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一生、一緒にいたい

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『俺は…残りの人生を、ありのままの自分で、素直に生きて行きたい…今はそう思っている』


祐誠さんは、暗闇の奥の壮大な光景を見つめながら言った。


『ありのままに…』


そして、ゆっくりと体をこちらに向けた。


『ああ。今、自分がこんなにも心穏やかにいられるのは…紛れもなく雫がいるからだ。俺は、君を失いたくない。俺の人生から消したくない。君がいない毎日なんか…いらない…』


絵画のような情景、静まり返った夜。


そこに、露天風呂のお湯が流れる音だけが淡々と響く。


『雫…』


すぐ目の前にいる祐誠さん。


真っ直ぐ見つめる誰よりも美しい瞳…


私は、祐誠さんのその瞳に吸い込まれそうだよ…


夢のようなシチュエーションに、嫌でも胸が高鳴る。


鼓動を打つ速さが最高潮に達したその時…


祐誠さんは、言った…


『結婚しよう。俺と、一生を共にして欲しい』


嘘…


もしかして、このまま言ってもらえないかも知れないと思ってた「結婚」の2文字。


その人生を左右するような大事な大事な2文字を、祐誠さんは言ってくれた。


とんでもなく素敵なプロポーズ…


私は驚きつつも、身も心も引き締まる思いがした。


でも…


これを私は…本当に素直に受け取って良いのかな?


『返事、聞かせて』


甘く囁くその言葉に、私はもう涙が溢れてる。


目を閉じればひとすじ流れて…


『私…祐誠さんの奥さんになりたいです。ずっと側にいたい。だけど…本当に…私でいいんですか?あなたは、榊グループの…』


そう言った瞬間、祐誠さんは私を抱きしめた。


『雫がいい…どんなことがあっても…絶対に君を守る。だから安心して俺に着いて来て…』


抱きしめる腕の強さと、その言葉に、私はこの人に着いていきたいと…心から思えた。
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