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8.竜の災厄
海戦
あのキリーの襲撃!
前方に多分戦艦。海賊船?その回りに快速の小型船が五隻。
「キリーが海賊と組んでる?」
「にしては動きがいい。多分軍艦です。恐らくヴォルコニア」
サーモンド王国の交戦国?
「でも、そこまで好戦的ではなかったと思うけど?」
「サーモンドもですがヴォルコニアも一枚岩ではありません。穏健派と好戦派が激しくやりあってるんです」
つまりキリーは、いや『使徒モルド』は好戦派と繋がってる? 艦長の言葉に納得。
あ、私今、ルーク様と一緒に艦橋にいます。
ルーク様は王族。この艦の最終的な判断を行う為に。船の運航は艦長ですが政治的な判断もあるのです。
で、私は婚約者だからではありません!実は今回私が最強の魔法使いなんです。何せ骨とはいえ竜を倒してます。
元々魔法防御がある船ですが私も防御魔法『リフレクト・シールド』をかけました。魔法はもちろん実弾も充分防御できるはず。
「この船の速度を多分知らないのでしょうね。さぁ、驚くなよ!」
風魔法を自ら興せる魔導帆船。速度と小回りが信じられない動きをするそうです。
「おもか~じ!第二戦速!雷撃砲準備‼︎」
「面舵!」
「雷撃砲準備よろし!」
「速度、第二戦速へ!」
『プリンス・オブ・ルーク』号のスピードが上がっていきます。
流石のスピード!
小型快速船ですらついていけなくなってる!
「目標、左の二隻!撃て‼︎」
左舷の雷撃砲が三門! 雷撃魔法の光弾を放ちました!
命中! 轟音! 轟沈‼︎
これは魔法使いの出番ないよね。
すごいスピードで走りながら『プリンス・オブ・ルーク』号は取り囲もうとする快速船を次々と沈めていく!艦長の操船もすごい‼︎
あっという間に海賊船のみになりました。
と振動? え? どこから?
「今のは?」
「空中ですね。竜騎兵もいるようです」
飛竜に騎乗し空中から襲う兵。
今のところ船のシールドに跳ね返されてます。
「リスティア?」
「無視していいと思います。多分、シールド破られないです」
竜騎兵の魔法が悪いけど貧弱過ぎ。飛竜の炎や剣戟も船処か私の魔法すら破られない!
満面の笑みを浮かべる私にルーク様も微笑み返します。
「だ、そうだよ。艦長」
「そいつは有難いですな。では上には気にせず、あの海賊船のみに砲火を集中!」
船の速度が違うのでこっちは簡単に回り込めます。砲の威力も段違い。全く相手にならず海賊船は沈みました。
「艦長!あれ!」
指し示す方を見ると、海賊達が必死に浮いています。
「警戒しつつ救助活動! いいですな、殿下」
「もちろん。最終的に死罪だとしてもここで見殺しにはできない。彼らにも裁きを受ける権利があるし更正の機会も与えねば」
私を「いいね?」と言わんばかりに見つめるルーク様に微笑んで頷きます。
船の速度もゆっくりとなりロープのついた浮輪が投げ込まれていきます。
いつの間にか竜騎兵はいなくなっていました。
浮輪にしがみつき船に持ち上げられる海賊達。
うん、やっぱりならず者の雰囲気じゃありません。
「君達はヴォルコニアの軍人かい?それとも海賊でいいのかな?」
ルーク様が詰問します。
「あんたは?」
「リンドガイア王太子、ルーク=リンドガイア。君達の処遇を最終的に決める者だよ」
「…俺達は海賊だ。ただの、な」
「クニは? そこの官憲に引き渡すよ」
「…ヴォルコニア」
「フム、ありがとう。もう聞くことはないな。監禁拘束してくれ」
海賊達は水兵が連れて行きました。
「艦長?」
「ヴォルコニア軍人でしょう。かの国に『海賊容疑で逮捕した』って引き渡すのが一番穏便でしょうね」
「キリーがいないな?あの状況でどこに逃げたのやら」
