宇宙SFモノに転生?普通、異世界転生って中世風ナーロッパで剣と魔法じゃないのかよー⁉︎

ノデミチ

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成功するにゃ、訳がある(ズルともいう)

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「そろそろ目的地だ」
「ワープアウト。インパルスパワー切り替え。コース0-2-0」

 エンジン音が変わる。
 ワープエンジン特有の高音質駆動音から通常動力インパルスパワーの低周波音へ。

 再び星の虹スターボゥが現れると、ゆっくりと煌めく星々に戻っていく。

 最初の目的地、サーモンド星系。
 最終的な目的地はタルマンド星系にあるボルト中継宙港ステーションだ。そこに直行で行くより、このサーモンド星系を抜けた方が燃料的に大幅節約となる上に、日程的にも半日…10数時間しか変わらない。

「岩礁宙域に入る」
「ハーフ・クォータースピード。前面シールド強度85」

 タートル級ならではのコース設定。
 他の船じゃ、この岩礁帯でめちゃ時間喰いになってしまうんだ。でもコイツなら、余程の大きさのヤツ以外なら接触をあまり気にしなくてもいい。タートルの名は伊達じゃないんだ。

 ゴン!ドゴン‼︎

「前方120m、巨大岩塊」
「コース1-1-6、10秒後に修正1-2-7」

 操縦するのは俺だから、口にする必要って無いんだけど。ある意味、確認的なモノで。
 軍兵士官学校時のクセって言えば、それまでだけどさ。

 30歳まで、俺は士官候補生として軍学にいた。
 本来なら、軍のエリートととして巡洋艦にでも乗ってるはずだったんだけどね。

 この国~グランカイト帝国で帝室に近しい高位貴族の嫡男ドラ息子ホールズ公子アズルのミスによる事故ミスで、練習航海時に駆逐艦を大破させてしまった。
 が、アズルにその責めが来ることは無く、平民候補生の俺以下数名が責を問われ退校処分を受ける羽目になって。
 尤も、この事件は公然の秘密として軍関係者は勿論、関連企業とかも周知していて。口封じの厚遇。輸送企業や民間傭兵業等が俺達に接触してきたんだ。
 でも、何となく軍に嫌気がさしてしまった俺は独立傭兵の道を選んだ。まぁ、処分された士官候補生の中で、俺が1番後楯コネを持ってなかったって事もあったんだけどね。

 宇宙港で職探しをしてた俺に、声を掛けてくれた人がいて。

「アンタ、ボビーってんだろ。すまんが手を貸して貰えんだろうか」

 中古ポンコツ貨物船を所有する個人フリー傭兵パイク。何でも操縦士たる妻と航法士の娘さんが病に倒れ、その治療費の稼ぎもだが、機関士の自分だけでは船を動かす事が出来ず困ってたらしい。

「アンタのスキルなら、船の簡易航法マップでも操縦出来るって聞いた。頼む。急ぎで稼ぎのいい仕事を請け負ったんだ」

 文字通り、渡りに船だ。
 俺に否やは無くて、二つ返事で乗り込むことにした。…船のポンコツ度に多少後悔はしたけど。

「本当にコイツで飛んでたの?マジで⁉︎」

 年代物にも程がある。
 そう思える程の旧式中型輸送船だった。

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

「流石、いい腕してるぜ。コイツがこんなにもご機嫌に飛んでるのは久しぶりだ。アンタ、信じられんが、ウチのカミさんよりも上手い」
「俺も信じられない。よく、コイツで航海しようなんて思いましたね」

 あちこちで、火花が飛び散ってる。
 ショート?しかも一部の計器は全く反応してない。簡易航法マップ機器も古過ぎて、お世辞にも参照出来るシロモノではなかった。

「だからどうした。実際、俺達はこうして宇宙を己の意思で好きに飛んでるんだぜ」

 確かに。軍学時と違う。
 全てを自分が決める事の面白さ。

 漠然と思ってた進路独立傭兵の道
 人生経験は俺の倍以上だろうパイクに、しっかり、そしてはっきりと背を押された気がしたんだ。

 依頼を果たしての帰路で。
 俺達は、宇宙船の事故に遭遇した。

 豪華自家用ヨットとでも言えばいいのか?
 どう見てもお貴族様が使ってる風の、装飾ゴテゴテ金ピカ宇宙船。岩礁で接触でも起こしたのか、後部噴射口辺りが中破し火災が発生していた。

「パイク?」
「SOSを確認した。って、こんなモン救助一択だろうが。とは言え、この船には機動メカバトル・ロボ重装宇宙服スーツも無い。カーゴは貨物輸送に特化していてな」
「コイツの武装は」
「フェイザー砲1門と後は簡易機銃2丁しか…、おい、ボビー?」
「機銃か。なら、あそこ!あの隔壁を跳ばせば真空状態になって火災は収まる」
「機銃?フェイザーの方が」
「あの船は荷電粒子特殊装甲だと思う。これ、特殊な荷電子反応でフェイザー光を磁石みたいに反撥させるタイプの防御スクリーンだ。だから実体弾で貫通させなきゃ」
「わかった。あの船に連絡する」

 一歩間違うと噴射口=エンジンに当たって大爆発を起こす。が、ご機嫌な旧式貨物船は俺の微妙な操作照準通りに動いてくれて、無事に的確なポイントを打ち抜く事が出来た。

「火災はひとまず軽くなるけど、今のうちに中の人を避難させないと」
「なんだって?おい、ボビー。今、向こうからの連絡でハッチがイカれてる。外からしか開閉操作が出来ないらしい」
「じゃ、開けてくるよ」

 俺は停船させると操縦席を離れる。

「だから、宇宙服スーツは無いって」
「いらない。何とかなるよ」

 搭乗口へ行くと、大きく息を吸い込んで俺は外に飛び出した。
 そのまま慣性状態でヨットに飛び付いて。
 開閉非常操作。外部にある赤いカバーごとスイッチを押して。

 ブーン、バキッ!
 ハッチが外れる形で扉が開く。

 出て来たのは数名。俺は旧式貨物船を指して。
 相手も頷くと1人ずつ飛び出していく。

 搭乗口は開いたまま、内部及びハッチ周りが発光して視認しやすくなってる。
 全員が移動したと思えたので、俺もヨットの外壁を蹴飛ばし、その慣性を使って旧式貨物船へと戻った。

「ボビー、お前、ゼルボード人だったのか」

 驚くパイク。そして…。

「ありがとうございました」

 救助した数名。中心にいたのは俺と同年代?の女性。老執事?とメイド数名ってトコかな。

「私はカレン=グランカイトといいます」

 帝国皇女様?
 また、スゲェ人を助けたもんだ。

 事故が大っぴらになれば色々面倒らしい。
 俺もまた、経歴とか公表され感謝のウンタラカンタラあれば面倒が多い。

 再び公然の秘密の話。
 それでも感謝の証として、俺はタートル級中型貨物船と最新鋭機動メカバトル・ロボを手に入れて、成功した独立傭兵となれた。


 …という設定で、今を生きてるんだ。
 あの女神モ…様の辻褄合わせのお陰でね。
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