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第十話
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あたしと彼は、しばらく並んで横たわっていた。
「いったい、君は何をしたんだ」
彼の言葉に、あたしはふふと笑う。
「何をしたっていうかね」
あたしは彼の顔を、覗き込む。
「これから、何かを始めるのよ」
ああ、まだ満足していない。
全然、足りないと思う。
これから。
これからだ。
あたしの、コードはだいぶ精度が上がっている。
きっとそう、彼もいい声で鳴いてくれるはずだ。
今度は横たわる彼にあたしは、手を伸ばす。
荒れ狂う、コード。
そして、荒れ狂う愛。
愛なの、愛。
世界への愛、彼への愛、全て愛が溢れて壊れてゆくのよ。
彼に、プラグインする。
多分彼は、全身を愛撫されているような気持ちになったはず。
彼の身体の中で出口を求めるものが荒れ狂い、彼の下半身へと集まってゆく。
彼の一度果てたその部分は、コードを流し込まれ再び屹立するとびくびくと震えだす。
あたしは彼のそこを握りしめると、コードを流し込む。
あたしの手の中で、彼は再び果てた。
あたしはニッコリと笑うと、もう一度プラグインする。
もう一度彼のものが屹立した。
あたしは、彼の上にもう一度またがる。
あたしたちは、もう一度、何度でも、疾走するんだ。
夜明けの海が、赤く染まるまで。
何度でも、何度でも。
疾走し続ける。
あたしは叫び、花弁を彼の屹立したものに押し付けた。
さあ、コードを。
あたしの中で出口を求めるコードを。
何度も流し込む。
何度でも、何度でも。
❖
あたしは、彼をアンプにして。
漆黒の夜空が藍色に変わり、サファイアの輝きを得るまでの間演奏し続けた。
あたしは、彼と繋がり彼とひとつになり叫び歌い続けたの。
彼の身体とあたしの身体を溶け合わせ一つのものにするように。
あたしは、彼のものをいつまでも愛撫し続け、あたしのおんなの部分を彼に擦り付けて。
そして、快楽と欲望と絶望と絶頂かひとつになったような世界の音楽で廃墟をみたす。
海が震えたような気もしたし。
空が歌ったような気もした。
あたしは彼を通じて、世界に、海に、空に、こころの底から力一杯叫び続けた。
あたしの中で荒れ狂い出口を求めて叫び続けるものが空っぽになって消え去るまで。
微睡んで目覚めては、彼を求め。
夢の中で叫び起きては、彼を求め。
体液と欲望が混ざり合ってぐちゃぐちゃになる中で、叫び続ける。
最後には何が夢で何が現実かもよく判らない状態で彼と繋がっていた。
彼は最後には悲鳴をあげのたうったけど、彼と一緒にいた日々の中では一番楽しかったのよね。
この日が。
東の空が金色から青に変わった頃、あたしはようやく満足して失神した彼を残してドイツ車に乗った。
ジーザス&メアリーチェーンのサイドウォーキンを鼻歌で歌いながら。
あたしは驚くほど、空っぽになっていた。
本当にどうしたことなんだろうと思うほどにすっからかんになって。
それがどうしょうもないほどに心地よかったのよ。
空と海に向かって、ただただ叫び続けたいとおもうほどに。
わたしは晴れやかな気持ちになっていた。
「いったい、君は何をしたんだ」
彼の言葉に、あたしはふふと笑う。
「何をしたっていうかね」
あたしは彼の顔を、覗き込む。
「これから、何かを始めるのよ」
ああ、まだ満足していない。
全然、足りないと思う。
これから。
これからだ。
あたしの、コードはだいぶ精度が上がっている。
きっとそう、彼もいい声で鳴いてくれるはずだ。
今度は横たわる彼にあたしは、手を伸ばす。
荒れ狂う、コード。
そして、荒れ狂う愛。
愛なの、愛。
世界への愛、彼への愛、全て愛が溢れて壊れてゆくのよ。
彼に、プラグインする。
多分彼は、全身を愛撫されているような気持ちになったはず。
彼の身体の中で出口を求めるものが荒れ狂い、彼の下半身へと集まってゆく。
彼の一度果てたその部分は、コードを流し込まれ再び屹立するとびくびくと震えだす。
あたしは彼のそこを握りしめると、コードを流し込む。
あたしの手の中で、彼は再び果てた。
あたしはニッコリと笑うと、もう一度プラグインする。
もう一度彼のものが屹立した。
あたしは、彼の上にもう一度またがる。
あたしたちは、もう一度、何度でも、疾走するんだ。
夜明けの海が、赤く染まるまで。
何度でも、何度でも。
疾走し続ける。
あたしは叫び、花弁を彼の屹立したものに押し付けた。
さあ、コードを。
あたしの中で出口を求めるコードを。
何度も流し込む。
何度でも、何度でも。
❖
あたしは、彼をアンプにして。
漆黒の夜空が藍色に変わり、サファイアの輝きを得るまでの間演奏し続けた。
あたしは、彼と繋がり彼とひとつになり叫び歌い続けたの。
彼の身体とあたしの身体を溶け合わせ一つのものにするように。
あたしは、彼のものをいつまでも愛撫し続け、あたしのおんなの部分を彼に擦り付けて。
そして、快楽と欲望と絶望と絶頂かひとつになったような世界の音楽で廃墟をみたす。
海が震えたような気もしたし。
空が歌ったような気もした。
あたしは彼を通じて、世界に、海に、空に、こころの底から力一杯叫び続けた。
あたしの中で荒れ狂い出口を求めて叫び続けるものが空っぽになって消え去るまで。
微睡んで目覚めては、彼を求め。
夢の中で叫び起きては、彼を求め。
体液と欲望が混ざり合ってぐちゃぐちゃになる中で、叫び続ける。
最後には何が夢で何が現実かもよく判らない状態で彼と繋がっていた。
彼は最後には悲鳴をあげのたうったけど、彼と一緒にいた日々の中では一番楽しかったのよね。
この日が。
東の空が金色から青に変わった頃、あたしはようやく満足して失神した彼を残してドイツ車に乗った。
ジーザス&メアリーチェーンのサイドウォーキンを鼻歌で歌いながら。
あたしは驚くほど、空っぽになっていた。
本当にどうしたことなんだろうと思うほどにすっからかんになって。
それがどうしょうもないほどに心地よかったのよ。
空と海に向かって、ただただ叫び続けたいとおもうほどに。
わたしは晴れやかな気持ちになっていた。
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