先生への恋心

3話 ときめきのキス

文化祭まであと二週間となったある日、翔太は先生から新しい依頼を受けた。

「翔太、僕は今回、文化祭で劇をやろうと思うんだ。だから、君に脚本を手伝ってほしいんだけど」

先生は真剣な表情で言った。脚本？ 翔太は驚きを隠せなかった。劇なんて、中学に入ってからやったことがない。

「劇ですか？僕にできますか？」

翔太は不安を隠せなかった。先生は優しく微笑むと、翔太の肩に手を回した。

「大丈夫、僕がついているから。君なら素敵な物語を書き上げられるよ」

先生の温もりに包まれ、翔太の不安は安心に変わった。先生との密かな恋愛だけでなく、劇の脚本も一緒に作るなんて、とても特別な気分だった。

それから翔太は、放課後になると先生と一緒に脚本を考えた。先生は翔太のアイデアを一つ一つ丁寧に拾い上げ、二人で物語を紡いでいった。

ある日、二人が教室で脚本に向き合っていると、窓の外に他クラスの女子たちが映った。彼女たちは、先生に憧れる女子たちだった。

「ねえ、あの人かっこいいよね」「ほんと、女子が好きそうな先生」

彼女たちの会話が教室まで届く。先生は少し照れくさそうに、窓の外を見た。翔太は先生の横に寄り添い、囁いた。

「先生は、僕だけのヒーローです」

翔太は照れくささに顔を赤らめながら、それでも誇らしげに言った。先生は驚いた様子で翔太を見つめ、そして優しく唇を寄せた。

「君は僕の宝物だよ、翔太」

二人のキスに、教室は一段と温かい空気に包まれた。脚本はまだ完成していないのに、二人の心は既に一つになっていた。