あなたと恋に落ちるまで～御曹司は、一途に私に恋をする～

可愛い笑顔とパン作りの楽しさ

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こんなに緊張したことは無い…って言うほど、朝から気が張っていた。


ゴールデンウィークのイベント初日は見事な晴天で、子どもから大人までたくさんの来場者が期待された。


何度も打ち合わせ、準備を重ねてはいたけど、いよいよ本番を迎え、私やあんこさんまでがソワソワしてる。


『こんなの初めてだから、ドキドキするわ～』


胸に手を当てながら、そう言ったあんこさん。


今日も相変わらず美人だ。


『ほんとですね。こんな素敵なところで販売出来るなんてすごいですよね。あんこさんのパン、絶対大人気です！みんなが笑顔であんこさんのパンを食べてるのを想像したら、それだけで嬉しくなります』


『ありがとね、雫ちゃん。その言葉でちょっと気持ちが和らいだわ。大人気になっちゃったら忙しくなるね～頑張らなきゃね。雫ちゃんも、パン教室頑張って。私もすぐ近くにいるし、見守ってるから大丈夫だからね』


あんこさんは、私の手をしっかりと握ってくれた。


温かい手…


何だかホッとする。


そのやり取りで、固くなってた笑顔がお互い少し柔らかくなった。


イベントが行われる会場は、かなり広い催事スペース。


全体的な雰囲気は、森の中にあるたくさんの可愛いパン屋さん…みたいなイメージで作られている。


作り物の木々、またところどころには本物の観葉植物なんかを使ってて、都会から離れ、ちょっとした森に迷い込んだ感覚になる。


そんなマイナスイオンを感じるような素敵なところに、有名なパン屋さんがずらりと並ぶ。


さすが榊グループ…


名前の通った素晴らしいお店ばかりで、自然にテンションも上がる。


お客様も食べ比べなんかが出来るのを楽しみにしてることだろう。


パンの香ばしい良い匂いがそこら中に漂ってて、パン好きにはたまらない空間になってる。