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本編
乱戦と魔法
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乱戦。
まさにそう形容するのに相応しい大乱闘。
銀剣一閃で二人纏めてぶっ飛ばし、隙を突いて懐に入った敵を膝蹴りで片付け、両サイドから息の合った攻撃を仕掛けた警備兵を独楽の様に回転して銀剣で薙ぎ払う。
隙を見て空を見上げると、遠くに黒い点のようなものがあった。
──見つけた。
が、警備隊をどうにかしないと。それに、ここじゃ狭すぎる
「包囲しろ!逃がすな!ゆっくり狭くしていけ!」
そう司令する者。
「いや、槍を持ってこい!弓もだ!近づいても勝てん!」
遠くから倒そうとする者。
「魔法はダメなのか!?」
「無理です!後ろの宿屋にまで被害が及びかねません!前衛も巻き込みます!」
魔法を使おうとする者。
俺がしているのは防衛戦。
敗北条件は俺が負け、アーネも捕らわれる事か。
なら、勝利条件は──。
「構わん!やれ!!」
「ッ!?」
何処ぞの馬鹿が許可を出しやがった。
何の?そりゃ当然。
『敵の後衛から炎二発、氷一発、雷二発!来るぞ!』
「バッカ、野郎ォォォォ!!」
魔法なんざ、俺に当たったところで多少熱かったり寒かったり、ピリッと来る程度だ。
だが、俺じゃなくて宿やら、あとは前衛に来てる奴ら。
絶対に無事じゃ済まない。
しかも、今から巻き添えを食らう奴らは必死になっていて気付いていない?
「詠唱は!?」
『正確には分からんがあと少しの雰囲気!』
最ッ悪!
「さ、が、れぇぇぇぇ!」
一歩、二歩踏み出し、先程よりも勢いをつけた剣の腹で敵を吹き飛ばす。
「がっ!」「ぐふっ!」「キャッ!」
狙い通りに、俺の周りに空白地帯が出来、宿屋とも距離が出来た。
他の誰かなら、もっと上手い守り方が出来たのかもしれんが、俺にはこれが精一杯だ。
『来るぞ!』
シャルの合図が聞こえた瞬間。
俺に三色の光が炸裂する。
様に周りには見えただろうか。
しかし、魔法は俺に当たる直前、反転し炎同士が食い合い、氷同士が砕き合い、雷同士が撃ち合う。
僅かに打ち消し合えなかった魔法が俺に貫通するが、ほとんどノーダメージ。
魔法返しが完璧に作動しているからだ。
さらに、魔法が炸裂したため、辺りに土埃が舞い上がり、一時的に視界が悪くなる。
『これに紛れて全員ボコるか?』
そうだな、そうするか。
ただ、心は折ろうか。
シャルが疑問の声を上げるより前に、俺は行動に移った。
すっ、と息を肺に限界まで溜め込み、一瞬息を止める。
そして。
「がああああああああああああああッ!!」
吼えた。
土埃が舞い上がる中、相手の動揺が見えない中でも伝わる。
即座に走り、視界が悪かった煙を突破、目の前の警備兵を銀剣でぶん殴る。
「コイツッ!」「武器を構えろ!隙をぐあっ!」
出来れば黒剣を使えればもっと良かったのだが、狙いは殺傷ではなく気絶だ。こいつらに罪は……まぁ、無いしな。
銀剣で大振りの一撃、二撃、三撃。
よし、大分減って──。
「総員退避!《突撃隊長》が来るぞ!」
『突撃隊長?誰それ』
マジかよッ!
即座に包囲が解除され、瞬間。
一発の弾丸が突っ込んできた。
まさにそう形容するのに相応しい大乱闘。
銀剣一閃で二人纏めてぶっ飛ばし、隙を突いて懐に入った敵を膝蹴りで片付け、両サイドから息の合った攻撃を仕掛けた警備兵を独楽の様に回転して銀剣で薙ぎ払う。
隙を見て空を見上げると、遠くに黒い点のようなものがあった。
──見つけた。
が、警備隊をどうにかしないと。それに、ここじゃ狭すぎる
「包囲しろ!逃がすな!ゆっくり狭くしていけ!」
そう司令する者。
「いや、槍を持ってこい!弓もだ!近づいても勝てん!」
遠くから倒そうとする者。
「魔法はダメなのか!?」
「無理です!後ろの宿屋にまで被害が及びかねません!前衛も巻き込みます!」
魔法を使おうとする者。
俺がしているのは防衛戦。
敗北条件は俺が負け、アーネも捕らわれる事か。
なら、勝利条件は──。
「構わん!やれ!!」
「ッ!?」
何処ぞの馬鹿が許可を出しやがった。
何の?そりゃ当然。
『敵の後衛から炎二発、氷一発、雷二発!来るぞ!』
「バッカ、野郎ォォォォ!!」
魔法なんざ、俺に当たったところで多少熱かったり寒かったり、ピリッと来る程度だ。
だが、俺じゃなくて宿やら、あとは前衛に来てる奴ら。
絶対に無事じゃ済まない。
しかも、今から巻き添えを食らう奴らは必死になっていて気付いていない?
「詠唱は!?」
『正確には分からんがあと少しの雰囲気!』
最ッ悪!
「さ、が、れぇぇぇぇ!」
一歩、二歩踏み出し、先程よりも勢いをつけた剣の腹で敵を吹き飛ばす。
「がっ!」「ぐふっ!」「キャッ!」
狙い通りに、俺の周りに空白地帯が出来、宿屋とも距離が出来た。
他の誰かなら、もっと上手い守り方が出来たのかもしれんが、俺にはこれが精一杯だ。
『来るぞ!』
シャルの合図が聞こえた瞬間。
俺に三色の光が炸裂する。
様に周りには見えただろうか。
しかし、魔法は俺に当たる直前、反転し炎同士が食い合い、氷同士が砕き合い、雷同士が撃ち合う。
僅かに打ち消し合えなかった魔法が俺に貫通するが、ほとんどノーダメージ。
魔法返しが完璧に作動しているからだ。
さらに、魔法が炸裂したため、辺りに土埃が舞い上がり、一時的に視界が悪くなる。
『これに紛れて全員ボコるか?』
そうだな、そうするか。
ただ、心は折ろうか。
シャルが疑問の声を上げるより前に、俺は行動に移った。
すっ、と息を肺に限界まで溜め込み、一瞬息を止める。
そして。
「がああああああああああああああッ!!」
吼えた。
土埃が舞い上がる中、相手の動揺が見えない中でも伝わる。
即座に走り、視界が悪かった煙を突破、目の前の警備兵を銀剣でぶん殴る。
「コイツッ!」「武器を構えろ!隙をぐあっ!」
出来れば黒剣を使えればもっと良かったのだが、狙いは殺傷ではなく気絶だ。こいつらに罪は……まぁ、無いしな。
銀剣で大振りの一撃、二撃、三撃。
よし、大分減って──。
「総員退避!《突撃隊長》が来るぞ!」
『突撃隊長?誰それ』
マジかよッ!
即座に包囲が解除され、瞬間。
一発の弾丸が突っ込んできた。
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