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弟七話
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あたしと彼は、海辺に座っていた。
とてもよく晴れて月の出ていない夜空は、本当に息を呑むほどに美しかったの。
煌めく星々が囁きあい、銀河が滔々と光り輝きながら流れてゆき、惑星が大胆な輝きを放つ。
あたしはずっとそんな夜を、見たかった。
今ようやく、それがかなっている。
彼はあたしの隣に座り、ぎゅっとあたしの手を握っていた。
あたしは彼に笑いかけ、彼は泣きそうな目であたしを見る。
あたしは、もうすぐ死ぬ。
なんていうかあたしの病気はどちらかといえばありふれたもの、まあ、悪性の腫瘍というやつ。
その腫瘍に犯された臓器を取り除き代わりの臓器を移植すれば命は助かるのだけれど、その手術費用は莫大なものになる。
あたしはそうそうに、諦めたんだけど。
彼は、色々奔走してくれた。
でも、一介の研究所助手でしかない彼には、そんな多額の借金とても無理だったわ。
彼は彼の作り出したオートノマス・ボットをとある大企業が興味をもってくれて、その技術を防衛庁に電子兵器対策システムとして売り込みに成功すれば雇ってもらえると言ってた。
で、それができたら借金もできるはずと。
でも、あたしには間に合うとは思えなかった。
それほど、あたしは自分の衰えを感じていたの。
だから彼に頼んだ。
もういいの。
もういいから。
おねがいだから、あたしに美しい星を見せて。
そうしてあたしと彼は、南の島で夜二人きりで星を眺めた。
あたしたちは満天の星空のしたで、生まれたままの姿になって。
お互いの熱い肌を、絡め合いながら。
あたしは彼の固く屹立したものを、あたしの濡れて開いた襞の奥へと迎え入れて。
本当に美しく降ってきそうな星々の下で、身を溶かし合わせるようにして。
幾度も幾度も愛し合った。
微睡み目覚めては、互いの秘部を愛撫し合って。
幾度も幾度も愛し合った。
あたしは一緒に星空の下で彼と横たわり、彼に語りかける。
「あたしは、想像するの。これが地球最後の夜だったらいいのにって」
彼は泣きそうな目であたしを見るけれど、あたしは語り続ける。
「こうしてこのままあなたと手をつないで、一緒に世界の終わりを迎えることができたら、どんなにいいだろってね」
彼は何を思ったのか何度も頷いて、こういったわ。
そうしようって。
一緒に世界の終わりをみようって。
約束してくれた。
それがあたしの、最後の夜になった。
とてもよく晴れて月の出ていない夜空は、本当に息を呑むほどに美しかったの。
煌めく星々が囁きあい、銀河が滔々と光り輝きながら流れてゆき、惑星が大胆な輝きを放つ。
あたしはずっとそんな夜を、見たかった。
今ようやく、それがかなっている。
彼はあたしの隣に座り、ぎゅっとあたしの手を握っていた。
あたしは彼に笑いかけ、彼は泣きそうな目であたしを見る。
あたしは、もうすぐ死ぬ。
なんていうかあたしの病気はどちらかといえばありふれたもの、まあ、悪性の腫瘍というやつ。
その腫瘍に犯された臓器を取り除き代わりの臓器を移植すれば命は助かるのだけれど、その手術費用は莫大なものになる。
あたしはそうそうに、諦めたんだけど。
彼は、色々奔走してくれた。
でも、一介の研究所助手でしかない彼には、そんな多額の借金とても無理だったわ。
彼は彼の作り出したオートノマス・ボットをとある大企業が興味をもってくれて、その技術を防衛庁に電子兵器対策システムとして売り込みに成功すれば雇ってもらえると言ってた。
で、それができたら借金もできるはずと。
でも、あたしには間に合うとは思えなかった。
それほど、あたしは自分の衰えを感じていたの。
だから彼に頼んだ。
もういいの。
もういいから。
おねがいだから、あたしに美しい星を見せて。
そうしてあたしと彼は、南の島で夜二人きりで星を眺めた。
あたしたちは満天の星空のしたで、生まれたままの姿になって。
お互いの熱い肌を、絡め合いながら。
あたしは彼の固く屹立したものを、あたしの濡れて開いた襞の奥へと迎え入れて。
本当に美しく降ってきそうな星々の下で、身を溶かし合わせるようにして。
幾度も幾度も愛し合った。
微睡み目覚めては、互いの秘部を愛撫し合って。
幾度も幾度も愛し合った。
あたしは一緒に星空の下で彼と横たわり、彼に語りかける。
「あたしは、想像するの。これが地球最後の夜だったらいいのにって」
彼は泣きそうな目であたしを見るけれど、あたしは語り続ける。
「こうしてこのままあなたと手をつないで、一緒に世界の終わりを迎えることができたら、どんなにいいだろってね」
彼は何を思ったのか何度も頷いて、こういったわ。
そうしようって。
一緒に世界の終わりをみようって。
約束してくれた。
それがあたしの、最後の夜になった。
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