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{第八十五話} エキサイト
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そう言えば、昨日から何か忘れているような気がするんだが、その何かが分からない。
結構重要な用事だった気がするけど、それにしても物忘れ多くね?
固有スキルの「超記憶力」は発動しないだけじゃなくて、忘れやすくなるなんてマイナス効果が付いているような気がする。
一生懸命思い出そうとするが、思い出せない。
首の辺りまで来ているんだが、中々思い出せない。
まぁ、いつか思い出せるだろう。
そんな事を考えていると、ネラの表情が急に険しくなった。
「京一様、北西の関所から緊急連絡です。「エキサイト」を10キロ押収しました」
「結構な量だな、今すぐ行くぞ。昌もこい」
おじさんに連れられ北東の関所へテレポート。
北東と言うと「バラクス」の辺りか。
ネラの「押収」と言う単語と言い、単位が「キロ」からするに、場所も考慮すると、完全に現世で言う麻薬の類だろう・。
バラスクは治安が悪いって聞いたから、違和感は特に無いな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
帝都全体は10mほどの高さがある壁で丸く囲われている。
そんな壁には帝都の城を中心に大体八方位ごとに門が設置されていて、そこの関所から帝都に入ることが出来る。
門がある壁の内側には建物が隣接しており、その中で入国の管理をしているのだろう。
まあ、ここは帝都なので「入国」ではなく「入都」なのかもしれないが。
建物の中には金属探知が内臓されていると思われるゲートが設置されており、入都するにはそのゲートをくぐらないといけないらしい。
また、荷物等はX線の機械を通し、職員の女性がモニターで中身を確認している。
ここで働いている職員は、見渡す限り皆女性で男性の姿は見えない。
ゲートは数箇所設置されているが、すべて女性の職員が対応している。
それだけでも少し驚くレベルなのだが、更にオレを驚かせる光景がそこにはあった。
女性の大半が頭に耳が付いていて、尻尾が生えている。
見たところ犬耳だ。
この関所がおじさんの管轄だと言う事は、獣人をわざわざ職員として雇っている事には何か理由があるのだろう。
関所に犬の獣人、そしてさっきの「エキサイト」が麻薬の一種と言うオレの予想から導き出される答えは麻薬探知犬だろう。
見た目は人間の割合が多いが犬の獣人と言う事は、犬の特徴の一つでもあるとても優れた鼻を持っている可能性がとても高い。
様子を見ている感じでは、普通に会話をしている所からするに、鼻が犬並みに優れた人間といった所だろう。
個々の特徴や得意分野がどんな仕事に適正があるか見抜いて、仕事を割り振るから今回も鼻が優れている特長を活かすことが出来るここの職員に割り当てたのだろう。
そん事を一人で考察しながらおじさんについて行くと、とある部屋の前に案内された。
部屋の前には窓ガラスが設置されていて、そこから中の様子が見える。
部屋の中には男が一人、イスに座っていた。
男は弱々しい見た目で、イスに座っているその姿はとても小さくなっていた。
ガラス越しに男を眺めているが、男の方は一切オレ達の方は一切見ていない。
普通なら目ぐらい合うはずなのだが、一回も無いと言う事から、このガラスはマジックミラーになっているようだ。
部屋の前には職員の女性が待っており、おじさんはその女性に話しかけた。
「この男が例の?」
「はい、頼まれた積荷を馬車で帝都に届けに来たらしいです。馬車の積荷をすべて調べましたが特に気になるものは一切ありませんでしたが、スクラさんが臭うと言うので更に詳しく調べると、荷台の床下から「エキサイト」が10キロ見つかりました」
「エキサイトが10キロか、末端価格で...え~っと、1グラム5万ギル位だから、1億ギルか。結構持ち込んだな」
「本人は運び屋として使われた事に気づいていなかったらしく、仕事を受けた時も馬車ごと渡され報酬も倍以上で気前のいい客程度にしか思っていなかったようです。届け先はバラスクのパナノと言う店だそうです。天秤を使いましたが、彼は嘘をついていないようです」
おじさんは「パナノ」と言う単語を聞いた瞬間、心当たりがあるのかため息を付いた。
