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君じゃなきゃダメなんだ!

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バフッと類くんの胸の中に顔が収まる。

お風呂上がりの優しい香りがふんわりと鼻先をかすめた。


「…抱きしめるって、どういう感じ」

「へ?」


何を言い出すのか。

今あなたがやってるのがそっくりそのまま抱きしめるって事だけど。


「あんたの幼馴染が抱きしめたって、どういう感じ」

「…優斗が……」


少しイラッとした表情で類くんは聞いてきた。

どういう感じって聞かれても、今回の優斗はいつもと違って何か冷静じゃなかったというか。

強引で、らしくなく焦った表情で、無理矢理私にキスして…。

そんな事を思い出していると、類くんはチッと舌打ちして、


「…やっぱいい」

「え?もー何それ。ほんと類くんってわかんな」


私がそう言いかけて、それを遮るように類くんは私の上にごろんと覆い被さって抱きしめた。

そんでぎゅううっと腕の力を強く入れてきて、私はギブギブ!と彼の胸を叩く。


「プハッ!死ぬかと思ったじゃん!」

「…っふ」

「何笑ってんのよー」


機嫌悪くなったり、しゅんとしたり、怒ったり、笑ったり。

私はまだまだ全然類くんの表情の変化にはついていけてない。

でもまあ、最後に笑ってくれたらそれでいいのかも、なんて私まで笑えてくる。

そして安心したらなんだか眠くなってきて、この温かくて柔らかい布団に包まれて私はうとうとし始めた。


「眠いか?」

「ん…、そりゃあんだけ働いた後だとねえ…。あ、類くんシたいの?」


抱きしめられたまま横になってたからか、類くんの大きくなったソレが私の太ももに当たっていて元気だなぁと思う。

あ、でも、男の人は疲れてる時ほどしたくなるんだっけ?

仕方なくそれに手を伸ばそうとすると、類くんにぎゅっとまた抱きしめられた。


「ぅぐ…っ」

「いい、寝ろ」

「…いいの?てかあんなに働いた後なのに元気だね」

「……そりゃ、あんたのこんな姿見たら誰でも…」

「え?」


ごにょごにょ言ってるから聞こえなくて、聞き返したらほっぺをむにっと摘まれる。

そして唇を食べられるようにぱくっとキスされて。


「いいから黙って寝ろ」

「…おーぼー…」


私はそうつぶやいて、それでも心の中ではにやけてにやけて仕方がなかった。
 
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