あの夜、あなたがくれた大切な宝物～御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く～

仲間の想いに触れた夜

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『雪都君のイケメンぶりは、あの人譲りだったんですね。僕、ずっとあなたの好きな人が誰なのか気になってました。でも聞いちゃいけないって。だけど、あの人が初めて園に来た時の態度や今日の反応を見て…わかりました。彩葉さんの好きな人が誰なのか』


『…』


『ただの興味なんかじゃないです。正直、知りたくない気持ちもあるんです。だけど、あなたのことは…やっぱり全部知りたいんです』


複雑な気持ちを抱えながら、一生懸命聞いてくれた理久先生には、ちゃんと本当のことを答えるべきなのかも知れないって思った。


きっと、胸の中はすごく苦しいんだって。


だけど…


『…ごめんね。今はそれを理久先生に話していいのかもわからないの。自分の気持ち、キチンと整理してからでいいかな』


本当に、これが精一杯の答えだった。


『…すみません。立ち入った質問して許して下さいね。僕はずっと待ちますから。彩葉先生のためなら僕は…』


それ以上の言葉を敢えて求めはしなかったけど、理久先生の想いは十分心に響いた。 


1歳だけだけど、年下の人にこんなにも熱く告白されたのは初めてだった。


理久先生がこんな私を好きになってくれたから、だから私、自分の人生を真剣にもっと考えなきゃって思わせてもらえたよ。


私自身、誰を選ぶのか、それとも…


どんな道を歩むのかなんて、今はまだ全然わからないけど、その未来を決めるのは自分なんだよね。


自分の選択で、もしかして、慶都さんや理久先生の人生を大きく変えてしまうかも知れない。


だとしても、もうこれ以上、曖昧にしてちゃいけない。


理久先生の背中でスヤスヤ眠る雪都を見てたら、今までずっといろんなことから逃げてた自分をものすごく反省した。


1度きりの大切な人生、雪都と一緒に幸せになりたい。


私の未来のキャンバスに描かれる絵が、雪都の満面の笑顔、大切な家族の笑顔である事を信じて…ちゃんと前を向いて進みたい。


もう、逃げたくはないと思った。