大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

実力と作戦

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そういう訳でラウクムくんの提案で俺達の部屋でレッツ会議。
「んで、二つぐらい聞いていい?」
「うん?レィアさん、何?」
「一つ目、なんでユーリアこいつがいるの?」
班のメンバーでのミーティングじゃなかったっけ?
「あぁ、それは僕が呼んだんだよ。多分、ユーリアさんにも関係ある話だし」
「へぇ。まぁ、それじゃ本題。今回の会議の内容は?」
飯食ってから何も聞いてねぇんだけど。
ほら、みんなも気になってんじゃん。
「あぁ、うん……ユーリアさん、二年生か三年生の誰かに、さっきの夕飯の前にちょっ学校の裏に来るように言われてなかった?」
「ん?私か?…そう言えば二年の男子生徒に言われていたかもな。すっかり忘れていたが…まぁ良いだろう」
まぁ良いだろうって…お前が決めることじゃ無いだろうに…。
「ユーリアさんにもやっぱり呼び出しがかかってたか…」
「何?ラウクム。話が見えてこないんだけど?」
リーザがみんなの心を代弁してくれた。
一人で納得してるが、こっちはさっぱりわからない。
「えっとね…レィアさん、今日の挑戦者は何人だった?」
「驚きの数字。なんと零人だ。みんな諦めてくれたんだといいんだが」
そんな訳がない、よなぁ…。
「僕とユーリアさんが呼び出された理由は、三日目に、全生徒で君に挑戦しよう、って作戦が出されたんだよ」
「はぁ?」
ナニソレ。
「レィアさん、君の技量は正直、二年生を凌いで、三年生のものに近いレベル…いや、三年生の中堅ぐらいならギリギリ何とかなる、そんなレベルにある」
「はぁ?俺が?いやいや、無い無い。お世辞は貰っとくが、流石にそれはデカすぎる……」
「本当にそう思ってる?」
ラウクムくんのヤケに冷静なセリフが飛んできた。
「入学したばかりの一年生の君が、二年生の主席とその次席を倒した。この話は揺るがない事実だ。そうだろう?」
「まぁ、そうだけど…多分、先輩も油断してただろうし…」
特に筋肉先輩とかな。舐めきって、舐め腐ってやられた感がハンパじゃない。
けど、それもラウクムくんは否定する。
「万が一がありえないのが一年生と二年生の差だよ。それに、億が一、君がどちらかに勝てたとしても、両方に、それも怪我一つ負わずに勝ったという話は、二年生だけではなく、三年生を動揺させるのには充分すぎた」
「あぁ、それで私とラウクムに声がかかった訳だな」
「そういう事」
ユーリアは何やら納得したらしいが、俺にはまだ分からねぇ。
「あの、その、えっと…どういう事ですか?」
「クアイさん、それで話は最初の作戦に戻るんだ」
作戦…あぁ、ここで俺もわかった。
アーネ、リーザも一緒にわかったようだ。
「えっ…と?」
「だからね?クアイ」
リーザが説明を代わりに受け持った。
「最終日に、丸一日かけてレィアの体力を削って倒す、持久戦にするつもりなんだよ。上は」
それしか答えが出ないわな…。
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