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広い大地で愛を語る

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『こんにちは、あんこさん。おめでとうございます。僕、あんこさんのパン食べたいです』


『まあ、正孝君。ありがとうね。今日はね、正孝君のためにいっぱいパンを焼いたから、たくさん食べてね。さあ、行きましょう』


私達は、あんこさんの車で北海道の壮大な大地を駆け抜け、大きな敷地内にある「杏」に入った。


『うわぁ、すごく素敵なお店じゃないですか』


『結構広いでしょ?』


東堂社長のお兄さんが酪農を営む、かなり広大な所有地の中に、お兄さんのバターやチーズなどのお店、東堂製粉所、そして「杏」がある。


少し離れた場所には、それぞれが暮らすお家もあって…


『北海道の「杏」も本当に素敵です』


『さあ、まずはカフェへどうぞ』


私達は、早速、あんこさんの美味しいパンと「前田さんちのロイヤルミルクティー」をいただいた。


『あんこさんの結婚式は明日だから、今日はゆっくりさせてもらいますね』


『雫ちゃん、本当にごめんね。うちに泊まってもらえば良かったんだけど…』


『まさか、新婚さんのお家に押しかけるなんてできませんよ』


『止めてよ、本当に。新婚だなんて恥ずかしいからさ』


あんこさんが頬を赤らめる。


『気にしないで下さい。私達は近くのホテルを取ってますから』


祐誠さんが言った。


『すみません。本当に…こちらが招待しておいて…』


『いえ。こんなに美味しいパンをいただいてるんですから。あんこさんのパン、久しぶりに美味しいです。な、正孝』


『うん、最高だよ。本当に美味しい。あんこさんのパンが1番』


笑顔いっぱいの正孝。


『まあ、祐誠さんと正孝君みたいなイケメンさん2人に言われたら嬉しいわぁ~本当はお母さんのパンが1番でしょうに。めちゃくちゃ可愛い子だね~』


あんこさんは、正孝の頭を撫でてくれた。


『相変わらずイケメン好きだな、あんこさんは』


『東堂社長!』
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