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あの日、あの時、神様が⁉︎
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「ふう」
東京都心にある、確かにそれ程大きくはないとは言え、やはり会社が入ってるビルはそこそこのもので。
吹抜けロビーは、そこそこオシャレな雰囲気を醸し出してる。
3階のレストスペースで、缶コーヒーを飲みながら、何ともなく下を見下ろしてみる。
「先輩!ここにいたんすか?」
駆け寄ってきたのは高校の後輩。ただし、コイツはその後一流大学へ進み、大卒でウチに入ってきてる。高卒の俺とはキャリアが違う。
「課長が呼んでるっす。『鈴木商事の件、どうなってるか』って」
「はぁ?昨日報告したぞ。成約済みって」
「え?マジっすか?あそこの木村部長、新規参入を認めないって有名っすよ。それを高卒の先輩が?」
「契約と学歴は、何ら比例しねぇよ」
課長といいコイツといい、低学歴=無能としか見てねぇから。俺の営業成績を頑なに否定しやがる。
「そおっすか?」
「だって俺は、この資格もってるしね。お前、先月受験したんだろ?」
敢えて聞いてやる。
おー!顔真っ赤にして歪み切って。
俺が持ってる国家資格。コイツは2年連続で不合格んだよね。
「ま、資格は経験則がモノを言うからな。お前じゃ無理だよ」
コーヒー飲み終えた俺は立ち上がる。
と…。
目の前が暗転し、足元及びつかなくなって。
「な…」
「先輩!」
テラスにいた俺はふらつき、そのままガードを超えてしまう。俺を蔑み、怒りすら覚えていた後輩も、咄嗟に俺を掴み支えようと飛び付いてくる。
ていうか、何でガードを超えた?
まるで、ガードが一瞬消えた様にも見えたが…。
「センパーイ!」
走馬灯って言う程、思い出が頭をよぎる事もなく。まぁ、コイツは人としては真っ当だったんだなぁ、俺を迷わず助けようと手を伸ばして…。何となく、そう思って。
グシャッ。
凄まじい激痛に襲われ、俺の意識はプツンと途切れた…。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「いやはや、すまんのぅ」
何だ?このジジイは?
「まぁ、何じゃ。ちぃとニュアンスが違うが、神様と思うてくれ」
は?ってか、俺の頭ん中を…?
「分かっとるぞ。うむ。で、先に謝っとこうと思うてな」
白い空間。仙人の様なジジイ。
まさか?今流行りの?
「うむ。地球人の娯楽は面白いのう。異世界転生じゃよ」
マジかよ。って、まさかあの転落は?
「眩暈そのものは、お前さんの体調じゃよ。働きすぎにも程があるわい」
あ、まぁ、この会社がブラックっていう意識はあったけどさー。
「じゃが、その、何じゃ。手摺が消えたのはこの世界の手違いでの。コッチの作業が地球のあの場所へ干渉してしもうたんじゃ。それでお前さんが転落死してしもうた」
は?そういう干渉が出来るんなら、俺を助けるって干渉も出来たんじゃ?
「色々とコトワリもあってのう。そもそも一度でも干渉してしもうた時点で、相当やばいんじゃ。わかるな。今のこの状況も地球流に言うと、かなりヤバい橋を渡っとるんじゃよ」
「分かってんなら、アタシをこんなんで呼び出すなよ!クソジジイ‼︎」
声のする方を見ると、痴女?って思えるほどやらしい薄衣の商売女がいて。
「誰が商売女だ。これでもアタシは…、そうね、生命神とでも言っとこうか」
まぁ、ここにいるんだから女神には違い無かろうが。
「コイツを転生させればいいんだな。んじゃ、ちゃっちゃッとやっちまうか」
え?ちょっと?
「だーかーらー。この状況、かなりヤバい橋渡ってるって言ってるだろ!とっととすませるゾ」
何やらムニャムニャ唱え始める女神モドキ。
「ったく、失礼なヤツだな。えっと、楽しい世界へ吹っ飛べー!」
おーい?どんな世界とか、俺の希望とか、もっと、こう…あるだろー⁉︎
目が覚めたら、俺はとある個室のベッドにいた。
「ここは?」
ズシャッ!
音立てて、脳みそに割れそうな痛みと共に何かが入ってくる。
「つつ?宇宙SF?なんだってこの世界に」
~死なない程度の身体と境遇にはしてやったからな~
あの女神モドキの声?
~テメェ、そのうち神罰下すぞ~
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「考えてみりゃ、あのジジイは謝っただけで、何もしてねぇーよなぁ」
「ボビー、そろそろ白昼夢から覚めてくれ。ワープポイントだ」
ワープポイント。
星系内で超光速航法に入れる空域の事。星系の重力場や小惑星帯、星々の位置などで定期的に変わるものの、始点終点となる。その為、定期運行船や軍艦、各種交易商船等が集中する空域でもある為、各星系で管理する艦船や基地が置かれているんだ。
「ワープエンジン始動。インパルスパワーより転換10秒前」
「管制艦より確認。『貴船の航海の安全を祈る』」
フィーン!ピィーン、ピィ~!
