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疫病
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冬が始まって直ぐに疫病が流行った。前回も疫病が蔓延し沢山の人たちが亡くなっている。
わたくしはこの日のためにポーションを作った。
「お父様、こちらのポーションをご利用ください」
「これは?」
「こちらのポーションが疫病を治すポーションで、こちらのポーションが疫病にかからないための防止のポーションです」
2種類のポーションを沢山テーブルの上に置く。
「アレクシアが作ったの?」
「はい。フォルトゥナート様もお飲みください」
フォルトゥナート様は前回、疫病にかかり治ったのはいいが顔半分に痕が残った。その痕のせいで婚約者から婚約破棄され、魔術塔に篭もるようになる。
だが、今回はわたくしがいるからそもそも疫病になんかにかからせない。もし、前のようになったとしても婚約破棄なんてしないわ。フォルトゥナート様はお顔だけでなく中身も素晴らしいのですから!
「アレクシアは飲んだのかい?」
「はい! わたくしはもう飲みましたわ。お父様も飲んでくださいまし」
「因みにレシピは?」
「世界樹の葉、聖水、聖竜の涙、闇竜の涙、光竜の心臓です」
お父様とフォルトゥナート様が黙った。素材集め大変だったからね。セインとダークをくすぐって泣かせて、上級ダンジョン800層以降で光竜の心臓を手に入れた。
「陛下たちには献上しよう。アレクシアも共に参りなさい」
わたくしも!? いつものようにお父様にお任せしたいですわ。
お父様、フォルトゥナート様と王城に向かった。疫病の薬ということで直ぐに謁見が叶う。
「陛下。娘が疫病を治すポーションと防止するポーションを作りました」
「何と!? この疫病は特効薬がなく死亡率も高いというのに? しかも防止するポーションだと!?」
「ですが、材料が……」
お父様が材料を述べると陛下が閉口した。
「うむぅ……。侯爵以上でないと厳しいな。だが、疫病を放っておくことは出来ない! 王家で費用を持とう!」
流石、陛下。国民を第1に考えている。それならば、わたくしも陛下のお心に従うまでだわ。
「陛下、発言をお許しください」
「許す」
「素材全部、わたくしが集められますわ。ですので費用は入りません。無償で国にお渡ししますわ」
「何と!? アレクシア嬢、良いのか?」
「構いませんわ。わたくしは陛下に従うまでです。どうかご下命ください」
「うむ。あいわかった。アレクシア嬢、治すポーションの制作を頼む」
「かしこまりましたわ」
カーテシーをして命を受ける。今ある分だけお渡しして残りは出来次第お父様が持ってくることになった。その間、学園は休むことを許可をもらった。
次の日から学園を休みポーション作りに精を出す。
「アレクシア、休みも必要だよ」
「フォルトゥナート様」
「休みなしで錬金してるから皆心配してるよ」
「でも、今も疫病で苦しんでる民がいるのです」
「アレクシアが倒れては元も子もないよ」
わたくしはフォルトゥナート様に強制的にベッドに連れていかれた。
「添い寝が必要かな?」
「い、いえ、大丈夫です」
添い寝なんてされたら、絶対に眠れないわ!
「お休み、アレクシア」
「少ししたら起こしてくださいませね」
それからも無理する度にフォルトゥナート様にベッドに連れていかれた。
隣国はまだ疫病が猛威を奮ってるが、我国は収まった。
「アレクシア嬢、此度の働き大義であった。褒賞として伯爵位を授ける。またバートン家領地に隣接してる王領の1部も渡す」
叙爵と領地をもらった。未成年で叙爵されるのは異例のことで沢山の人が驚いてる。でも、非難する声は聞こえてこなかった。それだけ今回の疫病は脅威だった。
まだ学生のため実際の領地運営はお父様とフォルトゥナート様に任せる。貰えた領地は豊かなところで領地の税収が上がった。
わたくしはこの日のためにポーションを作った。
「お父様、こちらのポーションをご利用ください」
「これは?」
「こちらのポーションが疫病を治すポーションで、こちらのポーションが疫病にかからないための防止のポーションです」
2種類のポーションを沢山テーブルの上に置く。
「アレクシアが作ったの?」
「はい。フォルトゥナート様もお飲みください」
フォルトゥナート様は前回、疫病にかかり治ったのはいいが顔半分に痕が残った。その痕のせいで婚約者から婚約破棄され、魔術塔に篭もるようになる。
だが、今回はわたくしがいるからそもそも疫病になんかにかからせない。もし、前のようになったとしても婚約破棄なんてしないわ。フォルトゥナート様はお顔だけでなく中身も素晴らしいのですから!
「アレクシアは飲んだのかい?」
「はい! わたくしはもう飲みましたわ。お父様も飲んでくださいまし」
「因みにレシピは?」
「世界樹の葉、聖水、聖竜の涙、闇竜の涙、光竜の心臓です」
お父様とフォルトゥナート様が黙った。素材集め大変だったからね。セインとダークをくすぐって泣かせて、上級ダンジョン800層以降で光竜の心臓を手に入れた。
「陛下たちには献上しよう。アレクシアも共に参りなさい」
わたくしも!? いつものようにお父様にお任せしたいですわ。
お父様、フォルトゥナート様と王城に向かった。疫病の薬ということで直ぐに謁見が叶う。
「陛下。娘が疫病を治すポーションと防止するポーションを作りました」
「何と!? この疫病は特効薬がなく死亡率も高いというのに? しかも防止するポーションだと!?」
「ですが、材料が……」
お父様が材料を述べると陛下が閉口した。
「うむぅ……。侯爵以上でないと厳しいな。だが、疫病を放っておくことは出来ない! 王家で費用を持とう!」
流石、陛下。国民を第1に考えている。それならば、わたくしも陛下のお心に従うまでだわ。
「陛下、発言をお許しください」
「許す」
「素材全部、わたくしが集められますわ。ですので費用は入りません。無償で国にお渡ししますわ」
「何と!? アレクシア嬢、良いのか?」
「構いませんわ。わたくしは陛下に従うまでです。どうかご下命ください」
「うむ。あいわかった。アレクシア嬢、治すポーションの制作を頼む」
「かしこまりましたわ」
カーテシーをして命を受ける。今ある分だけお渡しして残りは出来次第お父様が持ってくることになった。その間、学園は休むことを許可をもらった。
次の日から学園を休みポーション作りに精を出す。
「アレクシア、休みも必要だよ」
「フォルトゥナート様」
「休みなしで錬金してるから皆心配してるよ」
「でも、今も疫病で苦しんでる民がいるのです」
「アレクシアが倒れては元も子もないよ」
わたくしはフォルトゥナート様に強制的にベッドに連れていかれた。
「添い寝が必要かな?」
「い、いえ、大丈夫です」
添い寝なんてされたら、絶対に眠れないわ!
「お休み、アレクシア」
「少ししたら起こしてくださいませね」
それからも無理する度にフォルトゥナート様にベッドに連れていかれた。
隣国はまだ疫病が猛威を奮ってるが、我国は収まった。
「アレクシア嬢、此度の働き大義であった。褒賞として伯爵位を授ける。またバートン家領地に隣接してる王領の1部も渡す」
叙爵と領地をもらった。未成年で叙爵されるのは異例のことで沢山の人が驚いてる。でも、非難する声は聞こえてこなかった。それだけ今回の疫病は脅威だった。
まだ学生のため実際の領地運営はお父様とフォルトゥナート様に任せる。貰えた領地は豊かなところで領地の税収が上がった。
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