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激闘!潜水戦隊
25.
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「220°方向に電波確認。対水上レーダー波と思われますが、水上艦かどうかは確認出来ず」
通信室で敵信班員坂下謙吾兵曹と共にアメリカのラジオ放送を聞いていた逆探班員金城太朗兵曹が、いきなり叫び出した。
井上通信長が「艦橋司令塔へ連絡」と伝声管ごしに報告。見張員と共に司令塔で双眼鏡を覗いていた南田と前原は「急速潜航」とハッチに飛び込んだのだ。
「急速潜航!」
「機関停止、電動モーターへ切り替え‼︎」
「短波檣下げろ」
当直見張員薗田兵曹が艦橋ハッチを最後に閉めるとロックハンドルを回し始めた。
「深度20です」
「聴音用意。夜間潜望鏡上げろ」
夜間用の第2潜望鏡が上がっていく。
「見えない、か。聴音は?」
「確認取れず」
「おそらくガトー級潜水艦だと思われます」
「そのレーダー波だとすると…」
「接触は4~50分後ではないでしょうか」
発令所へ降りてきた南田や前原に矢上が、通信室からの情報をまとめて報告する。
「よし、深度50。対潜雷撃戦用意」
イ- 400は戦闘態勢へと移行した。
それから46分後。
聴音長石川大五郎曹長がスクリュー音を捉えた。
「左64°方向、スクリュー音。機関音無し」
「間違いなく潜水艦だな」
「後、…その後方からも聞こえる気が。まだ確認取れませんが」
自信なさげに言う石川だが、南田は断定する。
艦内の足音で人物を当てられる石川の耳は神業と言ってもいい。400潜に一緒に来た信頼出来る部下だ。
「向こうの哨戒、それか通商破壊に鉢合わせたかな?どちらにせよ、これは叩かねばな。深度60、面舵一杯」
更に潜っていく。
「魚雷上段4門使用!」
「水雷室、魚雷は上段4門!調定深度は追って指示する。暫く待て」
「スクリュー音後方に確認。やはり敵潜は2隻」
「モーター停止、懸吊保て」
自動懸吊装置が働き出す。水圧を感知し、自動的に浮力タンクの海水を注排水して、設定深度で静止出来る。
「水雷室、準備よろし」
「石川、敵深及び方位確認!」
カーン、カーン!
「後方の敵潜の水中測的音」
此方も居場所を確認された。だが、それは敵の位置も同じ。
「距離、5~600m、感度3、右2°、上に1.2°」
「射角右2°、上方1.2°、調定深度51m。発射したら一気に100m迄潜れ!」
南田艦長の命令。前原がマイクで水雷室へ。艦長の声が伝声管を通じて発令所に響く。
「モーター運転用意、全速」
「了解、モーター始動!全速前進‼︎」
矢上航海長が受けて、神崎機関長が電気管制盤室へ電話で叫ぶ。
アクティブソナーで探知された以上、無音懸吊はもはや無意味だ。
「射角、仰角入力完了」
「上段1から4番、撃てっ!」
「敵潜、魚雷発射!」
気持ち、此方が速かったか?
とは言え、イ- 400はガトー級と比べ大型だ。
誰が見ても此方が鈍重なのだ。
「魚雷、向かってきます!」
ボガガーン!
此方の魚雷とすれ違いざま鉢合わせたか?振動が伝わってくる。
「深度70」
弾みがついてきた。潜航速度がやや速くなって。
「深度75」
「魚雷近付いてくる!艦首前方、上16°」
ならば真上に逸れる。
「2本目、右3°、上22°、近付いてくる」
これも逸れる。
「3本目、右5°、上36°、頭上通過」
「深度80」
ズガガガーン!
「魚雷命中!」
衝撃が伝わってきて艦が揺さぶられる。
「深度90」
ギシギシ。水圧が艦を締め付けてくる。
「艦内気圧上げろ!気圧1028」
「此方発令所、艦内気圧1028、了解」
ギィギギィーッ、ガガッ、ドガーン!
「敵潜、圧壊、爆発」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
最初に探知したのはオリンピアだ。
この時は洋上航行している艦船をレーダー波が捉えたのだが、オリンピアは日本軍の巡洋艦か駆逐艦かと思っていた。
探知圏内ギリギリの反応だった為、艦影が消えた時、範囲外に出たのか潜航したのか、オリンピアには判断出来なかった。
機関音が消失したので潜水艦だと判明したのである。
「やはり潜水艦か。おそらく、例の化け物潜水艦の1隻だな」
直ぐに旗艦タンボアへ連絡。
だが旗艦にいる司令ランサー大佐からは呑気な命しか返ってこない。
「コッチのレーダー波を探知したに違いないんだ。相手を舐め過ぎだぞ」
やがて、
「スクリュー音確認。艦首右15°、距離約1.6マイル」
聴音員がスクリューのキャビテーションノイズを捉える。海流の関係か?偶に途切れてしまう。
「総員戦闘配置、深度40、無音潜航」
フランクス艦長は、相手の深度が知りたかった。下から上への雷撃が理想的だからだ。上からだと、どうしても馳走する間に浮力が出来てしまう。上へズレていくのだ。
「スクリュー音、左舷へ移動。感度2、深度不明」
カーン、カーン!
