大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

胸元と比翼

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小便女はまぁ、うん、いいんだ。
いや、何がいいのか自分でも分からんが。
問題は青い男の方だ。
こっちは大問題。なんでこんな所に?
まて、まてまてまて、頭ン中パニックだから、とか何とか思ってるうちに二人はずんずんこちらに歩いてきて、俺のすぐ近くまで来た。
「……コイツか?」
青い男がゆっくりと口を開く。
彫りが深く、非常に整った顔だが、怒ると怖いんだろうな…と思う。最初に顔見て、なんでその感想かって?察しがいい人は気づいてそうだけど、まだ言わねぇけどいい?
青い男の言葉に反応して、隣の女が頷く。
「間違いありません。能力も確認しました。普段はペンダントにして収納しているようです」
その答えを聞いた青い男は、俺の胸元に手を伸ばしかけて………引っ込めた。
「おい、お前が取れ」
「えっ、アタ──私ですか!?」
「男の俺が取るわけにはいかんだろう」
「でも、私じゃ重くて持てませんよ!昨日はとっても痛い目見たんですから!」
…なんか言い合い始めたな。
しかも、なんかその内容が非常に釈然としない。
別に男のアンタが探してもいいんだぜ?いや、出来ればやめて欲しいけどな?
「あー、悪い」
俺の声に反応して、二人が言い合いをやめ、こちらを見る。
「ちょっと状況がまだ呑み込めてないんだけど、これ何事?」
『おい、今代の。流石にその聞き方は下策だろ…』
やかましい。俺がコイツらに敬語を使ったり、やたらめったらへりくだる必要は無いだろ。
その聞き方のせいだろうか、俺の質問に対しての答えは俺が望んでいた答えとは全く違っていた。
。貴様なんぞが質問していい立場だと思っているのか?」
青い男はそう言ってまた言い合いを再開した。
………えー。
なぁ、シャル。お前この状況、どうだと思う?
『どう、ってのはなんだ?なんでこんな状況になったかって話か?』
そっちじゃなくて。いや、そっちも重要なんだけど。
なんで俺、盗っ人泥棒扱いされてんの?
『知るか。俺がいない間になにやらかしたんだ?もしくは俺達が出られるようになる前か。…そう言えば、ペンダントってなんだ?』
ん?単に武器をその形にして収納してるだけだよ。この学校の学生証、かなり便利だぜ?
『ふーん、なら、お前の武器を何かと勘違いして寄越せって言ってるんじゃねぇの?ペンダントってそれしか無いんだろ?まぁ、お前がその剣をどこで手に入れたか知らんが』
なるほど、それなら────……。
『どうした?今代の』
シャルの疑問に俺は答えずに、まだ不毛なやり取りをしている二人にもう一度声をかける。
「えーっと、すんません」
無視されるかもしれないと思ったが、意外と反応を返してくれる青い男。
「次はなんだ」
「もしかしてオタク、俺の持ってる金剣銀剣…じゃねぇ、えーっと」
正式名称はなんだっけ。確か……。
「そう、比翼の剣か。それ探してたりする?」
そんでもって。
「もしかして、『コレの本当の持ち主は俺だー!』とか思い込んじゃって俺を捕まえに来たとかそう言う流れ?」
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