大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

罵声と二つ名持ち

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「$¡'■▪↘$゜▪=●!!」
「&$/¥-♡”’[-+#♪¥=/■!!」
………うわぁ…。
『………うわぁ…』
食堂の方で、明らかにヒトの一生で口から出るべきではない罵倒がとんでもない勢いで飛び交ってるのが聞こえた。
ちなみに俺を呼びに来た先輩は「それでは、伝えましたので!確かに伝えましたので!!」と言って食堂とは真逆の方向へ逃げるようにして走っていった。
すごく行きたくないです。
『混ぜるな危険、だな』
そのうち爆発するんじゃねぇ?
と言った瞬間、本当に爆発したらしく、爆風と爆音、両方がしっかりと確認できた。
訂正しよう。
あの先輩、絶対逃げた。
それでも、話を聞かずに食堂に行かなければ、後から大変面倒なことになりそうだ。
具体的に《雷光》辺りが「ウィル様のお話を無視するとは!!」って言われて因縁つけられそう。
…やりかねん。
『…どんな人物かは知らんが、よっぽどな奴がいるんだな』
あれ?シャルは知らなかったっけか。つーか、この前帰ってきた時に捕まったんだが…まぁいいか。
「…はぁ」
溜息を吐き、ガラリと戸を開ける。
「●♡&¥'◀!ΣОО………ん、ようやく来たか」
衝撃の事実。あの罵詈雑言を吐いていたのは、クールだとか冷静だとか、周りからはそう言った評価がよく聞こえる《雷光》ことシオン・シラヌイ。
ちなみにお相手は安定の《不動荒野》。
「おい、俺を呼んだ理由を至急説明しやがれ。用事がねぇならすぐ戻るぞ。ウチのクラスは今、大事件の真っ只中なんだ」
眉間に限界までシワを寄せ、盛大にイラついているということをアピールしながら食堂のメンツをジロリと睨む。
『………まぁ、大事件なのは約一名にとってだけだろうがな』
シャル、スリーアウトだ。
…まぁ、だからって何も出来ないんだが。
「おぉ!《緋眼騎士》のレィア!!」
「んだよルト先輩。そんな気色悪いぐらいいい笑顔で笑いやがって」
多分、ついさっきまで向かいの《勇者》と戦ってたんだろう。
二人の間がしっちゃかめっちゃかになってる。これ、食堂のオバチャンに怒られなぁい?
「やぁレィアさん。久しぶり。包帯を巻いているようだけど、怪我は大丈夫なのかな?」
「ん?あぁこれはまた別の怪我。休んでた方の怪我はもう治ってるよ」
「《勇者》貴様!!勝手に《緋眼騎士》に話しかけるな!!」
なんで《逆鱗アンタ》が反応すんだ。
ほら、椅子を投げない。
「んで、何用だ。用がないなら帰るぞ」
ふぃ、と後ろを向くと、ルト先輩が大慌てで引き止めてきた。
「今回呼んだのはな、今度の聖学祭で二つ名持ちが行う出し物についてでだな…」
…んぅ?俺、そんなの聞いてないんだけど。
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