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本編
途中経過と昔話
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「…さて、どうするかな…」
宿について荷物…ってか主に馬車とかを置いてから、ひとまず聞き込みから、なんて思って行動してみたのだが。
「誰も答えねぇし知らねぇし、か…そりゃそうだわなぁ…」
「貴女がいるからではなくて!?」
「…そうカッカすんなよ」
俺だって若干落ちこんでる。
期限まで時間がないので、分かれて聞き込みをしよう、という話になったのだが…これが俺の心をゴリゴリ削っていった。
というのも、俺が聞き込みをしてみるとみんな逃げる。
逃げないでも、全力で警戒されるため、口を閉ざすのだ。
これじゃ流石にまずいと思って、俺の防具に前つけたフードを被って聞き込みをしたら、次はフードで警戒された後、顔を覗かれてやはり逃げられる。
最終的に「例の指名手配犯が指名手配解除を期に帰ってきた!黒いフードにも用心しろ!」みたいな内容の話がここら一帯に広まってしまったらしく、遂には話しかける前から逃げられた。
ちなみにそのことを知らせてくれたのはアーネ。
そのアーネの方の聞き込みも、あまり芳しくないようだ。
「……はぁ。どーすっかなぁ…」
ベッドに転がり、天井を睨みつける。
ニケも手伝ってくれると言って一緒に出て行ってくれたのだが、まだ帰ってこない。時間的にそろそろ戻ってきてもいい頃なんだが…。
「というか、前にこの都市に来た時、貴女一体何をしたんですの?」
アーネが遂にこの質問をしてきた。
「うんー?特に何かした訳じゃ…ねぇ…けど」
「ならなんで後ろの方は小声なんですの」
やましい事があるからだろ。若干だけど。
「大したことはしてねぇよ?うん。単に…その、正当防衛というか。当然の権利というか。因果応報というか…」
「最後のは何かおかしくありませんの?」
ガチャリ。
「ただ今帰還しました!遅くなって申し訳ありません!」
「よーニケ!首尾は──」轟ッ
「ニケさん!前にこの人がこの都市でしたか教えてくださいません!?」
「アーネてめぇ!室内で魔法ぶっぱなすんじゃねぇ!!燃え広がるだろうが!」
ちなみにアーネが撃った火球は俺が避けた後、そのまま窓の外へと飛んでいった。
外に何もなくてよかったなぁ?オイ。
「レィアさんが何したか、ですか…!?」
「おーいニケ、そいつに話さなくていいぞー」
が、俺の願いは虚しく散った模様。
ニケは俺の顔を見てニヤリと笑うと、驚愕の一言。
「何故ですか!あんな素晴らしい事、一人でも多くに伝えねば!!」
「それが厄介だって言ってんだよ!」
止めようとしたが、ここで止めたあと、俺の目が届かない所で話されるよりかマシだと思い、黙った。
「糞、まぁいい。話しちまえ」
「いいんですか!?」
「どうせすぐバレるし、下手にほっとくとアーネが聞き込みのついでに詮索するだろうし。それならもう言っちまえよ。当事者からの話なら正確だしな」
「分かりました!」
「え?ニケさんって当事者でしたの!?」
なんだ、知らねぇで言ってたのか。
そう思っていると、ニケは手近な椅子に腰掛けた。
「話をしよう、あれは今から二ヶ月…いや、三ヶ月ほど前の話だったか」
おい、その語り方は微妙に危ねぇぞ!
宿について荷物…ってか主に馬車とかを置いてから、ひとまず聞き込みから、なんて思って行動してみたのだが。
「誰も答えねぇし知らねぇし、か…そりゃそうだわなぁ…」
「貴女がいるからではなくて!?」
「…そうカッカすんなよ」
俺だって若干落ちこんでる。
期限まで時間がないので、分かれて聞き込みをしよう、という話になったのだが…これが俺の心をゴリゴリ削っていった。
というのも、俺が聞き込みをしてみるとみんな逃げる。
逃げないでも、全力で警戒されるため、口を閉ざすのだ。
これじゃ流石にまずいと思って、俺の防具に前つけたフードを被って聞き込みをしたら、次はフードで警戒された後、顔を覗かれてやはり逃げられる。
最終的に「例の指名手配犯が指名手配解除を期に帰ってきた!黒いフードにも用心しろ!」みたいな内容の話がここら一帯に広まってしまったらしく、遂には話しかける前から逃げられた。
ちなみにそのことを知らせてくれたのはアーネ。
そのアーネの方の聞き込みも、あまり芳しくないようだ。
「……はぁ。どーすっかなぁ…」
ベッドに転がり、天井を睨みつける。
ニケも手伝ってくれると言って一緒に出て行ってくれたのだが、まだ帰ってこない。時間的にそろそろ戻ってきてもいい頃なんだが…。
「というか、前にこの都市に来た時、貴女一体何をしたんですの?」
アーネが遂にこの質問をしてきた。
「うんー?特に何かした訳じゃ…ねぇ…けど」
「ならなんで後ろの方は小声なんですの」
やましい事があるからだろ。若干だけど。
「大したことはしてねぇよ?うん。単に…その、正当防衛というか。当然の権利というか。因果応報というか…」
「最後のは何かおかしくありませんの?」
ガチャリ。
「ただ今帰還しました!遅くなって申し訳ありません!」
「よーニケ!首尾は──」轟ッ
「ニケさん!前にこの人がこの都市でしたか教えてくださいません!?」
「アーネてめぇ!室内で魔法ぶっぱなすんじゃねぇ!!燃え広がるだろうが!」
ちなみにアーネが撃った火球は俺が避けた後、そのまま窓の外へと飛んでいった。
外に何もなくてよかったなぁ?オイ。
「レィアさんが何したか、ですか…!?」
「おーいニケ、そいつに話さなくていいぞー」
が、俺の願いは虚しく散った模様。
ニケは俺の顔を見てニヤリと笑うと、驚愕の一言。
「何故ですか!あんな素晴らしい事、一人でも多くに伝えねば!!」
「それが厄介だって言ってんだよ!」
止めようとしたが、ここで止めたあと、俺の目が届かない所で話されるよりかマシだと思い、黙った。
「糞、まぁいい。話しちまえ」
「いいんですか!?」
「どうせすぐバレるし、下手にほっとくとアーネが聞き込みのついでに詮索するだろうし。それならもう言っちまえよ。当事者からの話なら正確だしな」
「分かりました!」
「え?ニケさんって当事者でしたの!?」
なんだ、知らねぇで言ってたのか。
そう思っていると、ニケは手近な椅子に腰掛けた。
「話をしよう、あれは今から二ヶ月…いや、三ヶ月ほど前の話だったか」
おい、その語り方は微妙に危ねぇぞ!
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