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第二部
酒宴
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酒宴も一刻を過ぎた頃には随分と様相を変えていた。私はヴォルフ様が取って下さった料理を頂いていたけれど、暫くするとヴォルフ様にお酒を勧められた。
「この酒は甘い。お前でも飲みやすいだろう」
そう言って渡されたのは淡い茶の液体が入ったグラスだった。ふっと甘い香りがするわ。これは……果実の香りかしら?
「キャレの実で作った酒だ」
「キャレのですか」
「弱いからお前でも大丈夫だろう」
キャレは甘くて酸味のない木の実の一つで、そのまま皮をむいて食べることが多い。他にもスイーツに使うこともあって、ゾルガーの特産品の一つ。それでお酒を?
「……甘いです。美味しい」
恐る恐る口を付けてみたら、思った以上に甘くて飲みやすかった。ワインの苦みや辛みが全然ないわ。実家のお義姉様が女性向けの甘いお酒を造っているけれど、これはそのお酒に劣らないわ。ゾルガーでこんなお酒を造っていたなんて知らなかったわ。後で詳しく話を聞いてみたい。
「たまには飲め。お前は色々我慢し過ぎる」
お酒はそんなに好きじゃないから我慢していたわけではないのだけど……それにお酒を飲むと妊娠しにくくなると聞いたから控えていたのだけど、ちゃんと見てくださっていたのね。
周りを見渡すと親しい者同士が集まっているのか幾つかの輪が出来て、ぞれぞれに楽しんでいるのが見える。ヴォルフ様に挨拶を兼ねてお酒を注ぎに来ていた人の列も終わって、今ここには私とヴォルフ様だけだわ。フレディ様はオリスと共に向こうで分家の令息たちと話し込んでいるわね。最近領地にいる時間が長いせいか親しい人が増えたみたい。若い女性も交じっているけれど分家の方かしら? 彼が女性を近づけるなんて意外だわ。
ザーラとマルガはブレンとアベルと一緒に私たちの近くで話し込んでいた。アベルはかなり酔っているのか顔が赤いわ。彼はノリがいいから調子に乗って飲み過ぎたのかもしれない。彼らはゾルガーの一門以外の出なのもあってか、ここではちょっと浮いているようにも見える。領地ではどうしても代々仕えている使用人が多いから仕方がないのだけど。
「よぉ! ヴォルフ! 飲んでるか!」
周りの様子に気を取られていたらいつの間にかヴィムがヴォルフ様に絡んでいた。さっきは向こうの輪で仲良く飲んでいたのに。彼は表向きは領邸と王都の連絡係のまとめ役で、影と知る者はほんの一部。ヴォルフ様と私、ティオくらいかしら? グレンやザーラはもちろん、兄のカール様や甥のルッツも知らないと言う。表向きは酒好きのお調子者といった感じで、とても影のまとめ役には見えない。今もただの酔っ払いにしか見えないわ。
「奥方様も全然飲んでいないじゃないか。ささ、ぐっと!」
「え? あのっ、私は……」
「こら! ヴィム! 奥様に何をしているんだ!」
私の杯にお酒を注いで飲ませようと迫って来たヴィムを止めたのはカール様だった。私に反感を持っているのかと思ったけれど律儀なのか弟が心配なのか止めに入ってきた。驚いたわ。そして凄く真面目なのね。顔は似ているけれど性格が正反対でとても兄弟には見えないわ。
「ははっ、兄貴、ここは酒の席、しかも無礼講だろうが。固いことは言いっこなしだって!」
「だからと言って奥様に絡むな! お前は緩すぎる」
「いやいや、こうでもしなきゃヴォルフも奥方様も皆の輪に入って来れないだろうが」
「当り前だ。旦那様は当主なんだぞ。我々とは同等じゃない。大体旦那様を呼び捨てとはどういう了見だ! 大体お前は普段から……」
カール様のお説教が始まってしまったわ。いつものことらしくヴィムはニヤニヤして反省する様子はない。それが一層カール様の怒りを募らせているのだけど、ヴィムはへらへらと笑って謝るだけ。絶対反省していないわよね。もしかしてわざとカール様を煽っているのかしら?