ワープエンジン特有の高音質の駆動音。
「ワープコクーン、発生確認」
「超光速航法GO!」
船が薄紫にも似た繭の様な空間に包まれる。
操縦席から見る宇宙。星々の光が流れ始めて…、星の虹が美しくて…。やがて、分厚いガラスを通して見ている様な光景になる。
「ワープ1!目的地、サーモンド星系ゲート」
東京都心にある、確かにそれ程大きくはないとは言え、やはり会社が入ってるビルはそこそこのもので。
吹抜けロビーは、そこそこオシャレな雰囲気を醸し出してる。
3階のレストスペースで、缶コーヒーを飲みながら、何ともなく下を見下ろしてみる。
「先輩!ここにいたんすか?」
駆け寄ってきたのは高校の後輩。ただし、コイツはその後一流大学へ進み、大卒でウチに入ってきてる。高卒の俺とはキャリアが違う。
「課長が呼んでるっす。『鈴木商事の件、どうなってるか』って」
「はぁ?昨日報告したぞ。成約済みって」
「え?マジっすか?あそこの木村部長、新規参入を認めないって有名っすよ。それを高卒の先輩が?」
「契約と学歴は、何ら比例しねぇよ」
課長といいコイツといい、低学歴=無能としか見てねぇから。俺の営業成績を頑なに否定しやがる。
「そおっすか?」
「だって俺は、この資格もってるしね。お前、先月受験したんだろ?」
敢えて聞いてやる。
おー!顔真っ赤にして歪み切って。
俺が持ってる国家資格。コイツは2年連続で不合格んだよね。
「ま、資格は経験則がモノを言うからな。お前じゃ無理だよ」
コーヒー飲み終えた俺は立ち上がる。
と…。
目の前が暗転し、足元及びつかなくなって。
「な…」
「先輩!」
テラスにいた俺はふらつき、そのままガードを超えてしまう。俺を蔑み、怒りすら覚えていた後輩も、咄嗟に俺を掴み支えようと飛び付いてくる。
ていうか、何でガードを超えた?
まるで、ガードが一瞬消えた様にも見えたが…。
「センパーイ!」
走馬灯って言う程、思い出が頭をよぎる事もなく。まぁ、コイツは人としては真っ当だったんだなぁ、俺を迷わず助けようと手を伸ばして…。何となく、そう思って。
グシャッ。
凄まじい激痛に襲われ、俺の意識はプツンと途切れた…。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「いやはや、すまんのぅ」
何だ?このジジイは?
「まぁ、何じゃ。ちぃとニュアンスが違うが、神様と思うてくれ」
は?ってか、俺の頭ん中を…?
「分かっとるぞ。うむ。で、先に謝っとこうと思うてな」
白い空間。仙人の様なジジイ。
まさか?今流行りの?
「うむ。地球人の娯楽は面白いのう。異世界転生じゃよ」
マジかよ。って、まさかあの転落は?
「眩暈そのものは、お前さんの体調じゃよ。働きすぎにも程があるわい」
あ、まぁ、この会社がブラックっていう意識はあったけどさー。
「じゃが、その、何じゃ。手摺が消えたのはこの世界の手違いでの。コッチの作業が地球のあの場所へ干渉してしもうたんじゃ。それでお前さんが転落死してしもうた」
は?そういう干渉が出来るんなら、俺を助けるって干渉も出来たんじゃ?
「色々とコトワリもあってのう。そもそも一度でも干渉してしもうた時点で、相当やばいんじゃ。わかるな。今のこの状況も地球流に言うと、かなりヤバい橋を渡っとるんじゃよ」
「分かってんなら、アタシをこんなんで呼び出すなよ!クソジジイ‼︎」
声のする方を見ると、痴女?って思えるほどやらしい薄衣の商売女がいて。
「誰が商売女だ。これでもアタシは…、そうね、生命神とでも言っとこうか」
まぁ、ここにいるんだから女神には違い無かろうが。
「コイツを転生させればいいんだな。んじゃ、ちゃっちゃッとやっちまうか」
え?ちょっと?
「だーかーらー。この状況、かなりヤバい橋渡ってるって言ってるだろ!とっととすませるゾ」
何やらムニャムニャ唱え始める女神モドキ。
「ったく、失礼なヤツだな。えっと、楽しい世界へ吹っ飛べー!」
おーい?どんな世界とか、俺の希望とか、もっと、こう…あるだろー⁉︎
目が覚めたら、俺はとある個室のベッドにいた。
「ここは?」
ズシャッ!
音立てて、脳みそに割れそうな痛みと共に何かが入ってくる。
「つつ?宇宙SF?なんだってこの世界に」
~死なない程度の身体と境遇にはしてやったからな~
あの女神モドキの声?
~テメェ、そのうち神罰下すぞ~
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「考えてみりゃ、あのジジイは謝っただけで、何もしてねぇーよなぁ」
「ボビー、そろそろ白昼夢から覚めてくれ。ワープポイントだ」
ワープポイント。
星系内で超光速航法に入れる空域の事。星系の重力場や小惑星帯、星々の位置などで定期的に変わるものの、始点終点となる。その為、定期運行船や軍艦、各種交易商船等が集中する空域でもある為、各星系で管理する艦船や基地が置かれているんだ。
「ワープエンジン始動。インパルスパワーより転換10秒前」
「管制艦より確認。『貴船の航海の安全を祈る』」
フィーン!ピィーン、ピィ~!
ワープエンジン特有の高音質の駆動音。
「ワープコクーン、発生確認」
「超光速航法GO!」
船が薄紫にも似た繭の様な空間に包まれる。
操縦席から見る宇宙。星々の光が流れ始めて…、星の虹が美しくて…。やがて、分厚いガラスを通して見ている様な光景になる。
「ワープ1!目的地、サーモンド星系ゲート」
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