あの夜、あなたがくれた大切な宝物～御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く～

大好きな仕事と大切な仲間

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『ねえ、たいちゃん。おもちゃや本が散らかってるから、彩葉先生とお片付け競走しようか。さあ、行くわよ』


『うん、彩葉先生とお片付け競走する！』


楽しそうに一生懸命にお片付けをするたいちゃんを見てたら、子どもは本当に素直でピュアな心を持ってるんだって思う。


大人が思うようには絶対ならないし、いろいろ話しかけて子どもの感情を掴むのはものすごく難しいこと。


時には叱ることも必要、だけど、その度が過ぎると子どもは萎縮したり上手く自分を表現出来なくなる場合があるから、言葉選びは本当に慎重になる。


大人になるにつれてだんだんと濁ってしまう心、でも、だからこそ、今のこの素直な時期の子ども達の気持ちを1番大切にしてあげたいと…心から思ってる。


私の担当は主に2歳から3歳。


園の奥に0歳と1歳の子ども達の部屋はあるけど、その他の子ども達はみんなでワンフロアにいる。


毎日15名程の園児が通い、朝からお迎えがある6時半まで、パートを含む先生達は交代で出勤している。


絵本を読んだり手遊びしたり、昼ごはんとお昼寝、トイレのお世話など、1日中バタバタしてるけど、お昼寝タイムは比較的ゆっくりと先生達で話しながら作業したり出来る。


みんなで季節に合わせた設営を色画用紙で作ったり、イベント用の小物を作ったりして。


今日は、特に仲の良い2人の先生達と一緒の勤務だから嬉しい。


『彩葉先生。ハサミどうぞ』


3人でテーブルに座って作業を始める。


『ありがとう、理久先生』


『そのゾウさんすごく可愛いですね。やっぱり彩葉先生は上手です』


そうやって優しく微笑みながら言ってくれるのは、24歳、178cmの癒し系イケメン、成海 理久(なるみ りく)先生。


この園で唯一の男性保育士さん。


物腰柔らかな、とても話しやすい先生だ。