マリー・ヤクトン男爵令嬢はダンスが下手なようでクラーク殿下の足を何度も踏んでいた。
「あの方たち仲がよろしいのですね」
前回は仲が良くなったのは2学年になってからだと思ったのだが。
「どうやら恋人同士のようにイチャついてるらしいですわよ」
「殿下には婚約者がいないからよろしいと思いますが……」
まだ婚約者でもないのにところ構わずイチャつくのはマナーがなっていないわ。
そんなことをシェラミリア様と話してたら横からパシャッと水音がした。横を見るといつの間になマリー・ヤクトン男爵令嬢がいて空のグラスを持って立っている。わたくしから少し離れたところにその中身が溢れたのだろう床が紫色に濡れていた。
「ひ、酷いですぅ」
「何がですか?」
「飲み物をかけるなんて酷いですぅ」
よく見ればマリー・ヤクトン男爵令嬢のドレスにも数滴かかっているわね。
「マリー、どうしたんだ?」
クラーク殿下の登場だわ。
「アレクシアがあたしに飲み物を掛けたんですぅ」
「何だと!?」
男爵令嬢が公爵令嬢を呼び捨てとは……。しかも無理がある話ですわ。
「殿下、よくご覧になってください。わたくしの持ってる飲み物は透明ですわよ。そちらのご令嬢が持ってる飲み物が紫色ですわよ」
マリー・ヤクトン男爵令嬢のグラスに僅かに残ってる。
「違いますぅ! 掛けられたんですぅ! 信じてください!」
「勿論、俺様はマリーを信じる!アレクシア・バートン! マリーに謝れ!!」
「お断りしますわ。してもいないことを謝ることはしませんわ」
「何だと!? 俺様の言うことが聞けないのか!?」
何故、ご自分が正しいと思うのかしら?
「何をしている?」
王太子殿下までやってきた。
「フェルぅ、アレクシアがあたしにジュースをかけたのぉ」
王太子殿下を愛称呼び!? そちらの方が驚きだわ。王太子殿下も口をぽかんと開けている。その気持ちよく分かりますわ。わたくしは扇子で顔の下半分を隠した。
「私はそなたに対してそのような呼び方で呼ぶことを許可してない。私のことは王太子殿下と呼ぶように。また公爵令嬢のアレクシア嬢を呼び捨て呼ぶのも失礼にあたる」
「兄上、そんなことよりアレクシア・バートンがマリーのドレスにジュースを掛けたんです!! これは罰せなけばなりません!」
そんなことではないわよ。とても重要なことよ。
「何処をどう見たらそうなるのだ、クラーク。そちらの令嬢が自分で零したか。または逆にアレクシア嬢に掛けたかだろう」
「アレクシア・バートンのドレスは濡れておりません!!」
「アレクシア嬢は害意あるものは防ぐ魔道具を付けてるのだろう」
王太子殿下がこれがそうだと自身の魔道具を指す。
「しかし……」
「もう良い。そなたたちは下がれ。今日は歓迎パーティーだ」
王太子殿下が衛兵を呼び2人を強制的に退場させた。
「アレクシア嬢、弟がすまなかった」
「王太子殿下がお謝りになることではありませんわ。また助けて頂きたい感謝を申し上げます」
マリー・ヤクトン男爵令嬢とクラーク殿下に絡まれたがその後は何もなくパーティーを終えた。
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私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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