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本編
挑発と承諾
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さて、ようやく終わった終わった。
夕食には早いけど飯でも行こうかな、昼飯食べてなかったし、なんて考えていたら。
「なーんかさぁ、コイツの戦い方って武器頼りじゃね?」
そんな誰かの呟きはやけに強く耳に響いた。
そちらを見ると、ボーイッシュな少女が俺に挑戦的な視線を向けていた。
『何言ってんだ?コイツ』
シャルの意見に激しく同意。
「ルゼットさん、その言い草はあまりに失礼ですよ」
まぁ、そのルゼット?の言うことも間違いじゃない。間違いじゃないが…じゃあどうしろと言うのだ。
「そう言われてもな…だからどうしろと?誰か片手剣二本ぐらい貸してくれる?」
そのお願いには誰も答えてくれない。
そりゃそうだわな。俺も誰かが俺の命を預ける武器を誰かに渡すなんて事、やりたくねぇし。
「言い出しっぺのお前は?貸してくんねぇの?」
「アタイ?アタイは魔法使いだから。アンタは魔法つかえんの?」
なるほど、そりゃ無理だ。
「んじゃ、もう一回聞くけど、どうしろと?」
「はぁ?素手があるじゃん」
『ブフォッ!!』
シャル…笑うなよ。
堪えろよ…。クッ!
ヤバい、笑っちまいそうだ…!
「す、素手ぇ?素手でやれってのか?何でまたそんな事を?」
そんな事言うなら、鵺の牙と爪と毒袋引っぺがせよ。
お前が言ってんのはそういう事なんだが。
ついでに、最初の武器が卑怯とか言うのは鵺に対して『デカくて疾いから、縮んで遅くなってくれねぇ?』って言うのと大差ねぇから。
「そぉ?アタイはいい案だと思うけどなー」
「ルゼットさん、いい加減に──」
先生が何か言いかけた。が、ルゼットの口が次の言葉を紡いだ方が早かった。
だって、と。
「だって、勇者はやってのけたよ?」
────。
おい、シャル。この勇者ってのは──。
『さぁ、少なくとも、俺が知る勇者じゃないな』
ってことは。
「二つ名、《勇者》のウィルの事か?」
「そうだよー。彼はやってのけたよ」
「先生、それホント?」
先生に確認を取ると、先生は若干躊躇いながら頷いた。
「えぇ、確かに彼はやってのけました。まぁ、相手はキマイラでしたが」
キマイラ、か。
「よし分かった、そこのルゼット…だっけ?お前の挑発、乗ってやるよ。素手でやれってな?」
周りがどよめいた。
「シィルさん、本気ですか?」
「あぁ、本気も本気、本気って書いて本気って読むぐらい本気。武器無しでやってやるよ」
そう言うと、俺は金剣銀盾と白剣を放り捨て、黒剣で地面に縫い付けたままにしていた鵺二体の剣を引き抜き、それも檻の端へと放り投げた。
さぁ、
「第二試合の始まり始まり、だ」
夕食には早いけど飯でも行こうかな、昼飯食べてなかったし、なんて考えていたら。
「なーんかさぁ、コイツの戦い方って武器頼りじゃね?」
そんな誰かの呟きはやけに強く耳に響いた。
そちらを見ると、ボーイッシュな少女が俺に挑戦的な視線を向けていた。
『何言ってんだ?コイツ』
シャルの意見に激しく同意。
「ルゼットさん、その言い草はあまりに失礼ですよ」
まぁ、そのルゼット?の言うことも間違いじゃない。間違いじゃないが…じゃあどうしろと言うのだ。
「そう言われてもな…だからどうしろと?誰か片手剣二本ぐらい貸してくれる?」
そのお願いには誰も答えてくれない。
そりゃそうだわな。俺も誰かが俺の命を預ける武器を誰かに渡すなんて事、やりたくねぇし。
「言い出しっぺのお前は?貸してくんねぇの?」
「アタイ?アタイは魔法使いだから。アンタは魔法つかえんの?」
なるほど、そりゃ無理だ。
「んじゃ、もう一回聞くけど、どうしろと?」
「はぁ?素手があるじゃん」
『ブフォッ!!』
シャル…笑うなよ。
堪えろよ…。クッ!
ヤバい、笑っちまいそうだ…!
「す、素手ぇ?素手でやれってのか?何でまたそんな事を?」
そんな事言うなら、鵺の牙と爪と毒袋引っぺがせよ。
お前が言ってんのはそういう事なんだが。
ついでに、最初の武器が卑怯とか言うのは鵺に対して『デカくて疾いから、縮んで遅くなってくれねぇ?』って言うのと大差ねぇから。
「そぉ?アタイはいい案だと思うけどなー」
「ルゼットさん、いい加減に──」
先生が何か言いかけた。が、ルゼットの口が次の言葉を紡いだ方が早かった。
だって、と。
「だって、勇者はやってのけたよ?」
────。
おい、シャル。この勇者ってのは──。
『さぁ、少なくとも、俺が知る勇者じゃないな』
ってことは。
「二つ名、《勇者》のウィルの事か?」
「そうだよー。彼はやってのけたよ」
「先生、それホント?」
先生に確認を取ると、先生は若干躊躇いながら頷いた。
「えぇ、確かに彼はやってのけました。まぁ、相手はキマイラでしたが」
キマイラ、か。
「よし分かった、そこのルゼット…だっけ?お前の挑発、乗ってやるよ。素手でやれってな?」
周りがどよめいた。
「シィルさん、本気ですか?」
「あぁ、本気も本気、本気って書いて本気って読むぐらい本気。武器無しでやってやるよ」
そう言うと、俺は金剣銀盾と白剣を放り捨て、黒剣で地面に縫い付けたままにしていた鵺二体の剣を引き抜き、それも檻の端へと放り投げた。
さぁ、
「第二試合の始まり始まり、だ」
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