世界を救ったゲーマー・ファントムMAYAは、一対一で決闘する

ヒルナギ

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第二話

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「いくぜ」

「ばーか、やられちゃえ」

 ナミのふてくされた声援を受けておれのF14は舞い上がる。全くGを感じないのは奇妙なものだ。エンジン音が悲鳴のように高まってゆき、速度が上がる。

「きたきた、やつだ」

「何あれ、凄いの」

 機体がゴールドメタリックに塗装されたF4が画面の片隅に表示されている。それを
みてナミが感心した。

「国防隊もこういうの使えばいいのよ」

「馬鹿いえ」

 あっという間にバトルへ突入する。おれはナミの相手をする余裕を無くした。高速でスラロームしあう二機は、戦闘ステージとして選んだ山岳地帯を飛び回る。
 ナミは結構興奮して後ろで叫んでいた。画面は三半規管が弱いものならあっとうまに酔いそうな勢いで変化している。おれはナミが肩を叩いて呼びかけても、応える余裕が全く無い。
 おれが撃墜されるまで、ものの3分ほどであったろうか。おれはシートに深く腰を降ろすとため息をついた。煙草が恋しくなる。
 画面は自動的に二本目の戦闘ステージである海のシーンへと切り替わってゆく。航空母艦の滑走路が表示された。
 おれは二本目のバトルをキャンセルした。画面が初期画面のデモンストレーション画面へと切り替わってゆく。

「やめちゃうの?」

 ナミが意外にも、つまらなそうな声をだす。

「そう。終わりだ」

 おれは立ち上がる。ゲームは三本勝負であるが、MAYAとの勝負はいつも一本目でキャンセルしていた。二連敗したくないというのもあるが、実戦で二本目は無いだろうという意識もある。
 おれは、今日のバトル情報をメモリカードにセーブする。メモリカードには戦闘記録が保存されるようになっていた。カードには自分用の機体のカスタマイズ情報をセーブして持っておくことができる。そのカードを使えばどのブースでも自分用にカスタマイズした機種が使えるようになっていた。
 対戦情報を、インターネットを通じて専用サイトへアップロードすれば世界ランキングが割り振られる。今のところおれもMAYAもノーランカーだが、二人ともランカー相手の対戦で負けなしだった。MAYAはさしずめ無冠の帝王というところだ。

「けっこう面白いね、このゲーム」

 ナミが上気した顔で声をかけてくる。

「だからいったろうが」

 おれはゲームセンターの外へ向かう。後ろからナミが声をかけてくる。

「ねえ、私もやってみていい? スーパードッグファイト」

「馬鹿いえ」

 おれは憮然とした声になる。

「夜は短い。いくぞ」

 ナミは笑いながら、おれの腕に絡まってくる。

「じょーだんだよ。むきになんなよな」

 おれは苦笑して、ナミの肩を抱いた。
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