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第1章
2 一目惚れ②
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優子さんは長い黒髪でパーマをかけていて、清楚さと大人っぽさを兼ね備えていた。
化粧も濃くなくて若作りしている感じもなく、それでも大学の派手な女子よりもよっぽど綺麗だった。
でも滲み出るオーラ? みたいなもの? は、たしかに、同世代にはない、穏やかさというか……上品な感じ? うまく言えないけどとにかく、俺の周りにはいないタイプだった。
話し方も落ち着いていて、言葉使いも綺麗だったし、声も可愛くて、丁寧語とタメ口が混ざってるのがすごく可愛かった。
背は姉ちゃんより低くて、一七〇センチしかない俺をいい感じで見上げてくれて、そのまま笑った顔もすごく可愛かった。
……というようなことを、あの夜から何度も何度も思い返しながら週末を過ごした。
月曜の夜、夕食と風呂を終えて部屋でゴロゴロしながら漫画を読んでいたら、姉ちゃんが入ってきた。
「優子さんが、弟さんイケメンだねって言ってたよ」
「えっ、マジで!?」
俺は反射的に起き上がった。
「まぁ、あんた顔だけが取り柄だしね」
「うるさいわ」
「でもねぇー」
はぁ、とため息をついて、俺の肩にポンと手を置き、
「全っ然、脈なしだわ。残念だったね」
そう言って同情の眼差しを向けた。
「そんじゃ」
「いやちょっと待て、お前優子さんに何言ったんだよ!?」
まさか「弟が一目惚れしちゃったらしくてェ~」とか言っちゃってないだろうな!?
こいつなら言いそうだ。
そしたらもう、顔合わせらんない!
「もしかして意外と好感触かなと思って、"弟も優子さん綺麗って言ってましたよ~"って言ったらさ、"あはは、いい子だね"だって。あれは完全に子供扱いしてたね」
「そ、そう……」
子供扱い。
それはなかなかショックな一言だった。
三十歳から見たら十八ってどう映るんだろう。
そんなに子供なのかな?
逆に俺から見て十二歳年下だと……六歳じゃん。ヤベェ。
えっ待って、俺が小学生の頃には優子さんもう大人だったの? マジか。
たしかに、たしかにその差はデカすぎるかもしれない……。
「ま、そういうことだから、諦めな。短い恋だったな」
そう吐き捨てて部屋を出る姉ちゃんに、お前はいったいなんなんだよと心の中で大声でツッコんだ。
化粧も濃くなくて若作りしている感じもなく、それでも大学の派手な女子よりもよっぽど綺麗だった。
でも滲み出るオーラ? みたいなもの? は、たしかに、同世代にはない、穏やかさというか……上品な感じ? うまく言えないけどとにかく、俺の周りにはいないタイプだった。
話し方も落ち着いていて、言葉使いも綺麗だったし、声も可愛くて、丁寧語とタメ口が混ざってるのがすごく可愛かった。
背は姉ちゃんより低くて、一七〇センチしかない俺をいい感じで見上げてくれて、そのまま笑った顔もすごく可愛かった。
……というようなことを、あの夜から何度も何度も思い返しながら週末を過ごした。
月曜の夜、夕食と風呂を終えて部屋でゴロゴロしながら漫画を読んでいたら、姉ちゃんが入ってきた。
「優子さんが、弟さんイケメンだねって言ってたよ」
「えっ、マジで!?」
俺は反射的に起き上がった。
「まぁ、あんた顔だけが取り柄だしね」
「うるさいわ」
「でもねぇー」
はぁ、とため息をついて、俺の肩にポンと手を置き、
「全っ然、脈なしだわ。残念だったね」
そう言って同情の眼差しを向けた。
「そんじゃ」
「いやちょっと待て、お前優子さんに何言ったんだよ!?」
まさか「弟が一目惚れしちゃったらしくてェ~」とか言っちゃってないだろうな!?
こいつなら言いそうだ。
そしたらもう、顔合わせらんない!
「もしかして意外と好感触かなと思って、"弟も優子さん綺麗って言ってましたよ~"って言ったらさ、"あはは、いい子だね"だって。あれは完全に子供扱いしてたね」
「そ、そう……」
子供扱い。
それはなかなかショックな一言だった。
三十歳から見たら十八ってどう映るんだろう。
そんなに子供なのかな?
逆に俺から見て十二歳年下だと……六歳じゃん。ヤベェ。
えっ待って、俺が小学生の頃には優子さんもう大人だったの? マジか。
たしかに、たしかにその差はデカすぎるかもしれない……。
「ま、そういうことだから、諦めな。短い恋だったな」
そう吐き捨てて部屋を出る姉ちゃんに、お前はいったいなんなんだよと心の中で大声でツッコんだ。
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