「カール、その辺にしてやれ」
二人を止めに入ったのはヴォルフ様だった。挨拶代わりにお酒を注いでいく人がかなりいたし、相当お酒を飲んでいらっしゃるのに酔っているように見えない。
「旦那様……」
「今夜は無礼講だ。固いことを言ってやるな」
「さすがヴォルフ! 懐が広い!」
「それを言うなら懐が深いだろ! 全く旦那様が寛大だからとお前は……」
何だか……仲が悪いかと思ったけれど、実際は仲がいいみたいね。でもまたカール様のお説教がまた始まってしまったわ。
「あ! ルッツ!」
「え? 馬鹿な。あいつは……」
「兄貴、またな! ヴォルフ、また後で!」
「あ! おい、待てヴィム!」
ヴィムが一瞬の隙をついて逃げていったわ。逃げ足が速い。さすがは影ね。後でって、何の用なのかしら?
「旦那様、愚弟が申し訳ございません」
カール様が深々と頭を下げた。
「気にするな。あれはよく仕えてくれている」
「旦那様……」
カール様が驚いた表情を浮かべたけれど、彼は不真面目な弟が実は影だと知らないものね。ヴィムもそんな風に見せているのでしょうけれど。
「カール、俺たちはそろそろ下がる。後は好きに楽しんでくれ」
「はっ、かしこまりました」
「イルーゼ、行くぞ」
そう言うと立ち上がって私の手を引いて立たせたわ。でもまだ宴は続いているわ。退出してしまっていいの? 皆ヴォルフ様のために集まってくれたのに。
「ヴォルフ様、ですが……」
「宴会は領民にとって大事な娯楽だ。俺たちがいるとあいつらも羽目を外せない」
それがここのルールなのね。確かに上司がいたら気を抜けないわね。
「今日は疲れただろう。湯あみの準備をしてある。ゆっくり浸かってこい」
「ありがとうございます」
嬉しいわ、ここでもお湯に浸かれるなんて。ずっと馬車に乗っていたから身体のあちこちが凝り固まっている感じが抜けないのよね。
「夫婦の寝室で待っている」
「あ、はい」
「急がなくていい。俺もゆっくりしてくる」
「わかりましたわ」
さすがのヴォルフ様もお疲れよね。私室に入るともうザーラとマルガが待っていたわ。さっきまで宴席にいたのにいつの間に? でも嬉しいわ、彼女たち以外の人に世話をされるのは慣れないから。
お湯から上がるとザーラがお茶を淹れてくれて、マルガに髪を拭いて貰いながらゆっくり味わった。お酒の酔いも大体醒めたわ。みんなが私にもお酒を注ぎに来たけれど、ヴォルフ様が子がいるかもしれないと止めて下さった。子どものことは火急の問題だからそれを無視して進めてくる人はいなかったけれど……本当にいつになったら来てくれるのかしら? ダメだった時のショックが大きくなるから期待しないようにしているけれど……やっぱり来て欲しいと思う気持ちは止められない。
髪が渇いたので夫婦の寝室に向かった。さっきちらっと部屋を見たけれど、王都のそれとは違ってここも質素で頑強といった感じだわ。もっとも王都の夫婦の寝室はほとんど使っていないし、ヴォルフ様の寝室に比べたら華やかではあるのだけど。
「お待たせしました」
部屋に入るとヴォルフ様はソファに腰かけてお酒を召し上がっていたわ。テーブルには簡単に食べられそうな食事も載っていた。
「食べるか?」
「え、ええ」
宴会場では見慣れない食べ物が多くてあまり食べられなかったわ。それにあれから少し時間も経っているし。ここにあるのは王都でもよく食べていたものばかり。気を使って下さったのかしら?
「飲むか?」
目の前に置かれたのはさっきと同じ薄茶の飲み物だった。お酒ね。湯あみですっかり酔いは醒めたから少しくらいはいいかしら?
「楽しめたか?」
「ええ。思った以上に皆さん気さくで。それに珍しい食べ物も多くて新鮮でした」
「そうか」
それからは領地に来て感じたことを私が話し、ヴォルフ様がそれに相槌を打つといういつもの流れになった。実家のこともあるし子もまだだから受け入れてもらえるかと不安だったけれど、思ったほどの抵抗は感じなかったわ。ヴォルフ様が最初に宣言されたせいかしら。今は大仕事を一つ片づけた気分。後はお子が来てくれたら申し分ないのだけど……こればっかりは授かりものだからどうしようもないわね。
視界が暗くなって顔を上げるとヴォルフ様の顔が直ぐ側にあった。えっと……
「今夜だ」
その一言で察した。そう、今夜……必要なことだとわかっているけれど落胆は防ぎようがなかった。ヴィムがヴォルフ様に暗示を。
「必要性は理解していますわ」
「すまん」
「謝らないでください。私たちが生き延びるために必要なのですから」
一瞬の隙が取り返しのつかないことになるわ。だから止めたりしない。ひ孫が生まれるまで生きるため、後継が育つまでだもの。
「どうかお心のままに」
僅かに皺を刻んだお顔も素敵だわ。ちゃんと理解していると、だから気に病まないで欲しいとの想いを込めてヴォルフ様の唇に自分のそれを重ねた。
「この酒は甘い。お前でも飲みやすいだろう」
そう言って渡されたのは淡い茶の液体が入ったグラスだった。ふっと甘い香りがするわ。これは……果実の香りかしら?
