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第二話
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「じゃあ、つぎはバスルームでシャワーを使ってみてくれ」
「了解」
おれは、タブレット型端末の映像を切り替える。
バスルームが写し出された。
おんなは、全裸でバスルームへ入ってくる。
カメラをとりつけたほうにむかってウインクしてみせた。
均整がとれ、それでいて出るべきところはしっかりでているいい肢体をみせつけてくる。
おれは、苦笑した。
まあ確かに、着衣のままシャワーを使っては濡れてしまうのだろうけれど。
単に隠しカメラがシャワーを使っても映像を送り続けるのを確認するテストで、わざわざシャワーを浴びる必要もないだろう。
そうも思う。
おんなが平然とシャワーを浴びるのを確認しながら、おれはソファに腰をおろす。
どこにでもある、平凡なラブホテル。
最上級の部屋なので、一見豪華そうに見えるのだが。
けれど、贋物としての印象は免れない。
あくまでも見せ掛けだけの、アンンティークな家具
ある意味ヨーロッパの古城にあるような、ゴシックふうのタペストリや古めかしい壁紙。天蓋のついたベッド。
こうしたものは、この島国の文化を象徴しているといってもいいだろう。
模倣し本質は決して捕らえることはできないのだが、ある程度の気分だけは味わうことができる。
貧しく愚かなものであっても。
見た目だけは王侯貴族の真似ができる。
それはあくまでも贋物。
ベニアで作った小屋に、金メッキをしたようなものなのだろうが。
かぼちゃを馬車にする魔法のようなものだといってもいいのだろう。
おれがくだらないもの思いに耽っている間に、シャワーを終えたおんなが出てきておれのとなりに腰をおろす。
「ねえ、こんな手の込んだことをして何をするつもりなの」
おれは、煙草に火を点けながら応える。
「ひとりのおとこを、はめるだけだよ」
「あたしとこのホテルで寝るだけではめることができるの?」
「まあな」
おれは、ゆっくりと煙草のけむりを吐き出す。
「防衛庁の電子戦略部隊というお堅い部署にいて、しかも既婚者だったら失職とまではいかなくても左遷くらいはあるだろうよ」
「ふーん。おっさんがひとり左遷されるだけにしては、大層じゃあないの」
「それで世界を滅ぼすことができるらしい」
「まさか」
「まあ、そうなんだが」
おれは、また記憶の中にのみこまれてゆく。
あのおんな。
死神のようなおんなが、おれのところへこの仕事を持ち込んできた。
(世界を終わらせる仕事に、加担する気はあるかしら)
金さえもらえれば、なんだってやるんだが。
まあ、まさかな。
自律的増殖をするウィルスだというオートノマス・ボットが、人工知能へと進化して人類に総攻撃するなんざあ。
まあ、ただの妄想としか思えないんだが。
おれの追憶は目の前のおんなによって途切れさせられる。
おんなは熱い吐息を吐きながら、言った。
「ねえ、せっかくきたんだからこのまま帰ったりしないよね」
おれは、微笑みながらおんなを抱き締める。
その身に巻き付けられたバスタオルを、剥ぎ取りながら。
おれはおんなに口づけをして、そのまま舌を首筋から胸へと這わしてゆく。
固く尖った胸の先端に舌を這わすと、おんなは熱い息をはく。
「ああっ」
その声をききながら、いいおんなだと思う。
こんないいおんなを、別のおとこに抱かせるような仕事に使うのかとおれは自嘲した。
おれは胸の先端を口に含み舌先で転がしながら、太腿の付け根に向かってゆっくり指を這わす。
おんなの濡れた襞がおれの指を絡め取ろうとするのを感じながら、別のおとこにここを触らせることを許すのかと思うと奇妙な興奮を感じる。
おんなは、おれのトラウザースと下着をずらし固くなったものを剥き出しにした。
おんなは、おれの上に跨り腰をおれのものの上に沈める。
おれがおんなの胸に顔を埋めると、おんなは声をあげた。
「いい、凄くいいよ」
おんなが腰を振り声をあげるのを聞きながら、果たして本当に世界が終わるのだろうかと考える。
