君が心に入りこんできたから。

勇黄

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自己紹介って

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「…………は?」

『いやホントだよ!俺、同年代でこんな演技がうまくてすごいかっこ可愛いい人がいるんだ!って思っててさ。たまたま新堂雷音しんどうらいおんとのダブル主演の映画オーディションの記事を見つけて頑張って受けたんだよ?だから受かってこんなことになってめっちゃウキウキしてんの。』

「う、ウキウキって…。」

アハハ!と陽気に笑うサンは
だって本物に会ったら予想以上にかっこ可愛いし!と笑う。

「…おい。やめろよ。」

『ほんとのことだろ?』

「………僕はかっこ可愛くなんて、ない。」

なんでよ?と不思議そうにこっちを見るサンにいたたまれなくなった僕はシャワーしてくる、と逃げ出した。



まじまじとバスルームの鏡で自分の顔を見る。

髪は生まれつき赤茶がかった柔らかい少し癖のある猫っ毛。目を少し隠すようにした長めの前髪。丸くぎょろっとした目は瞳の色も赤茶っぽく色素が薄い。鼻筋は通っているが小さめの鼻に唇は少し分厚い。
どうがんばっても焼けない白い肌。ファンのみんなは目力があるとか透明感がすごいとか言ってくれるけど僕自身は自分の顔が好きではなかった。少年兵を演じた16歳の頃、168cmだった身長は18になる時には11cm伸びて179cmになっていてもともと筋肉のつかない体はますます細い印象になって……。

(はぁ……。考えていても仕方ない…。)

僕は慌ててシャワーを浴びた。




リビングに戻るとソファでリラックスしていた様子のサンは連絡が来たよ、とテーブルの上に立てかけてあるタブレットを指さす。

『俺ミッションカード取りに行ってくるからゆっくりしてて。』


「……っ。ありがとう。」

また冷蔵庫から水を取り出して彼がいたソファの向かいの1人がけのソファに腰を下ろし深くため息をついた。


『カード2枚あった。』

そう言って笑顔で僕の前に座ってカードを差し出す。

「……ふぅ。読むよ。」

サンの顔にはワクワクが張り付いていた。

(すげえ笑顔だな…。)


「リクエストミッション。
……お互いに自己紹介してください。できる限り詳しく。……ここにいっぱい項目書いてある。」

『……。』

(え?急にテンション下がった?どうして……?)

「名前、生年月日、学歴、出身地、星座、血液型、身長、体重……。」

『とっ……りあえずその辺からいこうか。』

「うん。僕から。新堂雷音しんどうらいおん。2004年4月22日生まれ、高卒。出身は大阪。生まれてすぐ東京に越したから大阪感はないけど。えっと?星座は牡牛座、血液型はA型。179cm、体重は今どうだろ……。58、9kgのあたりかな?」

『え!どうりで細いはずだ…。……あ、えっと。来須太陽くるすたいよう。2002年9月2日生まれ。……高校、中退。出身はアメリカ。10歳から埼玉県。おとめ座、血液型AB。182cm、体重は昨日測った。71kg。』

「体重って毎日測るの?」

『俺今、筋トレしてるから一応体脂肪とか測ってる。』

「へぇ。ちなみに体脂肪は?」

『今、13%なんだ。もう少ししぼりたい。』


「え?低すぎない?」

『筋肉つけたいんだよね。』

サンは笑う。

「ふぅん。……じゃあ次。好きな食べ物、嫌いな食べ物、趣味、特技、家族構成、今ハマっているもの、と。」

なんとなく暗い雰囲気を感じ取りながらも僕は続けた。

「……えっと。好きな食べ物は~お寿司。嫌いなのは…野菜。」

(……なんかめっちゃ笑ってる…。)


「え?何?」

『……ふふっ。可愛い。』

「は?可愛くないって!……次はっ。趣味は……映画観るとか?」

『なんで疑問形よ!ハハハ!』

(さっき暗い雰囲気なんて思ったの間違いだった……思いきりからかいにきてる……。)


「ゴホン。特技は……ギター、とか?」

『ほらまた疑問形!』

 「わかんないんだよ!……家族構成は父、母、姉、弟。ハマっているものは……プリン!以上!」

『プリン!やっぱ可愛い!』

「もう!からかうなよ……サン。次!」

『……。あー。好きな食べ物は鶏の唐揚げ。嫌いなのはない、かなぁ。好き嫌いない。趣味は釣り。特技は魚を捌くこと。家族構成、は……。俺、家族いないんだ。

……ハマってることは……新堂雷音しんどうらいおん、かな?ふふふ。……さ、次いこう!』

サンは笑顔でそう言った。
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