上 下
142 / 172
星が降り注ぐ夜

1

しおりを挟む
祐誠さんと私。


あんこさん、慧君、希良君、果穂ちゃん…


東堂社長、前田さん…


それぞれが、それぞれの道を歩み…


数年の月日が経った。


プロポーズされた翌年の4月。


桜が満開の春の日に、私達は大切な人達に見守られて結婚式を挙げ、新婚生活をスタートさせた。


それからは…


とにかく祐誠さんと2人、仲良く明るい家庭を築いて来た。


本当に…嘘みたいに幸せな日々。


一緒に住むようになってから今まで、毎日毎日が新しい発見の連続で…


祐誠さんの苦手な食べ物や好きな映画。


たまに作ってくれる料理が美味しかったり…


考え事をする時は、自然にあごに手がいく。


眠る時は真っ暗じゃないと眠れないとか。


可愛かったり、カッコよかったり…


たまに色っぽかったり…


時々、失敗するとこだったり。


本当にいろんな祐誠さんを知ることが出来た。


それは全部、私の楽しみであり、私だけの特権なのかなって…


密かに嬉しかった。


だけど、相変わらず忙しくしている祐誠さん。


社長の仕事は、本当に目まぐるしい。


そんな彼の体調を気遣い、なるべく体に良い食事を作ったり、良く眠れるアロマを焚いたり…


一応、私なりにいろいろ勉強してる。


「このご飯美味しい」


「いい香りだな」


って、毎日言ってくれるのが嬉しくて。


どうしても帰りが遅くなったり、出張だったりでゆっくり話せない時もあるけど…


それでも…


言葉や態度でちゃんと私を想ってくれてることが、痛いほどわかるから…


だから、私は何も不安じゃなかった。


夫婦として一緒に暮らす中で、お互い思いやりを持つことの大事さを学んだ気がする。


祐誠さんは結婚と同時に立派な新居を建ててくれ、すぐ近くに私の両親の家まで用意してくれ、2人を呼び寄せてくれた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

女装魔法使いと嘘を探す旅

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:8

壁穴屋

BL / 連載中 24h.ポイント:284pt お気に入り:289

女装転移者と巻き込まれバツイチの日記。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:24

すきにして

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:284pt お気に入り:0

処理中です...