「左舷後方よりアクティブソナー音」
僚艦がアクティブソナーを使った?
馬鹿野郎!コッチの居場所まで相手にバレる⁉︎何の為に足音忍ばせて近付いていると思っているんだ‼︎
「停止する様に言え!」
「了解」
「僚艦はどっちだ!」
「バーブです。左舷側110°の位置にいます」
「敵潜は?」
「バーブ、魚雷発射!敵潜も発射しました‼︎」
先手を打たれた?
「チッ、急速潜航」
ボガガーン!
「魚雷爆発!」
聴音員が慌ててヘッドホンを外す。さもないと鼓膜がイカれてしまう。
衝撃が伝わり、艦が揺さぶられる。
ズガガガーン!
左舷やや上方。爆発音と衝撃が再び。
「爆発音、バーブと思われます」
「我々がアクティブソナーを使うのを、魚雷の発射準備をして待ち構えていたんだ。そしてソナー音で位置を探知してすかさず雷撃。どうやら敵艦長は凄腕の様だな。それにしてもバーブ!何で位置そのままにしていたんだ?」
3隻で待ち構えて倒す筈だった日本潜水艦。だが…。
「敵潜の位置は」
「音響取れず、位置不明」
「やむを得ない。ソナー使え!」
レアード少佐が不安気にフランクスを見る。
「逃げるのは悪手だ、アレックス。このまま奴を討つ」
カーン!
「左17°に音響。深度100m近くだと思われます」
ギィギギィーッ、ガガッ、ドガガーン。
「バーブ圧壊」
「深度100近い、か。くっ、それでは魚雷は撃てない」
アメリカ軍の魚雷は60m以上の深さまで潜れない。水上艦攻撃しか想定されていない為だ。
日本軍の魚雷は?あの深度からでも撃てる?
どうする?タンボアは近くにいないのか?
通信室で敵信班員坂下謙吾兵曹と共にアメリカのラジオ放送を聞いていた逆探班員金城太朗兵曹が、いきなり叫び出した。
井上通信長が「艦橋司令塔へ連絡」と伝声管ごしに報告。見張員と共に司令塔で双眼鏡を覗いていた南田と前原は「急速潜航」とハッチに飛び込んだのだ。
「急速潜航!」
「機関停止、電動モーターへ切り替え‼︎」
「短波檣下げろ」
当直見張員薗田兵曹が艦橋ハッチを最後に閉めるとロックハンドルを回し始めた。
「深度20です」
「聴音用意。夜間潜望鏡上げろ」
夜間用の第2潜望鏡が上がっていく。
「見えない、か。聴音は?」
「確認取れず」
「おそらくガトー級潜水艦だと思われます」
「そのレーダー波だとすると…」
「接触は4~50分後ではないでしょうか」
発令所へ降りてきた南田や前原に矢上が、通信室からの情報をまとめて報告する。
「よし、深度50。対潜雷撃戦用意」
イ- 400は戦闘態勢へと移行した。
それから46分後。
聴音長石川大五郎曹長がスクリュー音を捉えた。
「左64°方向、スクリュー音。機関音無し」
「間違いなく潜水艦だな」
「後、…その後方からも聞こえる気が。まだ確認取れませんが」
自信なさげに言う石川だが、南田は断定する。
艦内の足音で人物を当てられる石川の耳は神業と言ってもいい。400潜に一緒に来た信頼出来る部下だ。
「向こうの哨戒、それか通商破壊に鉢合わせたかな?どちらにせよ、これは叩かねばな。深度60、面舵一杯」
更に潜っていく。
「魚雷上段4門使用!」
「水雷室、魚雷は上段4門!調定深度は追って指示する。暫く待て」
「スクリュー音後方に確認。やはり敵潜は2隻」
「モーター停止、懸吊保て」
自動懸吊装置が働き出す。水圧を感知し、自動的に浮力タンクの海水を注排水して、設定深度で静止出来る。
「水雷室、準備よろし」
「石川、敵深及び方位確認!」
カーン、カーン!
