あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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当たり前の家族の幸せ

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だから、嫌いになれなかったんだ。


あなたが選んだ人生を、思い描いたように突き進んでほしい。


私はお父さんに声をかけ、リビングに雪都と一緒に戻ってきてもらった。


麗華は自分の思いを、もう一度話した。


しばらく考えていたけど、お父さんは、


『麗華の描く絵、私は好きだったよ。離れるのは寂しいが、いつでも帰ってきなさい。お前の家はここだ。誰にも遠慮することはない。お父さんは、麗華のことを愛している。いつでもお前の味方だから、それだけは…忘れないでくれ』


そう言って、麗華を抱きしめた。


麗華もお父さんの体にしがみつき、ボロボロ涙を流して泣いた。


『お父様…ありがとう。また…ここに帰ってくるから』


『ああ、いつでも待ってるよ』


ギュッと力を込めてお父さんから離れない麗華。


大好きなんだよね、昔からお父さんのこと。


『ねえママ…お姉ちゃん、どうして泣いてるの?』


雪都が私の洋服を掴んで聞いてきた。


麗華が泣いてるのを見てびっくりしたんだよね。


『あっ、うん、大丈夫だよ。麗華お姉ちゃんが泣いてるのはね、すごく嬉しいからなんだよ』


私がそう言うと、麗華はお父さんから離れて、雪都の前にしゃがんだ。


『雪都…あなたが彩葉さんの子どもなのね…』


『うん、そうだよ。麗華お姉ちゃん泣かないで』


向こうのテーブルに置いてあるティッシュケースまで走り、急いで戻る雪都。


そして、ティッシュを持った小さな手で、麗華の涙を優しく拭った。


『大丈夫だよ、お姉ちゃん。僕がお姉ちゃんの側にいるから』


ドキッとするようなセリフ、そんなこと言えるようになったんだ…


まるで慶都さんを見ているよう。


『雪都…ありがとう。あなたは私の甥っ子…可愛い天使。これからもよろしくね』


『うん!』


麗華のこんなにも穏やかな表情、今まで見たことなかった。
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