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第一話
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「やったぜ、見ろよ」
画面に派手に、『YOU WINNER』の表示が出る。おれは満面に笑みを浮かべ、深紅のスーツに身を包んで傍らに立っているナミへ声をかけた。
ナミはうんざりしたようなため息をつく。
「大体さあ、なんでデートの行き先がゲームセンターなのよ。私たちは塾帰りの高校生なわけ?」
おれはナミの愚痴を無視して再び画面に向かう。
「おまえさあ、知らないの? 今、このスーパードッグファイトってゲーム凄ぇはやってんだぞ」
派手なダンスミュージックが鳴り響き、いかれた格好の子供たちがうろつき回っているそのゲームセンターには、ジェット戦闘機のコックピットを模したブースがざっと二十機は並んでいる。どういう訳か対戦型のジェット戦闘機ゲームが大ブレークし、世界ランキングまでできていた。
ナミはおれの頬の肉をつかむとぐいっと、捻る。
「はやってるとかそういう問題じゃないでしょう」
「いや、あの」
おれは、慌ててナミの手をタップする。しかし、ナミの力はさらに強まった。
「だいたい恭平、元戦闘機パイロットのあんたがこういうゲームで素人相手に勝ってもしょうがないでしょう」
「いや、判った、やめるよ、ここを出よう」
ナミはにっこり笑って手を離した。
「じゃ、ショットバーにでもいく?」
「もう一勝負したらな」
おれは殺気を感じて首を竦める。おれの頭の上をエルメスのバックが唸り音をたてて通りすぎた。
「おい、恭平。てめぇなめてんのかよ」
「今日はまだ、やつに会ってない」
「やつって、誰よ」
「MAYAだ。ファントムMAYA」
おれは対戦者待ちのリスト表示画面をスクロールさせていく。日本中のゲームセンターのブースと通信対戦可能であるが、難易度AAAのクラスになると流石に待ちの数は三桁を割る。
「強いの?、そのMAYAっての」
「強い、強い」
おれはふーっとため息をつく。
「本気だして10回くらいやったけど、一度も勝ったことないんだ」
ナミが目を剥いた。
「一度も?冗談でしょ。仮にも三年前はアグレッサーだったのに。なまりすぎよ」
おれはMAYAを探すのに夢中で、ナミの言葉に返事している余裕が無かった。
「時間的にはそろそろ出てくるはずなんだが、おっ」
何回かリスト表示画面のリロードを繰り返しているうちに、MAYAの名前が出現した。おれは膝を叩く。
「さあて、今日のメーンイベントだ」
ナミは諦めたように天井を仰いでてを広げる。
「さっさと負けるのよ」
「冗談じゃねぇ」
おれの対戦要求をMAYAが受諾した。画面が自動的にフライトシミュレーターとしての飛行場画面へと切り替わってゆく。おれはいつものようにF14を選択する。機体の色は白だ。
MAYAの選ぶ機種も画面の片隅に表示される。例によってF4EJ改ファントムIIであった。相変わらず、なめたまねをする野郎だ。
画像表示されるコックピットのレイアウトは、実物とほぼ同様である。複座式を単座に変えて、操作もある程度簡略化されているとはいえ、難易度AAAクラスであればほぼ実物と同様だ。
画面に派手に、『YOU WINNER』の表示が出る。おれは満面に笑みを浮かべ、深紅のスーツに身を包んで傍らに立っているナミへ声をかけた。
ナミはうんざりしたようなため息をつく。
「大体さあ、なんでデートの行き先がゲームセンターなのよ。私たちは塾帰りの高校生なわけ?」
おれはナミの愚痴を無視して再び画面に向かう。
「おまえさあ、知らないの? 今、このスーパードッグファイトってゲーム凄ぇはやってんだぞ」
派手なダンスミュージックが鳴り響き、いかれた格好の子供たちがうろつき回っているそのゲームセンターには、ジェット戦闘機のコックピットを模したブースがざっと二十機は並んでいる。どういう訳か対戦型のジェット戦闘機ゲームが大ブレークし、世界ランキングまでできていた。
ナミはおれの頬の肉をつかむとぐいっと、捻る。
「はやってるとかそういう問題じゃないでしょう」
「いや、あの」
おれは、慌ててナミの手をタップする。しかし、ナミの力はさらに強まった。
「だいたい恭平、元戦闘機パイロットのあんたがこういうゲームで素人相手に勝ってもしょうがないでしょう」
「いや、判った、やめるよ、ここを出よう」
ナミはにっこり笑って手を離した。
「じゃ、ショットバーにでもいく?」
「もう一勝負したらな」
おれは殺気を感じて首を竦める。おれの頭の上をエルメスのバックが唸り音をたてて通りすぎた。
「おい、恭平。てめぇなめてんのかよ」
「今日はまだ、やつに会ってない」
「やつって、誰よ」
「MAYAだ。ファントムMAYA」
おれは対戦者待ちのリスト表示画面をスクロールさせていく。日本中のゲームセンターのブースと通信対戦可能であるが、難易度AAAのクラスになると流石に待ちの数は三桁を割る。
「強いの?、そのMAYAっての」
「強い、強い」
おれはふーっとため息をつく。
「本気だして10回くらいやったけど、一度も勝ったことないんだ」
ナミが目を剥いた。
「一度も?冗談でしょ。仮にも三年前はアグレッサーだったのに。なまりすぎよ」
おれはMAYAを探すのに夢中で、ナミの言葉に返事している余裕が無かった。
「時間的にはそろそろ出てくるはずなんだが、おっ」
何回かリスト表示画面のリロードを繰り返しているうちに、MAYAの名前が出現した。おれは膝を叩く。
「さあて、今日のメーンイベントだ」
ナミは諦めたように天井を仰いでてを広げる。
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「冗談じゃねぇ」
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