「キャレの実で作った酒だ」
「キャレのですか」
「弱いからお前でも大丈夫だろう」
キャレは甘くて酸味のない木の実の一つで、そのまま皮をむいて食べることが多い。他にもスイーツに使うこともあって、ゾルガーの特産品の一つ。それでお酒を?
「……甘いです。美味しい」
恐る恐る口を付けてみたら、思った以上に甘くて飲みやすかった。ワインの苦みや辛みが全然ないわ。実家のお義姉様が女性向けの甘いお酒を造っているけれど、これはそのお酒に劣らないわ。ゾルガーでこんなお酒を造っていたなんて知らなかったわ。後で詳しく話を聞いてみたい。
「たまには飲め。お前は色々我慢し過ぎる」
お酒はそんなに好きじゃないから我慢していたわけではないのだけど……それにお酒を飲むと妊娠しにくくなると聞いたから控えていたのだけど、ちゃんと見てくださっていたのね。
周りを見渡すと親しい者同士が集まっているのか幾つかの輪が出来て、ぞれぞれに楽しんでいるのが見える。ヴォルフ様に挨拶を兼ねてお酒を注ぎに来ていた人の列も終わって、今ここには私とヴォルフ様だけだわ。フレディ様はオリスと共に向こうで分家の令息たちと話し込んでいるわね。最近領地にいる時間が長いせいか親しい人が増えたみたい。若い女性も交じっているけれど分家の方かしら? 彼が女性を近づけるなんて意外だわ。
ザーラとマルガはブレンとアベルと一緒に私たちの近くで話し込んでいた。アベルはかなり酔っているのか顔が赤いわ。彼はノリがいいから調子に乗って飲み過ぎたのかもしれない。彼らはゾルガーの一門以外の出なのもあってか、ここではちょっと浮いているようにも見える。領地ではどうしても代々仕えている使用人が多いから仕方がないのだけど。
「よぉ! ヴォルフ! 飲んでるか!」
周りの様子に気を取られていたらいつの間にかヴィムがヴォルフ様に絡んでいた。さっきは向こうの輪で仲良く飲んでいたのに。彼は表向きは領邸と王都の連絡係のまとめ役で、影と知る者はほんの一部。ヴォルフ様と私、ティオくらいかしら? グレンやザーラはもちろん、兄のカール様や甥のルッツも知らないと言う。表向きは酒好きのお調子者といった感じで、とても影のまとめ役には見えない。今もただの酔っ払いにしか見えないわ。
「奥方様も全然飲んでいないじゃないか。ささ、ぐっと!」
「え? あのっ、私は……」
「こら! ヴィム! 奥様に何をしているんだ!」
私の杯にお酒を注いで飲ませようと迫って来たヴィムを止めたのはカール様だった。私に反感を持っているのかと思ったけれど律儀なのか弟が心配なのか止めに入ってきた。驚いたわ。そして凄く真面目なのね。顔は似ているけれど性格が正反対でとても兄弟には見えないわ。
「ははっ、兄貴、ここは酒の席、しかも無礼講だろうが。固いことは言いっこなしだって!」
「だからと言って奥様に絡むな! お前は緩すぎる」
「いやいや、こうでもしなきゃヴォルフも奥方様も皆の輪に入って来れないだろうが」
「当り前だ。旦那様は当主なんだぞ。我々とは同等じゃない。大体旦那様を呼び捨てとはどういう了見だ! 大体お前は普段から……」
カール様のお説教が始まってしまったわ。いつものことらしくヴィムはニヤニヤして反省する様子はない。それが一層カール様の怒りを募らせているのだけど、ヴィムはへらへらと笑って謝るだけ。絶対反省していないわよね。もしかしてわざとカール様を煽っているのかしら?
