推しを眺めていたら推しが近づいてきた

かしあ

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宇都宮君に連行されカラオケに来た僕はとりあえずソファに座る。宇都宮君は只今絶賛熱唱中だ。


「ねぇ、君が好きだよ?1番ね?」


しかも僕の方を見ながらラブソングを。
ラブソング好きなのかな??歌い慣れてる気がする。たまに歌いながらウインクしてくる宇都宮君はもはやアイドルにしか見えない!!


「カッコイイ…」


僕の推しは歌声も素敵だ…何このちょっとエロさまじったセクシーボイス!!

こんな声で「好き」なんて言われたら異性だけでなく同性も宇都宮君に惚れちゃうよ!!
僕は今彼が歌うラブソングに色んな意味でドキドキしてます。


「ふぅ…95点か。まぁまぁかな」


「95点…す、すごい」


そんな点数僕とったことないよ!!宇都宮君の歌手力はもはやプロ級だ。たぶん前世はアイドルだったに違いない。
歌い終わったあとの前髪をかきあげる仕草がカッコよすぎです!!


「はい、次昴の番ね。好きなの歌っていいよ?ラブソングでもいいし…あ、ラブソング知ってる曲ある?」


「ぼ、僕やっぱり歌わなきゃダメ…かな?」


僕の歌声なんて推しに聴かせられるものじゃないよ…。
それに宇都宮君が僕にすっっごくラブソングを歌わせてこようとしてくるから恥ずかしくてよけいに歌えないし、推しの前で歌うの緊張しすぎてやっぱり無理!!


「ダメ、俺だけ昴の歌声聴いてないのはフェアじゃないよ?なんなら俺とデュエットして歌う?」


「宇都宮君とデュエット…」


「うん、そっちの方が昴には良さそうだね?ほらもっとこっちおいでよ」


宇都宮君の中で僕とデュエットすることが勝手に決まったらしい。
急に僕の腕を掴んだかと思うと宇都宮君に背を向ける形で膝の上に座らされる。


「う、宇都宮君この体勢はちょっと…」


「ん?こっちの方が昴の歌声がよく聴こえるでしょ?ほら、もっと僕に寄りかかっていいよ」


そう言いながら宇都宮君は僕のお腹に腕をまわして逃げられないようにギューっと抱きしめてくる。

ひぇ!!う、うう宇都宮君の腕が僕のお腹に!!そしてと、吐息が耳にかかってくすぐったいよ!!
待って待って、こんな心臓バクバクしてたら逆に歌えないよ…!!


「ふふ、昴耳まで真っ赤だよ?心臓もいつもよりドキドキしてるね。昴の歌声聴いたら離してあげるから今はとりあえず深呼吸してね?」


「は、はひ…」


し、深呼吸、とりあえず深呼吸だ、すぅーはぁーすぅーはぁー…ダメだ、全然落ち着かない…。
背中越しに宇都宮君の体温を感じてよけい落ち着かない。


「はい、昴。一緒に歌おうね?」


しばらく深呼吸していた僕に上機嫌な宇都宮君はマイクを渡してきた。

そこから僕の地獄の時間が始まったのである…。

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