狂うほどに愛したい ~野球部補欠のオレでも超可愛い巨乳美少女マネージャーと熱い恋をしたい~ (健全版)

湯島二雨

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第22章…勉強しすぎ

目の下にクマ

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 「美希、遠慮なく座ってくれ」

麻耶が座っていたイスをガタッと引いて、美希に座るよう促す。

「ありがとうございます」

「あと、これお菓子。どんどん食べてくれ」

ポテトチップスやチョコレートを乗せた大きな皿を美希に差し出す。


「すいませんわざわざ……」

「いいんだよ。美希は今お客様なんだから」


美希はイスに座り、遠慮がちにお菓子を少しずつ食べ始めた。

さて、勉強再開しよう。
美希のとなりでシャーペンを持ち、気合いを入れ、勉強を始める。

カリカリ……


「竜先輩、すごく勉強してて偉いですね。野球も勉強も何事にも一生懸命打ち込んでて、本当にステキだと思います」


ドキッ

美希はドストレートに褒めてくれた。美希はいつもこうやってオレのストライクゾーンど真ん中に豪速球を投げ込んでくる。
嬉しすぎてものすごく照れる。勉強の効率が何倍にも上がる。


「竜先輩、甘いもの食べた方が集中できますよ。はい、あ~ん」


!!

