【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ

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8.竜の災厄

船旅

 港町バノア。
 三国交流会に向けていよいよ出発です。

 魔導帆船軍艦『プリンス・オブ・ルーク』号が第一波止場に錨を下ろしています。
 最初にタラップを昇るのはルーク王太子殿下とセシリア王女様。次に私。フィリップ先輩にエドモン様と交流する子供達が乗っていきます。

 「では、行ってきます!」

 ルーク様の声で出航です。
 ゆっくりと『プリンス・オブ・ルーク』号が港を離れていきます。潮風がキモチいいなぁ!

 沖合に出ると風の魔法が発動してものすごいスピードで進みます。私達も一旦船室へ。
 軍艦ですが右舷デッキに大きな客室を備えています。まぁ、王族が乗ることを想定してる船ですし。
 ルーク様とセシリア王女様、それに私が王族扱いで大きな一人部屋。フィリップ先輩やシャーロット、エドモン様が中の一人部屋。供の者が広い相部屋になっています。

 で、私の個室にシャーロットが来てます。

 「流石に広いですわ?ウフフ、殿下と同室で良かったのではないのですか?リスティア様」

 うぅ~ん、それなんだけどね。私は奥の壁のドアを指す。

 「あれ、ルーク様の部屋と繋がってるんだ」

 つまりルーク様は一旦通路に出なくても私の部屋に入って来れる。しかもあのドアにカギはない。

 「まあ?すると秘かにイチャイチャ出来る訳ですね?」

 ちょ? 直球すぎるよ、シャーロット!

 ダメ元でお願いしてみる。
 「ローラには内緒にしてほしいけど…」
 「まあ?ウフフ!私がそれほど口が軽いとお思いですか?」
 「まあ?ウフフ!この件に関しては思いますわ!シャーロット様」
「「ウフフ!」」

 微笑み合う二人。

 「分かってらっしゃるのなら諦めてくださいな!」

 やっぱり…。あうぅ…。待てよ?
 「同じドアがシャーロットの部屋にない? 確か隣はエドモン様の部屋!」
 「ありませんわ!多分ここが特別な造りだと思いますわよ」

 あうぅ…。終わった…。

 夜は晩餐会です。
 
 ルーク様にエスコートされパーティー会場に入りました。ルーク様は白いタキシード、私は淡いピンクのドレス。ダンス曲が流れだしたので、そのままルーク様のリードで踊ります。
 横の方で黒いタキシードのエドモン様と青いドレスのシャーロットが踊っています。今回、婚約者組はこの二組のようです。

 曲が終わり私達は下がりました。新しい曲が始まると参加者が銘々相手を見つけて踊りだします。

 あれ?セシリア様?

 「ルーク様にリスティア嬢、お二人ともお上手ですね。息もぴったり。素晴らしかったですわ」
 「恐れ入ります。いつリスティアのドレスの裾を踏まないか、ヒヤヒヤしていました」
 「そうだったのですか?私、ルーク様のリードでいつも以上に上手く踊れましたよ?」

 照れて赤くなってしまうルーク様。
 「そう言ってくれると嬉しいよ、リスティア」
 うわぁ、その笑顔、素敵です。

 「あらあら!フフ、お似合いのお二人に」

 乾杯の真似をするセシリア様。二人して照れてしまいました。

 「あら、エドモン卿にシャーロット嬢。あなた方も素敵でしたわ」
 「恐れ入ります、セシリア様」
 「あのお二人には敵いませんわ!」

 ちょ?シャーロット?

 「ところでセシリア様は踊られないのですか?」
 「私をエスコートする殿方がいらっしゃらなくて」
 「では、立候補しましょうかね。いいかな?リスティア」

 あの?私がルーク様にダメ出しできるわけがありません!

 「それではセシリア様、お手を失礼します」

 ルーク様がエスコートしてお二人が踊りだしました。フフ、やっぱりルーク様、素敵です。

 三人並んで見ていたらボーイが飲み物を持ってきました。
 「ありがとう」
 エドモン様が受けとり私達に回します。
 「ありがとうございます、エドモン卿」
 十一歳の私達には当たり前ですがノンアルコール。絞りたてといえる新鮮なオレンジジュースを堪能します。

 それにしてもセシリア様、ダイナミックで華麗です。成人前の十五歳。ルーク様より背もあり大柄で、でも可愛らしいです。

 でも、こうした楽しい時間は長く続きませんでした。


 「敵襲!」
 軍艦に仕掛けて来るなんて?

 「海の藻屑と消えな!」
 仕掛けて来たのはキリー=フォール!?
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