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どうやら夏はまだ終わらない
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しおりを挟むその後、優斗に連れられて皆との待ち合わせの場所に行くと、キキとななが走って迎えに来てくれた。
「明子!」
「もうどこ行ってたのよー!」
「ごめんね、ぼうっとしてて」
ななは心配したよ、と私の頭をぽんと撫でてくれる。
やっと5人揃って、私も優斗と話して少しすっきりして残りの旅行を楽しめた気がする。
宿に戻ってご飯を食べて、私が迷子になった話を他の友達にも笑い話にしながら自然に笑えた。
次の日帰りの時間になってお土産を選んでいると、ななが近づいてきてお菓子の箱を手に取った。
「バイトの皆に何か買ってく?」
「そうだね。優斗にもお金もらお」
なににしようと選んでいると、なながまた私の頭を撫でるからん?と見上げる。
「ごめんね、明子」
「え?」
そう聞き返したがななは眉を困ったように下げてううん、と言う。
すると後ろからキキが飛びついてきたからななはこれ買ってくるね、とレジに行ってしまった。
「明子よ」
「なに?キキ」
「私から言えるのはただ一つ。早くあのイケメンとの関係をはっきりさせなさい」
んん??という感じだったが、とりあえず自分もそれを望んでいるからうん?と頷く。
そうして私たちは京都から無事に東京へと戻ってきたのだが、何なら今から類くんの家に行ってしまおうかと考えた。
確か今日はバイト入ってなかったと思うし、家にいるかなと。
お土産を振り回しながら類くんのマンションに行き、ちゃんと話せるかなあなんてインターホンを押そうとしたら奥から女の人が出てきた。
ぱっとそっちを見ると、白いワンピースをふわっとたなびかせる麗華さんが扉の奥から現れた。
「あ、こんにちは。類ならいるわよ」
そらあんたがいるならいるでしょうね!
彼女はそれだけ言って、ほのかに笑みを浮かべて私の横を通り過ぎていく。
居ても立っても居られなくて私は振り返って言った。
「類くんのこと、愛してるんですか!」
自分でもびっくりするくらい通る大きな声でびくっとする。
それでも必死に睨み続けると、麗華さんはにこりと笑って答えた。
「そうね。愛してるっていうより、愛でてるの」
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