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夏の雨と共に現れたあなた
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九条さんは、目を閉じてゆっくりとうなづいた。
何かを噛み締めるように。
『彩葉、今まで本当に申し訳なかった。でも君のこれからの人生は、俺と一緒に歩んで欲しい。もちろん、雪都と3人で。君以外の人は考えられない。必ず、幸せにするから』
『九条さん…?』
これって…
どういう意味?
雪都と3人でって、まさか、プロポーズ…みたいなことなの?
ちょっと待って、私、頭が追いついていかないよ。
『彩葉は俺の妻、雪都は俺の子ども、俺は夫になり、父親になる。俺達は家族になるんだ』
嘘…
こんなセリフ、嘘だよ。
やっぱり私はまだ夢の中?
とても現実に起きてることとは思えない。
でも、もし…
もし、これが現実だとしても、こんなにも愛のこもった言葉を、私なんかが素直に受け取っていいの?
九条さんの澄み切った美しい瞳には、感極まった私が写ってる。
今、九条さんは、私だけを見てくれてるんだ。
『う、嬉しいです。本当に…もったいないくらいです。でも…ごめんなさい。あまりに突然過ぎてまだ気持ちの整理がつきません。少し考えさせてもらえませんか?』
『そう…だな…ああ、わかった。でも、必ず、良い返事を待ってる。俺、諦めないから。あと、俺のことを九条さんと呼ぶのは止めてくれないか?慶都でいい』
『えっ?』
唐突な申し出に驚く。
『何か問題?』
『あっ、いえ、あの…やっぱり今さらお名前で呼ぶのは恥ずかしいです』
『一堂家で俺の事を名前で呼ばないのは君だけなんだけど』
確かに…
麗華はすぐに慶都さんと呼んでたけど、私は…九条グループの御曹司を名前で呼ぶことなんて恐れ多くて出来なかった。
でも「慶都」っていう名前、本当はずっとずっと素敵だと思ってて。
麗華みたいに、九条さんを名前で呼べたらどんなに嬉しいだろうと…
ちょっと憧れていたんだ。
何かを噛み締めるように。
『彩葉、今まで本当に申し訳なかった。でも君のこれからの人生は、俺と一緒に歩んで欲しい。もちろん、雪都と3人で。君以外の人は考えられない。必ず、幸せにするから』
『九条さん…?』
これって…
どういう意味?
雪都と3人でって、まさか、プロポーズ…みたいなことなの?
ちょっと待って、私、頭が追いついていかないよ。
『彩葉は俺の妻、雪都は俺の子ども、俺は夫になり、父親になる。俺達は家族になるんだ』
嘘…
こんなセリフ、嘘だよ。
やっぱり私はまだ夢の中?
とても現実に起きてることとは思えない。
でも、もし…
もし、これが現実だとしても、こんなにも愛のこもった言葉を、私なんかが素直に受け取っていいの?
九条さんの澄み切った美しい瞳には、感極まった私が写ってる。
今、九条さんは、私だけを見てくれてるんだ。
『う、嬉しいです。本当に…もったいないくらいです。でも…ごめんなさい。あまりに突然過ぎてまだ気持ちの整理がつきません。少し考えさせてもらえませんか?』
『そう…だな…ああ、わかった。でも、必ず、良い返事を待ってる。俺、諦めないから。あと、俺のことを九条さんと呼ぶのは止めてくれないか?慶都でいい』
『えっ?』
唐突な申し出に驚く。
『何か問題?』
『あっ、いえ、あの…やっぱり今さらお名前で呼ぶのは恥ずかしいです』
『一堂家で俺の事を名前で呼ばないのは君だけなんだけど』
確かに…
麗華はすぐに慶都さんと呼んでたけど、私は…九条グループの御曹司を名前で呼ぶことなんて恐れ多くて出来なかった。
でも「慶都」っていう名前、本当はずっとずっと素敵だと思ってて。
麗華みたいに、九条さんを名前で呼べたらどんなに嬉しいだろうと…
ちょっと憧れていたんだ。
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