「後方の敵潜の水中測的音」
此方も居場所を確認された。だが、それは敵の位置も同じ。
「距離、5~600m、感度3、右2°、上に1.2°」
「射角右2°、上方1.2°、調定深度51m。発射したら一気に100m迄潜れ!」
南田艦長の命令。前原がマイクで水雷室へ。艦長の声が伝声管を通じて発令所に響く。
「モーター運転用意、全速」
「了解、モーター始動!全速前進‼︎」
矢上航海長が受けて、神崎機関長が電気管制盤室へ電話で叫ぶ。
アクティブソナーで探知された以上、無音懸吊はもはや無意味だ。
「射角、仰角入力完了」
「上段1から4番、撃てっ!」
「敵潜、魚雷発射!」
気持ち、此方が速かったか?
とは言え、イ- 400はガトー級と比べ大型だ。
誰が見ても此方が鈍重なのだ。
「魚雷、向かってきます!」
ボガガーン!
此方の魚雷とすれ違いざま鉢合わせたか?振動が伝わってくる。
「深度70」
弾みがついてきた。潜航速度がやや速くなって。
「深度75」
「魚雷近付いてくる!艦首前方、上16°」
ならば真上に逸れる。
「2本目、右3°、上22°、近付いてくる」
これも逸れる。
「3本目、右5°、上36°、頭上通過」
「深度80」
ズガガガーン!
「魚雷命中!」
衝撃が伝わってきて艦が揺さぶられる。
「深度90」
ギシギシ。水圧が艦を締め付けてくる。
「艦内気圧上げろ!気圧1028」
「此方発令所、艦内気圧1028、了解」
ギィギギィーッ、ガガッ、ドガーン!
「敵潜、圧壊、爆発」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
最初に探知したのはオリンピアだ。
この時は洋上航行している艦船をレーダー波が捉えたのだが、オリンピアは日本軍の巡洋艦か駆逐艦かと思っていた。
探知圏内ギリギリの反応だった為、艦影が消えた時、範囲外に出たのか潜航したのか、オリンピアには判断出来なかった。
機関音が消失したので潜水艦だと判明したのである。
「やはり潜水艦か。おそらく、例の化け物潜水艦の1隻だな」
直ぐに旗艦タンボアへ連絡。
だが旗艦にいる司令ランサー大佐からは呑気な命しか返ってこない。
「コッチのレーダー波を探知したに違いないんだ。相手を舐め過ぎだぞ」
やがて、
「スクリュー音確認。艦首右15°、距離約1.6マイル」
聴音員がスクリューのキャビテーションノイズを捉える。海流の関係か?偶に途切れてしまう。
「総員戦闘配置、深度40、無音潜航」
フランクス艦長は、相手の深度が知りたかった。下から上への雷撃が理想的だからだ。上からだと、どうしても馳走する間に浮力が出来てしまう。上へズレていくのだ。
「スクリュー音、左舷へ移動。感度2、深度不明」
カーン、カーン!
「左舷後方よりアクティブソナー音」
僚艦がアクティブソナーを使った?
馬鹿野郎!コッチの居場所まで相手にバレる⁉︎何の為に足音忍ばせて近付いていると思っているんだ‼︎
「停止する様に言え!」
「了解」
「僚艦はどっちだ!」
「バーブです。左舷側110°の位置にいます」
「敵潜は?」
「バーブ、魚雷発射!敵潜も発射しました‼︎」
先手を打たれた?
「チッ、急速潜航」
ボガガーン!
「魚雷爆発!」
聴音員が慌ててヘッドホンを外す。さもないと鼓膜がイカれてしまう。
衝撃が伝わり、艦が揺さぶられる。
ズガガガーン!
左舷やや上方。爆発音と衝撃が再び。
「爆発音、バーブと思われます」
「我々がアクティブソナーを使うのを、魚雷の発射準備をして待ち構えていたんだ。そしてソナー音で位置を探知してすかさず雷撃。どうやら敵艦長は凄腕の様だな。それにしてもバーブ!何で位置そのままにしていたんだ?」
3隻で待ち構えて倒す筈だった日本潜水艦。だが…。
「敵潜の位置は」
「音響取れず、位置不明」
「やむを得ない。ソナー使え!」
レアード少佐が不安気にフランクスを見る。
「逃げるのは悪手だ、アレックス。このまま奴を討つ」
カーン!
「左17°に音響。深度100m近くだと思われます」
ギィギギィーッ、ガガッ、ドガガーン。
「バーブ圧壊」
「深度100近い、か。くっ、それでは魚雷は撃てない」
アメリカ軍の魚雷は60m以上の深さまで潜れない。水上艦攻撃しか想定されていない為だ。
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