「アイツか、やっぱりあの噂は事実だったのか。この男の入国は許可出来無いが、ただ利用されていただけのようだし、外に出してやれ。あと、馬位は帰してやれ」
「わかりました、押収したエキサイトはどうしますか?」
「焼却処分だな、処理施設に運んでおいてくれ」
「分かりました」
職員との話しが終わると、おじさんは部屋の中に入り男に話しかけた。
「今回はただ利用されただけみたいだし、特別にお返しします。馬車はお返し出来ないのですが、馬はつれて帰ってもらって大丈夫です。気をつけてお帰りください」
男はおじさんに見送られ、馬にまたがって走っていた。
「取り合えずこの場は会話にあまり干渉せずに、ただただ見ていたけど説明求む」
おじさんはここだとあれだからと、職員達が使う休憩所につれてかれた。
「何から聞きたい?」
「ここは何んなんだ?おじさんが管理しているのか?」
「帝都は高い壁で囲われていることは知っているだろ?その壁には帝都の中心にある城から見て大体八方位に一つ門が設置してあって、そこから帝都に入ることが出来るが、帝都に入るには手荷物検査をクリアしなければいけない。で、その手荷物検査を行う関所の管理運営をしているのが、ウチなわけだ」
「おじさんが管理運営している組織多くね?」
「帝国の主要組織の大半をウチが管理しているからな」
「主要組織?何があるんだ?」
「警察や消防とか?あとは病院も運営してたな。他にも帝国の防衛を目的とした軍も持ってたりする」
もう十分、お腹一杯だ。
話題を変えようか。
「さっきエキサイトを焼却処分するって言っていたが、話しの内容的にエキサイトって現世で言う所の麻薬みたいな物だろ?燃やしちゃて良いのか?」
麻薬の中には燃やして出てくる煙を吸って使う物もあるから、燃やしたらマズイだろ。
「エキサイトはこの世界で言う所の麻薬だな。使用した時の効果は名前の通り、テンションが上がって一時的な興奮状態になる。しかし、中毒性が高いから一度手を出してやめられた人間は居ない。例え1グラムでもな。エキサイトは植物系で使い方はいくつもあって。例えば、乾燥させた葉っぱとかを巻いてタバコみたいにして煙を吸う。そんな植物系の処理は、高温で一気に燃やせば煙が出ないからそれでおk。次によくテレビドラマとかで見る粉末状の物は、多量の水に溶かして下水に流す」
「なるへそ」
下水に流したらマズイを思ったが、他の家とかから出た下水でさらに薄くなって問題ないくらいの薄さになるのだろう。
結構重要な用事だった気がするけど、それにしても物忘れ多くね?
固有スキルの「超記憶力」は発動しないだけじゃなくて、忘れやすくなるなんてマイナス効果が付いているような気がする。
一生懸命思い出そうとするが、思い出せない。
首の辺りまで来ているんだが、中々思い出せない。
まぁ、いつか思い出せるだろう。
そんな事を考えていると、ネラの表情が急に険しくなった。
「京一様、北西の関所から緊急連絡です。「エキサイト」を10キロ押収しました」
「結構な量だな、今すぐ行くぞ。昌もこい」
おじさんに連れられ北東の関所へテレポート。
北東と言うと「バラクス」の辺りか。
ネラの「押収」と言う単語と言い、単位が「キロ」からするに、場所も考慮すると、完全に現世で言う麻薬の類だろう・。
バラスクは治安が悪いって聞いたから、違和感は特に無いな。
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帝都全体は10mほどの高さがある壁で丸く囲われている。
そんな壁には帝都の城を中心に大体八方位ごとに門が設置されていて、そこの関所から帝都に入ることが出来る。
門がある壁の内側には建物が隣接しており、その中で入国の管理をしているのだろう。
まあ、ここは帝都なので「入国」ではなく「入都」なのかもしれないが。
建物の中には金属探知が内臓されていると思われるゲートが設置されており、入都するにはそのゲートをくぐらないといけないらしい。
また、荷物等はX線の機械を通し、職員の女性がモニターで中身を確認している。
ここで働いている職員は、見渡す限り皆女性で男性の姿は見えない。
ゲートは数箇所設置されているが、すべて女性の職員が対応している。
それだけでも少し驚くレベルなのだが、更にオレを驚かせる光景がそこにはあった。
女性の大半が頭に耳が付いていて、尻尾が生えている。
見たところ犬耳だ。
この関所がおじさんの管轄だと言う事は、獣人をわざわざ職員として雇っている事には何か理由があるのだろう。