「全くですな。まぁいい。さぁ、出発だ。船を航路に戻せ!」
ゆっくりと進み出す『プリンス・オブ・ルーク』号。
再び、平穏な航海に戻りました。
「くそっ! 何だ!あの船は?」
「魔導帆船。やれやれ、それすらも知らんのか?そもそも何故偽装海賊を使った? キリー? てめえ、どこまで無能だ?ああ?」
「な、何だと!」
海面に浮いているキリーと海の上に立つ男。
「これ以上モルド様の邪魔をされるのは迷惑だ。このまま消えな!」
そう言って海面から浮き上がっていく男。
「ま、待て? 置いて行く気か? おい!エルド‼︎」
去ろうとした男、エルド=カッツは向かってくる魔法使いを見て舌打ちすると、
「遊びが過ぎたか? 私の魔力を感知した?」
「はい。とても気になりました」
対峙する私を見て愉快そうに笑いました。
「ククク、はじめましてだな、リスティア嬢。私はエルド=カッツ。『使徒モルド』配下の魔法使い。さて貴女と直接やり合う気はない。なのでこの場は去らせて貰う。いずれまた」
背を見せるとそのまま飛び去って行きました。
後ろから撃たれるって思わなかったのかな?やっぱり私、甘いのでしょうね。しかもバレバレ。
足元って言うか、海面にキリー。
こっちを睨んでます。
「どうする気だ?」
「とりあえず船に連れて行きます」
「はあ?俺を助けるつもりか?」
「もちろんです。私、誰も死んでほしくないんです」
呆気に取られるキリー。迷わず魔法をかけます。
「『バインド』で拘束。『サイコキネキス』で持ち上げて一緒に移動! 帰ります」
いきなり飛び出した私をルーク様以下皆大騒ぎで追い掛けようとしてたみたいで帰ってきた私は大目玉喰らいました。アハハ。ごめんなさい、ルーク様。
「置いてきたようですね。くくく、けけけけけけけけけ!無事キリーは奴らの船に。ここまでは計画通りです」
「確かに凄い魔力。まず太刀打ち出来ません。しかしここまで甘いとは?」
「まだ子供。いや、多分性格。彼女は私ですら腹を空かしていたらご飯を作ってくれるような気がします。くくく、けけけけけけけけけ!」
前方に多分戦艦。海賊船?その回りに快速の小型船が五隻。
「キリーが海賊と組んでる?」
「にしては動きがいい。多分軍艦です。恐らくヴォルコニア」
サーモンド王国の交戦国?
「でも、そこまで好戦的ではなかったと思うけど?」
「サーモンドもですがヴォルコニアも一枚岩ではありません。穏健派と好戦派が激しくやりあってるんです」
つまりキリーは、いや『使徒モルド』は好戦派と繋がってる? 艦長の言葉に納得。
あ、私今、ルーク様と一緒に艦橋にいます。
ルーク様は王族。この艦の最終的な判断を行う為に。船の運航は艦長ですが政治的な判断もあるのです。
で、私は婚約者だからではありません!実は今回私が最強の魔法使いなんです。何せ骨とはいえ竜を倒してます。
元々魔法防御がある船ですが私も防御魔法『リフレクト・シールド』をかけました。魔法はもちろん実弾も充分防御できるはず。
「この船の速度を多分知らないのでしょうね。さぁ、驚くなよ!」
風魔法を自ら興せる魔導帆船。速度と小回りが信じられない動きをするそうです。
「おもか~じ!第二戦速!雷撃砲準備‼︎」
「面舵!」
「雷撃砲準備よろし!」
「速度、第二戦速へ!」
『プリンス・オブ・ルーク』号のスピードが上がっていきます。
流石のスピード!
小型快速船ですらついていけなくなってる!
「目標、左の二隻!撃て‼︎」
左舷の雷撃砲が三門! 雷撃魔法の光弾を放ちました!
命中! 轟音! 轟沈‼︎
これは魔法使いの出番ないよね。
すごいスピードで走りながら『プリンス・オブ・ルーク』号は取り囲もうとする快速船を次々と沈めていく!艦長の操船もすごい‼︎
あっという間に海賊船のみになりました。
と振動? え? どこから?