美希はチョコレートを摘んでオレの口元に持ってきてくれた。
幸せの絶頂だと思っていたがさらに先の幸せがあった。美希の優しさにオレは激しく悶絶する。

どうせなら口移しで食べさせてほしいな……なんて考えてしまう。いや、それは調子に乗りすぎ欲張りすぎだ。

美希の手にあるチョコがパクリと口に入る。


うまいとしか言いようがない。チョコそのものもおいしいし美希が食べさせてくれたんだからそのおいしさが何倍にもなる。

単純なオレは全身に元気が漲り勉強の効率がさらに倍増した。


オレは勉強を黙々と続け、美希はとなりからそれを眺める。
美希が見ているとドキドキするけど、頑張らなくちゃならないという気になってサクサクと集中して勉強できる。



―――



 勉強に没頭し、気がついたら日が暮れそうになっていた。
4時半か。もうこんな時間か……
ペンを机に置いてンンーッ!っと大きな伸びをした。


「……竜先輩」

「ん?」


「失礼ですけど、ちょっと顔をよく見せてもらえませんか?」


美希はそう言ってオレの頬に両手を添え、オレの顔をまじまじと見つめる。


「え!? ど、どうした美希っ!?」


目の前には真剣な顔をした美希。顔がすごく近い。オレと美希の顔の距離が3~4㎝しかなくて、赤面せずにはいられない。

これはオレの理性が持たない。可愛いすぎて鼻血が出そうだ。


美希の首筋をよく見ると、オレが文化祭のときにつけたキスマークが残っていた。
『オレのモノ』ということを証明する印。美希が愛しい……愛しくてたまらない。


ドキドキドキドキ……

さっきから心臓の鼓動がうるさすぎる。美希に聞かれたら恥ずかしい。

全く余裕のないオレをよそに、美希は心配そうな表情で口を開く。


「……竜先輩。目の下に大きなクマができてますよ?」


「……え? クマ?」

「はい。この鏡で見てみてください」


美希が持っていた手鏡でオレの顔面を映す。


……げ、ホントだ。クマがハッキリと浮き出てる。最近勉強漬けでほとんど寝てなかったとはいえ、こんなに顔にハッキリと現れるとは。


「竜先輩……もしかして、すごく無理をしているんじゃないですか? ちゃんと睡眠はとっていますか?」

「ん、ああ、まぁ……」

「1日に何時間くらい寝ていますか?」

「んーと、1~2時間くらいかな……」

「いけませんよ。もっと寝ないとダメです。できれば毎日7~8時間、最低でも5時間以上は寝ないとダメです」


美希の怒ったような真剣な表情。オレはそんな美希に若干気圧された。


「だっ、大丈夫だよ美希! オレはそんなに寝なくても元気だから!!」


オレは、美希に心配かけまいと思い、イスから立ち上がってシュッシュッとシャドーボクシングをして、元気であることをアピールしようとする……が。


クラッ……

「っ!? うっ……」

「!? 竜先輩っ!?」


突然目眩がして、オレはその場に座り込んだ。


「竜先輩っ!! 大丈夫ですか!? 竜先輩っ!!」


美希はすぐさまオレに駆け寄って、オレの背中を撫でる。


くっ……眠いしダルいし頭がクラクラする……睡眠不足の症状が今になって出てきた……

考えてみれば野球部を引退して受験生になってからずーっと睡眠時間を削りまくって猛勉強してたな……

今まで平気だったのになんで美希と一緒にいる今に限って……美希にかっこ悪いところを見せてしまった。情けない。

睡眠不足とか関係ない。オレはもっと勉強しないといけないんだ。
オレはダルい身体に鞭を入れるように、気力で立ち上がる。


「美希、心配かけてごめん。オレは大丈夫だから。さて勉強するぞ……」

「竜先輩っ!! 無理しないでください! 休んだ方がいいですよ!」


勉強の続きをしようとして、シャーペンを持とうとしたオレの服を美希がギュッと掴む。


「……大丈夫だよ」

「いいえ、大丈夫じゃありません。寝てください。このままだと身体を壊しますよ」

「大丈夫だって言ってんだろ」

「大丈夫じゃありませんよっ!!!!!!」


美希の怒声が家中に響く。オレはガチでビビった。
美希はすごく怒っていて、今にも泣きそうな顔をしていた。


「え……美希……?」


オレは戸惑って何と言えばいいのかわからず、たじろいだ。


「私は竜先輩のお身体を心配して言ってるんですよ。いくら頑張って勉強したって、試験日に体調を崩しちゃって受験できなくなったら元も子もないじゃないですか」

「……う……」

「ただ闇雲に勉強すればいいってもんじゃないです! 休むときは休んで、試験日にベストな状態にできるようにしっかりと体調管理をしなきゃダメですよっ!!」

「……ああ……」

「めっ! ですよ竜先輩! めっ!!」


美希はオレのオデコを指でツンツンする。美希に怒られた。

……美希の言うことはごもっともである。甘やかすだけじゃなくこうしてちゃんと怒る時は怒ってくれる。これこそ本当の優しさ。

美希のためにやってたことなのに美希を心配させてしまった。本当にオレはダメだ。美希がいないと何もできないダメ人間だ。美希に感謝しないといけない。


「……ごめん美希。オレ自分を見失っていたみたいだ」

「竜先輩のそういうまっすぐで頑張り屋さんなトコ、心から尊敬しますしステキだと思います。
だけど竜先輩は頑張りすぎなんですよ。自分の健康を損ねてまで努力する必要なんかないです。もっと自分のお身体を大切にしてください。受験とか合格よりも竜先輩のお身体の方が何百倍、何千倍も大事なんですから。それを忘れないでくださいね」

「ああ、ありがとう美希。おかげで目が覚めたよ」

「いえ、礼には及びません。彼氏が頑張りすぎないようにちゃんと見てあげるのも彼女の役目ですから」


彼氏……! 彼女……!
それだけでふわふわ天に舞い上がってしまうくらい幸せな気分になるオレは本当にバカだ。

そうだ、オレには美希がいる。オレが間違った方向に行っても美希が正してくれる。

オレは美希を守ること助けることばっかり考えてきたがそれは違う。美希に助けてもらったっていいんだ。助け合って支え合っていくんだ。それが恋人というものだ。


「本当にありがとう、美希。あとでちゃんと寝るから。でもあともうちょっとだけ勉強を……」

オレは再びペンを持って勉強を再開しようとするが美希に肩を掴まれて止められる。


「ダメです。今寝てください」

「もうちょっとだけだから。問題集の進み具合が中途半端だし、せめてこのページだけでも……」

「そんなこと言ってこのままずっとダラダラ勉強し続ける気なんじゃないですか?」

「うっ……」

完全に見透かされている。さすが美希、鋭い。


「今はもう勉強ダメです、休んでください。直接この目で竜先輩が寝ているトコを見ないと私が安心できません」

美希の瞳は真剣そのものだった。テコでも動かない、絶対に譲らない目だった。
オレはこの目に弱い。
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