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絶対落としてみせるから!
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しおりを挟むガチャッ。
まさかドアが開くなんて思って無かったから、心底びっくりして小さく跳んでしまったくらい。
バッとドアの方を睨むと案の定類くんが立っていて、私はそれを見て。
「ひゃあああああッ!」
「…うっるさ」
類くんが眉間にシワを寄せる。
私は身体を隠しながら風呂場の端にささっと移動。
「な、なっ、なんでっ、まだ私入って…」
「この後嫌ってほど見るんだから気にしててもしょうがないだろ」
そう言って類くんは流しっぱなしのシャワーを浴びて、終わったのか私の方にシャワーを向ける。
「ほら」
「わっ!いい、いいから!自分でやる!来ないでって!」
「ふーん」
もう隠せないくらいじろじろ見てくるから、咄嗟にしゃがんで縮こまっても面白そうに彼は笑うだけ。
私は本当にこの人のことが好きなんだろうか……。
いやいや、これはきっと試されてるに違いない。
「というか!自分はタオルで隠してるなんてずるくない?!」
「なに見たいの?」
「いいいいいっから!早く出てって」
「ふっ」
気が済んだのかやっと類くんは出ていってくれて、脱衣所からも出ていったのを確認して私はやっとシャワーを浴びることができた。
さすがにこんな風呂場の照明の中で裸をお披露目なんて無理無理無理!
絶対類くんは面白がってるよ…。
そんな事を思いながらガウンを着てやっと部屋に戻ることができた。
すると待ちくたびれた様子の類くんが、同じく白いタオル生地のガウンをまとってベッドに腰掛けていた。
「シャワー浴びるのにどんだけ時間かけてんの」
「それはっ、…類くんが乱入してきたりするから」
「こういう焦らす時間もあんたのやり方って事?」
「そういうわけじゃ……ッ」
そう言って近づくと腕を引かれてベッドに押し倒された。
気づくと上には類くんがいて、身体は動かさないように彼の手と脚で固定されているみたいで。
一瞬、その力強さが怖いと思った。
目もすわってる。
「もういい?」
彼は手を離して私のガウンの紐をするりと解く。
類くんの落ち着いた声は私の思考を止めてしまうみたい。
「やっぱ、意外と綺麗な身体してんじゃん」
布がはらりと手で払われた。
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