「今のは?」
「空中ですね。竜騎兵もいるようです」
飛竜に騎乗し空中から襲う兵。
今のところ船のシールドに跳ね返されてます。
「リスティア?」
「無視していいと思います。多分、シールド破られないです」
竜騎兵の魔法が悪いけど貧弱過ぎ。飛竜の炎や剣戟も船処か私の魔法すら破られない!
満面の笑みを浮かべる私にルーク様も微笑み返します。
「だ、そうだよ。艦長」
「そいつは有難いですな。では上には気にせず、あの海賊船のみに砲火を集中!」
船の速度が違うのでこっちは簡単に回り込めます。砲の威力も段違い。全く相手にならず海賊船は沈みました。
「艦長!あれ!」
指し示す方を見ると、海賊達が必死に浮いています。
「警戒しつつ救助活動! いいですな、殿下」
「もちろん。最終的に死罪だとしてもここで見殺しにはできない。彼らにも裁きを受ける権利があるし更正の機会も与えねば」
私を「いいね?」と言わんばかりに見つめるルーク様に微笑んで頷きます。
船の速度もゆっくりとなりロープのついた浮輪が投げ込まれていきます。
いつの間にか竜騎兵はいなくなっていました。
浮輪にしがみつき船に持ち上げられる海賊達。
うん、やっぱりならず者の雰囲気じゃありません。
「君達はヴォルコニアの軍人かい?それとも海賊でいいのかな?」
ルーク様が詰問します。
「あんたは?」
「リンドガイア王太子、ルーク=リンドガイア。君達の処遇を最終的に決める者だよ」
「…俺達は海賊だ。ただの、な」
「クニは? そこの官憲に引き渡すよ」
「…ヴォルコニア」
「フム、ありがとう。もう聞くことはないな。監禁拘束してくれ」
海賊達は水兵が連れて行きました。
「艦長?」
「ヴォルコニア軍人でしょう。かの国に『海賊容疑で逮捕した』って引き渡すのが一番穏便でしょうね」
「キリーがいないな?あの状況でどこに逃げたのやら」
「全くですな。まぁいい。さぁ、出発だ。船を航路に戻せ!」
ゆっくりと進み出す『プリンス・オブ・ルーク』号。
再び、平穏な航海に戻りました。
「くそっ! 何だ!あの船は?」
「魔導帆船。やれやれ、それすらも知らんのか?そもそも何故偽装海賊を使った? キリー? てめえ、どこまで無能だ?ああ?」
「な、何だと!」
海面に浮いているキリーと海の上に立つ男。
「これ以上モルド様の邪魔をされるのは迷惑だ。このまま消えな!」
そう言って海面から浮き上がっていく男。
「ま、待て? 置いて行く気か? おい!エルド‼︎」
去ろうとした男、エルド=カッツは向かってくる魔法使いを見て舌打ちすると、
「遊びが過ぎたか? 私の魔力を感知した?」
「はい。とても気になりました」
対峙する私を見て愉快そうに笑いました。
「ククク、はじめましてだな、リスティア嬢。私はエルド=カッツ。『使徒モルド』配下の魔法使い。さて貴女と直接やり合う気はない。なのでこの場は去らせて貰う。いずれまた」
背を見せるとそのまま飛び去って行きました。
後ろから撃たれるって思わなかったのかな?やっぱり私、甘いのでしょうね。しかもバレバレ。
足元って言うか、海面にキリー。
こっちを睨んでます。
「どうする気だ?」
「とりあえず船に連れて行きます」
「はあ?俺を助けるつもりか?」
「もちろんです。私、誰も死んでほしくないんです」
呆気に取られるキリー。迷わず魔法をかけます。
「『バインド』で拘束。『サイコキネキス』で持ち上げて一緒に移動! 帰ります」
いきなり飛び出した私をルーク様以下皆大騒ぎで追い掛けようとしてたみたいで帰ってきた私は大目玉喰らいました。アハハ。ごめんなさい、ルーク様。
「置いてきたようですね。くくく、けけけけけけけけけ!無事キリーは奴らの船に。ここまでは計画通りです」
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