まあ、どうでもいいがもし世界が終わるなら、その時もこうしておんなを抱いていたいものだと思った。
「了解」
おれは、タブレット型端末の映像を切り替える。
バスルームが写し出された。
おんなは、全裸でバスルームへ入ってくる。
カメラをとりつけたほうにむかってウインクしてみせた。
均整がとれ、それでいて出るべきところはしっかりでているいい肢体をみせつけてくる。
おれは、苦笑した。
まあ確かに、着衣のままシャワーを使っては濡れてしまうのだろうけれど。
単に隠しカメラがシャワーを使っても映像を送り続けるのを確認するテストで、わざわざシャワーを浴びる必要もないだろう。
そうも思う。
おんなが平然とシャワーを浴びるのを確認しながら、おれはソファに腰をおろす。
どこにでもある、平凡なラブホテル。
最上級の部屋なので、一見豪華そうに見えるのだが。
けれど、贋物としての印象は免れない。
あくまでも見せ掛けだけの、アンンティークな家具
ある意味ヨーロッパの古城にあるような、ゴシックふうのタペストリや古めかしい壁紙。天蓋のついたベッド。
こうしたものは、この島国の文化を象徴しているといってもいいだろう。
模倣し本質は決して捕らえることはできないのだが、ある程度の気分だけは味わうことができる。
貧しく愚かなものであっても。
見た目だけは王侯貴族の真似ができる。
それはあくまでも贋物。
ベニアで作った小屋に、金メッキをしたようなものなのだろうが。
かぼちゃを馬車にする魔法のようなものだといってもいいのだろう。
おれがくだらないもの思いに耽っている間に、シャワーを終えたおんなが出てきておれのとなりに腰をおろす。
「ねえ、こんな手の込んだことをして何をするつもりなの」
おれは、煙草に火を点けながら応える。
「ひとりのおとこを、はめるだけだよ」
「あたしとこのホテルで寝るだけではめることができるの?」
「まあな」
おれは、ゆっくりと煙草のけむりを吐き出す。
「防衛庁の電子戦略部隊というお堅い部署にいて、しかも既婚者だったら失職とまではいかなくても左遷くらいはあるだろうよ」
「ふーん。おっさんがひとり左遷されるだけにしては、大層じゃあないの」
「それで世界を滅ぼすことができるらしい」
「まさか」
「まあ、そうなんだが」
おれは、また記憶の中にのみこまれてゆく。
あのおんな。
死神のようなおんなが、おれのところへこの仕事を持ち込んできた。
(世界を終わらせる仕事に、加担する気はあるかしら)
金さえもらえれば、なんだってやるんだが。
まあ、まさかな。
自律的増殖をするウィルスだというオートノマス・ボットが、人工知能へと進化して人類に総攻撃するなんざあ。
まあ、ただの妄想としか思えないんだが。
おれの追憶は目の前のおんなによって途切れさせられる。
おんなは熱い吐息を吐きながら、言った。
「ねえ、せっかくきたんだからこのまま帰ったりしないよね」
おれは、微笑みながらおんなを抱き締める。
その身に巻き付けられたバスタオルを、剥ぎ取りながら。
おれはおんなに口づけをして、そのまま舌を首筋から胸へと這わしてゆく。
固く尖った胸の先端に舌を這わすと、おんなは熱い息をはく。
「ああっ」
その声をききながら、いいおんなだと思う。
こんないいおんなを、別のおとこに抱かせるような仕事に使うのかとおれは自嘲した。
おれは胸の先端を口に含み舌先で転がしながら、太腿の付け根に向かってゆっくり指を這わす。
おんなの濡れた襞がおれの指を絡め取ろうとするのを感じながら、別のおとこにここを触らせることを許すのかと思うと奇妙な興奮を感じる。
おんなは、おれのトラウザースと下着をずらし固くなったものを剥き出しにした。
おんなは、おれの上に跨り腰をおれのものの上に沈める。
おれがおんなの胸に顔を埋めると、おんなは声をあげた。
「いい、凄くいいよ」
おんなが腰を振り声をあげるのを聞きながら、果たして本当に世界が終わるのだろうかと考える。
まあ、どうでもいいがもし世界が終わるなら、その時もこうしておんなを抱いていたいものだと思った。
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