キャプテン・ドラゴン

ヒルナギ

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第十五話

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 グランノアール上に、急造で設置された宇宙船係留ドックから、13隻のベヒーモスクラスの戦艦が発進する。ベヒーモスクラスは、計算によって導き出された龍の落下地点へと向かう。

 広大な荒野を13の漆黒の塔が、移動していく。その姿は、古代の遺跡が空中を浮遊するようである。

 やがて、落下地点に到着した13のベヒーモスクラスは、アンカーを荒れ果てた大地に打ち込み位置を固定した。その地点で、移動式の砲台として龍を迎えつつもりである。

 大地にそびえ立つ塔の背後の空を血の色に染め、太陽が沈んでいく。闇色の巨体から、地対空ミサイルの発射口が姿を現す。

 天空から飛来する龍を、ミサイルで迎撃する。熱核融合によって生じるエネルギーが、どれほど龍に通用するかは判らない。しかし、その戦艦から発射されるミサイルのエネルギーであれば、一つの大陸をまるごと消失させる事が理論的には可能である。

 そして塔は爆炎につつまれ、100を超えるミサイルが光の矢と化して、天空を目指す。太陽はゆっくりと大地の奥に沈み、残照で濃紺に染まった空をオレンジ色の光の線が、貫いた。



 龍は大気を裂き、地上へと降下していく。その金色に輝く体は、瞬く間に高熱に包まれた。やがて、黄金の翼や長く延びた尾は摩擦熱により紅く光り出す。それは天空に出現した小さな太陽のように、輝きを増してゆく。

 龍は灼熱の炎に包まれた。流星と化した龍はさらに速度を増し、大地へと向かう。その龍を出迎えたのは、無数の光点となった核ミサイルである。

 一瞬、空は膨張する光と破裂するエネルギーによって、真っ白に輝いた。やがて、破壊神が降臨したように、衝撃波と暴風が天空を荒れ狂わす。

 輝いた空はすぐに消え去り、黒い爆風が暴虐の神のように、空を支配する。大地は震え、13の漆黒の塔は破滅の日に打ち立てられた神々の墓標のように荒れ狂う大地に聳え立つ。

 グランノアールは、地獄と化した。上空で炸裂したエネルギーは大地をも破壊し、巨大な嵐のように吠え狂う。

 渦巻く爆風は、終末の獣のように空を駆けめぐる。天使達と死闘を繰り広げた悪魔たちが大地へ戻るように、灼熱の礫弾が地上へ降り注いだ。

 その狂った神の怒りに触れた世界の中で、ただ13のベヒーモスたちだけは、不動である。戦いに備える漆黒の巨獣たちは、その体をアンカーで固定したまま、待機していた。

 その漆黒の装甲から、無数のスペースキャノンの砲塔が突き出されている。その砲塔はただ一点に、向けられていた。



 そして、荒れ狂う空より灼熱に燃え上がる龍が姿を現した。それは、世界に終末をもたらす破滅の使者のように、地獄の炎を身に纏い、狂乱の速度で地上へ降下していく。

 最後の審判の時を告げる喇叭のように、ベヒーモスの砲台が轟音をあげる。龍は、荒れ狂う破壊と高熱の洗礼を受けながら尚、速度を増す。

 龍は雷神が地上に撃ち落とす鉄槌と化して、13の塔のまっただ中へ墜ちた。その瞬間、大地が炸裂する。龍は通常の落下加速度に加え、自らの加速も行い、大地へ激突した。大地は、13隻のベヒーモスを巻き添えにして崩壊する。龍の落下地点で、地獄への入り口が開いた。

 衝撃波と地獄の炎が、地上を席巻する。そして、龍は地下を目指す。さらに、グランノアールの中心へ向かって、大地を抉り、さらに降下した。

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