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貴族の戦い
29. アイラの決断
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事態が悪化してる。
お兄様の手のモノからの知らせ。私の存在が王国にも暴露されてしまった、と。
ついでに派閥抗争の要因にもされてしまってるとか。
…サヨナラ、私のスローライフ。
と言いたいが、私はまだ諦めてない!
ピィー『マジで?』
クヮアー『どうするの?』
ガォオオーン『面倒だしやっちまおうぜ』
「ダーメ!コロ、先ず地形を変えて。で、キィちゃんは『霧幻惑』出来たよね」
ガォオオーン『いいけど?』
クヮアー『ここを秘境化するつもり?』
私は強く頷く。
此処から動かない。ハッキリと意思表示する。
「スチュワート叔父様には申し訳ないし、お兄様の面子も潰れてしまう。でも、こうなったら私も意地を通させてもらう」
お兄様と叔父様の密約は分かる。
私が貴族籍に戻るのには、やや強引ワザではあるけどベターと言える策だもの。
望んでないって、あれだけ言ったのにな。
そして、ダッカード侯爵。
私を敵に回した事、絶対後悔させてやるんだから。
「カナ、通信鳥やらせるの申し訳ないけど、コレ、お兄様に届けて。王都に行くって言ってたから」
ピィー『いいよ、アイラ。それじゃあ一っ飛び行くね』
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「…アイラ」
私の元に妹から送られてきたのは、訣別の意とも取れる手紙。
「もぉおー!どうして、こうも頑固なの?アイラ‼︎」
王都別宅で父や妹と会い、王国や叔父上への対応を考えていた矢先だった。
「で、ポール。アイラの才能が『聖獣使い』というのは真なのか?」
「はい、父上。現在、彼女の元に大地魔狼、霊鳥鳳凰、瑞獣霊亀が従っています。風以外の4聖神獣が揃っていてアイラを守護しています」
「うぅむ。何という事だ。アイラは追い出した儂に手向かうという事は」
「ありません。アイラは確かに家名は捨てたとは言いました。ですが我等との縁を切った憶えはないとも言っています。私やリディアを兄姉と慕っているし、勿論父上の事も」
「捨て去り、野垂れ死にさせようとしたこの父をか?まだ慕っておると?」
「鑑定の儀までは幸せな子供だったと。皮肉もあるでしょうが、それでも父上を恨んでいるとは思えませんでした」
「そうか…。だが、アイラは訣別してきた様だ」
父上もそうとる、か。
『私は争いの種になるつもりはありません。世界から隠れたいと思います。なので探す事は勿論連絡もお控え頂きたく思います』
手紙すら断るとの意思表示。
そして、聞こえてきた、例の沼地の秘境化。
霧が立ち込め、地形すら変わり、あの沼地に辿り着けなくなっていると。
以前も、幻惑の魔法がかかっていてアイラの住居たる洞窟は全く所在がわからなかったが、それでも沼地へは普通に行けた。
生命溢れる神境とも言えた沼地。
奥には瑞々しい果実をたわわに実らせた果樹園があり、豊穣な世界を思わせてくれた。
「アイラ。もう前みたいに5人で楽しく暮らせないのか?」
お兄様の手のモノからの知らせ。私の存在が王国にも暴露されてしまった、と。
ついでに派閥抗争の要因にもされてしまってるとか。
…サヨナラ、私のスローライフ。
と言いたいが、私はまだ諦めてない!
ピィー『マジで?』
クヮアー『どうするの?』
ガォオオーン『面倒だしやっちまおうぜ』
「ダーメ!コロ、先ず地形を変えて。で、キィちゃんは『霧幻惑』出来たよね」
ガォオオーン『いいけど?』
クヮアー『ここを秘境化するつもり?』
私は強く頷く。
此処から動かない。ハッキリと意思表示する。
「スチュワート叔父様には申し訳ないし、お兄様の面子も潰れてしまう。でも、こうなったら私も意地を通させてもらう」
お兄様と叔父様の密約は分かる。
私が貴族籍に戻るのには、やや強引ワザではあるけどベターと言える策だもの。
望んでないって、あれだけ言ったのにな。
そして、ダッカード侯爵。
私を敵に回した事、絶対後悔させてやるんだから。
「カナ、通信鳥やらせるの申し訳ないけど、コレ、お兄様に届けて。王都に行くって言ってたから」
ピィー『いいよ、アイラ。それじゃあ一っ飛び行くね』
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「…アイラ」
私の元に妹から送られてきたのは、訣別の意とも取れる手紙。
「もぉおー!どうして、こうも頑固なの?アイラ‼︎」
王都別宅で父や妹と会い、王国や叔父上への対応を考えていた矢先だった。
「で、ポール。アイラの才能が『聖獣使い』というのは真なのか?」
「はい、父上。現在、彼女の元に大地魔狼、霊鳥鳳凰、瑞獣霊亀が従っています。風以外の4聖神獣が揃っていてアイラを守護しています」
「うぅむ。何という事だ。アイラは追い出した儂に手向かうという事は」
「ありません。アイラは確かに家名は捨てたとは言いました。ですが我等との縁を切った憶えはないとも言っています。私やリディアを兄姉と慕っているし、勿論父上の事も」
「捨て去り、野垂れ死にさせようとしたこの父をか?まだ慕っておると?」
「鑑定の儀までは幸せな子供だったと。皮肉もあるでしょうが、それでも父上を恨んでいるとは思えませんでした」
「そうか…。だが、アイラは訣別してきた様だ」
父上もそうとる、か。
『私は争いの種になるつもりはありません。世界から隠れたいと思います。なので探す事は勿論連絡もお控え頂きたく思います』
手紙すら断るとの意思表示。
そして、聞こえてきた、例の沼地の秘境化。
霧が立ち込め、地形すら変わり、あの沼地に辿り着けなくなっていると。
以前も、幻惑の魔法がかかっていてアイラの住居たる洞窟は全く所在がわからなかったが、それでも沼地へは普通に行けた。
生命溢れる神境とも言えた沼地。
奥には瑞々しい果実をたわわに実らせた果樹園があり、豊穣な世界を思わせてくれた。
「アイラ。もう前みたいに5人で楽しく暮らせないのか?」
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