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本編
腐屍者と魔術
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「んで、早く言えよ」
血と汗でグッショリになったシャツを変えつつ、休憩も兼ねてシャルに聞く。内容はもちろん昼間の続き。
『ん?何が?』
野郎…。
「三大魔候やら何やらの話。その続き。昼間は魔術についてのレクチャーしてて終わったろ」
『あぁ、そういやそうだったな』
忘れてやがったのか、コイツ。
『まぁそんなカッカすんなよ。…さて、魔術の続きからだっけか?』
「ん…まぁ、必要ならそれで。出来れば…えーっと、腐屍者だっけか?そいつの話を早くしてくれると助かる」
得体の知れない奴からの妨害…とかゾッとしねぇ。少しでもそいつについて知りたいもんだ。
『じゃあやっぱり魔術の方がいいか?…昼間の続きだから、認識か…。認識に干渉するってのは簡単な話、幻を見せるとかに近いな。魔族の間じゃ、魔術と差別化して幻術とかっても言われたりする。たとえば、今戦ってるのは犬じゃなくて魔獣だ、しかもとびきり凶悪な奴。みたいな幻術を相手にかけると、相手は犬が魔獣にしか見えなくなったりする』
「そんなの、魔法でも出来そうだがな…それに、今話す事か?」
『魔法じゃ意外と難しいんだぜ?詳しく知らんが、光を曲げたり、受けた衝撃を強く感じさせたりとか、手間がかかるらしい。ちなみに出来たら上一級から特三級クラス』
マジか。
『さて、この話をした理由、分かるか?』
「全然?」
『………幻術の使い道は多くてな?たとえば、マーキングした相手の夢枕に立って話しかける、なんて事も出来るわけだ』
流石にここまで言われれば分かった。
「つまり、そんな芸当をした時点で相手はほぼ確定で魔族だと?」
『最初っから言ってんだろ』
さらにシャルは続ける。
『恐らくマーキングを付けたのは最初に腐竜がリーザと会ったとき。腐竜にやられたって言ってただろ?腐屍者…ジェルジネンはその名前通り、屍体やら何やらを使うのが得意で、過去に勇者が戦った時も屍者やら飢餓者で構成された軍を使ってた。恐らく…いや、ほぼ間違いなく、腐竜もそうして造られたものだろうよ』
「……」
『ついでだからそのまま話すが、腐屍者についてだ。アイツについては…見た目は中肉中背の男、腰ぐらいまで伸ばした白い髪、大体は片手に自分の身長ぐらいの杖を持ってて眼帯もつけてる。雰囲気は糞根暗、その癖変にイケメン、って所かな。魔法よりも魔術…特に独自に身につけた死霊術?とか言うのを使ってくる。直接俺達に攻撃するような手段はほとんどないが、杖で地面を叩くと屍体がボコボコ沸いてくる。そんな所か?』
「…そんな奴が三大魔候って恐れられてんのか?」
屍者や飢餓者程度なら俺も寝ながらでも戦える。
『量と質が半端じゃねぇのが一つ。魔力が笑えるぐらい多いから弾切れが起きねぇんだよな。二つ目が尋常じゃない回復力。普通の魔族の百倍しぶとい。そして最後。アイツはいッッッッッッッッっっっっち番最初からいる、最初期の魔族、最古の魔族だ』
血と汗でグッショリになったシャツを変えつつ、休憩も兼ねてシャルに聞く。内容はもちろん昼間の続き。
『ん?何が?』
野郎…。
「三大魔候やら何やらの話。その続き。昼間は魔術についてのレクチャーしてて終わったろ」
『あぁ、そういやそうだったな』
忘れてやがったのか、コイツ。
『まぁそんなカッカすんなよ。…さて、魔術の続きからだっけか?』
「ん…まぁ、必要ならそれで。出来れば…えーっと、腐屍者だっけか?そいつの話を早くしてくれると助かる」
得体の知れない奴からの妨害…とかゾッとしねぇ。少しでもそいつについて知りたいもんだ。
『じゃあやっぱり魔術の方がいいか?…昼間の続きだから、認識か…。認識に干渉するってのは簡単な話、幻を見せるとかに近いな。魔族の間じゃ、魔術と差別化して幻術とかっても言われたりする。たとえば、今戦ってるのは犬じゃなくて魔獣だ、しかもとびきり凶悪な奴。みたいな幻術を相手にかけると、相手は犬が魔獣にしか見えなくなったりする』
「そんなの、魔法でも出来そうだがな…それに、今話す事か?」
『魔法じゃ意外と難しいんだぜ?詳しく知らんが、光を曲げたり、受けた衝撃を強く感じさせたりとか、手間がかかるらしい。ちなみに出来たら上一級から特三級クラス』
マジか。
『さて、この話をした理由、分かるか?』
「全然?」
『………幻術の使い道は多くてな?たとえば、マーキングした相手の夢枕に立って話しかける、なんて事も出来るわけだ』
流石にここまで言われれば分かった。
「つまり、そんな芸当をした時点で相手はほぼ確定で魔族だと?」
『最初っから言ってんだろ』
さらにシャルは続ける。
『恐らくマーキングを付けたのは最初に腐竜がリーザと会ったとき。腐竜にやられたって言ってただろ?腐屍者…ジェルジネンはその名前通り、屍体やら何やらを使うのが得意で、過去に勇者が戦った時も屍者やら飢餓者で構成された軍を使ってた。恐らく…いや、ほぼ間違いなく、腐竜もそうして造られたものだろうよ』
「……」
『ついでだからそのまま話すが、腐屍者についてだ。アイツについては…見た目は中肉中背の男、腰ぐらいまで伸ばした白い髪、大体は片手に自分の身長ぐらいの杖を持ってて眼帯もつけてる。雰囲気は糞根暗、その癖変にイケメン、って所かな。魔法よりも魔術…特に独自に身につけた死霊術?とか言うのを使ってくる。直接俺達に攻撃するような手段はほとんどないが、杖で地面を叩くと屍体がボコボコ沸いてくる。そんな所か?』
「…そんな奴が三大魔候って恐れられてんのか?」
屍者や飢餓者程度なら俺も寝ながらでも戦える。
『量と質が半端じゃねぇのが一つ。魔力が笑えるぐらい多いから弾切れが起きねぇんだよな。二つ目が尋常じゃない回復力。普通の魔族の百倍しぶとい。そして最後。アイツはいッッッッッッッッっっっっち番最初からいる、最初期の魔族、最古の魔族だ』
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