「カール、その辺にしてやれ」
二人を止めに入ったのはヴォルフ様だった。挨拶代わりにお酒を注いでいく人がかなりいたし、相当お酒を飲んでいらっしゃるのに酔っているように見えない。
「旦那様……」
「今夜は無礼講だ。固いことを言ってやるな」
「さすがヴォルフ! 懐が広い!」
「それを言うなら懐が深いだろ! 全く旦那様が寛大だからとお前は……」
何だか……仲が悪いかと思ったけれど、実際は仲がいいみたいね。でもまたカール様のお説教がまた始まってしまったわ。
「あ! ルッツ!」
「え? 馬鹿な。あいつは……」
「兄貴、またな! ヴォルフ、また後で!」
「あ! おい、待てヴィム!」
ヴィムが一瞬の隙をついて逃げていったわ。逃げ足が速い。さすがは影ね。後でって、何の用なのかしら?
「旦那様、愚弟が申し訳ございません」
カール様が深々と頭を下げた。
「気にするな。あれはよく仕えてくれている」
「旦那様……」
カール様が驚いた表情を浮かべたけれど、彼は不真面目な弟が実は影だと知らないものね。ヴィムもそんな風に見せているのでしょうけれど。
「カール、俺たちはそろそろ下がる。後は好きに楽しんでくれ」
「はっ、かしこまりました」
「イルーゼ、行くぞ」
そう言うと立ち上がって私の手を引いて立たせたわ。でもまだ宴は続いているわ。退出してしまっていいの? 皆ヴォルフ様のために集まってくれたのに。
「ヴォルフ様、ですが……」
「宴会は領民にとって大事な娯楽だ。俺たちがいるとあいつらも羽目を外せない」
それがここのルールなのね。確かに上司がいたら気を抜けないわね。
「今日は疲れただろう。湯あみの準備をしてある。ゆっくり浸かってこい」
「ありがとうございます」
嬉しいわ、ここでもお湯に浸かれるなんて。ずっと馬車に乗っていたから身体のあちこちが凝り固まっている感じが抜けないのよね。
「夫婦の寝室で待っている」
「あ、はい」
「急がなくていい。俺もゆっくりしてくる」
「わかりましたわ」
さすがのヴォルフ様もお疲れよね。私室に入るともうザーラとマルガが待っていたわ。さっきまで宴席にいたのにいつの間に? でも嬉しいわ、彼女たち以外の人に世話をされるのは慣れないから。
お湯から上がるとザーラがお茶を淹れてくれて、マルガに髪を拭いて貰いながらゆっくり味わった。お酒の酔いも大体醒めたわ。みんなが私にもお酒を注ぎに来たけれど、ヴォルフ様が子がいるかもしれないと止めて下さった。子どものことは火急の問題だからそれを無視して進めてくる人はいなかったけれど……本当にいつになったら来てくれるのかしら? ダメだった時のショックが大きくなるから期待しないようにしているけれど……やっぱり来て欲しいと思う気持ちは止められない。
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「お待たせしました」
部屋に入るとヴォルフ様はソファに腰かけてお酒を召し上がっていたわ。テーブルには簡単に食べられそうな食事も載っていた。
「食べるか?」
「え、ええ」
宴会場では見慣れない食べ物が多くてあまり食べられなかったわ。それにあれから少し時間も経っているし。ここにあるのは王都でもよく食べていたものばかり。気を使って下さったのかしら?
「飲むか?」
目の前に置かれたのはさっきと同じ薄茶の飲み物だった。お酒ね。湯あみですっかり酔いは醒めたから少しくらいはいいかしら?
「楽しめたか?」
「ええ。思った以上に皆さん気さくで。それに珍しい食べ物も多くて新鮮でした」
「そうか」
それからは領地に来て感じたことを私が話し、ヴォルフ様がそれに相槌を打つといういつもの流れになった。実家のこともあるし子もまだだから受け入れてもらえるかと不安だったけれど、思ったほどの抵抗は感じなかったわ。ヴォルフ様が最初に宣言されたせいかしら。今は大仕事を一つ片づけた気分。後はお子が来てくれたら申し分ないのだけど……こればっかりは授かりものだからどうしようもないわね。
視界が暗くなって顔を上げるとヴォルフ様の顔が直ぐ側にあった。えっと……
「今夜だ」
その一言で察した。そう、今夜……必要なことだとわかっているけれど落胆は防ぎようがなかった。ヴィムがヴォルフ様に暗示を。
「必要性は理解していますわ」
「すまん」
「謝らないでください。私たちが生き延びるために必要なのですから」
一瞬の隙が取り返しのつかないことになるわ。だから止めたりしない。ひ孫が生まれるまで生きるため、後継が育つまでだもの。
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