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いつかの楽しみ

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金曜日は放課後、皆でカラオケに集まってケーキを食べたりプレゼントをもらったりした。

優斗にもハンドクリームをもらって、それが良い匂いでセンスがいいなぁと改めて思う。

皆からも祝ってもらって、今年も嬉しいなぁって思ったりして。


「そんで結局明日会うの?一条さんに」

「いやー、まあ、案の定何も言われないよねえ」

「えっマジで?もー、一条さんほんとに誕生日知らないのかなあ」


キキがフライドポテトを頬張りながらつぶやく。

いやそんなこと聞かれたこともないしそもそも私に関心があるのかもわからないし、知らない説が濃厚だと思ってる。


「ったく。何やってんだか」

「何か言った?なな」

「ううん、別に」


若干なながイライラしているようだが、それはカラオケで発散しているみたい。

その日は20時過ぎまでカラオケにいて、帰りは優斗と同じ方向だから一緒に帰った。

まるで告白された事が無かったことになってるみたいに今まで通りの何と言うことのない会話。

でも優斗が無理してるのはわかってたから、私はすぐに家に帰った。

すると家に着いたタイミングで類くんから電話がかかってきて、私はえっと思ってすぐに取る。


「もしもし、どうしたの?」

「…明日、うち来い」

「え?」

「何か予定あるのか?」

「ないけど…」

「じゃあ昼飯食わずに13時にうちで」


そう一方的に告げられ勝手に電話を切られてしまう。

いやもう毎度の事だから驚きはしないんだけど、ほんと自己中すぎて笑えてしまう。

まあ、何にせよ誕生日に類くんに会えることになったのは純粋に嬉しい。
何を着ていこうかな。

どうせ誕生日のことなんて知らず、いつものように気まぐれで呼んだんだろうから期待はせずにいよう。


そして次の日になり、言われた通りの時間にマンションに行ってインターホンを鳴らした。

しばらくして類くんが出てオートロックを開けてくれる。

いつ見ても良いマンションだなと思いつつエレベーターに乗って部屋まで向かうと、インターホンを鳴らす前に類くんが現れておお、とびっくりした。


「やっほ」

「おう」


通常運転で素っ気ない類くん。

でも今日もかっこいいからもう何だっていい。

私は玄関を上がり類くんの後ろを追ってリビングに入った。

するとなんと。
テーブルの上にはすでに、美味しそうな料理が並んでいるではないですか!
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