関所に犬の獣人、そしてさっきの「エキサイト」が麻薬の一種と言うオレの予想から導き出される答えは麻薬探知犬だろう。
見た目は人間の割合が多いが犬の獣人と言う事は、犬の特徴の一つでもあるとても優れた鼻を持っている可能性がとても高い。
様子を見ている感じでは、普通に会話をしている所からするに、鼻が犬並みに優れた人間といった所だろう。
個々の特徴や得意分野がどんな仕事に適正があるか見抜いて、仕事を割り振るから今回も鼻が優れている特長を活かすことが出来るここの職員に割り当てたのだろう。
そん事を一人で考察しながらおじさんについて行くと、とある部屋の前に案内された。
部屋の前には窓ガラスが設置されていて、そこから中の様子が見える。
部屋の中には男が一人、イスに座っていた。
男は弱々しい見た目で、イスに座っているその姿はとても小さくなっていた。
ガラス越しに男を眺めているが、男の方は一切オレ達の方は一切見ていない。
普通なら目ぐらい合うはずなのだが、一回も無いと言う事から、このガラスはマジックミラーになっているようだ。
部屋の前には職員の女性が待っており、おじさんはその女性に話しかけた。
「この男が例の?」
「はい、頼まれた積荷を馬車で帝都に届けに来たらしいです。馬車の積荷をすべて調べましたが特に気になるものは一切ありませんでしたが、スクラさんが臭うと言うので更に詳しく調べると、荷台の床下から「エキサイト」が10キロ見つかりました」
「エキサイトが10キロか、末端価格で...え~っと、1グラム5万ギル位だから、1億ギルか。結構持ち込んだな」
「本人は運び屋として使われた事に気づいていなかったらしく、仕事を受けた時も馬車ごと渡され報酬も倍以上で気前のいい客程度にしか思っていなかったようです。届け先はバラスクのパナノと言う店だそうです。天秤を使いましたが、彼は嘘をついていないようです」
おじさんは「パナノ」と言う単語を聞いた瞬間、心当たりがあるのかため息を付いた。
「アイツか、やっぱりあの噂は事実だったのか。この男の入国は許可出来無いが、ただ利用されていただけのようだし、外に出してやれ。あと、馬位は帰してやれ」
「わかりました、押収したエキサイトはどうしますか?」
「焼却処分だな、処理施設に運んでおいてくれ」
「分かりました」
職員との話しが終わると、おじさんは部屋の中に入り男に話しかけた。
「今回はただ利用されただけみたいだし、特別にお返しします。馬車はお返し出来ないのですが、馬はつれて帰ってもらって大丈夫です。気をつけてお帰りください」
男はおじさんに見送られ、馬にまたがって走っていた。
「取り合えずこの場は会話にあまり干渉せずに、ただただ見ていたけど説明求む」
おじさんはここだとあれだからと、職員達が使う休憩所につれてかれた。
「何から聞きたい?」
「ここは何んなんだ?おじさんが管理しているのか?」
「帝都は高い壁で囲われていることは知っているだろ?その壁には帝都の中心にある城から見て大体八方位に一つ門が設置してあって、そこから帝都に入ることが出来るが、帝都に入るには手荷物検査をクリアしなければいけない。で、その手荷物検査を行う関所の管理運営をしているのが、ウチなわけだ」
「おじさんが管理運営している組織多くね?」
「帝国の主要組織の大半をウチが管理しているからな」
「主要組織?何があるんだ?」
「警察や消防とか?あとは病院も運営してたな。他にも帝国の防衛を目的とした軍も持ってたりする」
もう十分、お腹一杯だ。
話題を変えようか。
「さっきエキサイトを焼却処分するって言っていたが、話しの内容的にエキサイトって現世で言う所の麻薬みたいな物だろ?燃やしちゃて良いのか?」
麻薬の中には燃やして出てくる煙を吸って使う物もあるから、燃やしたらマズイだろ。
「エキサイトはこの世界で言う所の麻薬だな。使用した時の効果は名前の通り、テンションが上がって一時的な興奮状態になる。しかし、中毒性が高いから一度手を出してやめられた人間は居ない。例え1グラムでもな。エキサイトは植物系で使い方はいくつもあって。例えば、乾燥させた葉っぱとかを巻いてタバコみたいにして煙を吸う。そんな植物系の処理は、高温で一気に燃やせば煙が出ないからそれでおk。次によくテレビドラマとかで見る粉末状の物は、多量の水に溶かして下水に流す」
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