【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

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エルネスト様のパートナーは…

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 大好きな方と参加する舞踏会。私はリシャール様の色を纏い、リシャール様のエスコートで会場入りしました。何という幸福でしょうか…気を付けないと顔がにやけてしまって困りますわ…
 舞踏会は「翠星の間」と呼ばれる一番大きなホールで催されます。煌めくシャンデリアに鏡のように磨き上げられた大理石の床を持つその間は、大規模な国事や他国の王族を招いての夜会や舞踏会にも使われる、王宮の中で最も豪華絢爛な場所でもあります。

「これは…想像以上に圧巻ですね」

 会場に足を踏み入れると、リシャール様が緊張した面持ちでそう呟きました。確かにこのホール、目が痛くなるほどに煌びやかな上、今日は一大イベントでもあるので一層飾り付けが華やかになっています。

「リシャール様は初めてですか」
「はい、噂には聞いていましたが…素晴らしい。圧倒されますね」

 そうは仰っても、リシャール様の目には強い光があって、場に呑まれたという事はなさそうです。むしろ挑発的な色すら見える気がしますわ。でも、リシャール様なら問題ないと私は確信しています。だって所作も教養も、その辺のご子息に負けていませんもの。
 我が家は筆頭侯爵家なので入場は終わりの方でした。それでもまだ公爵家の方々が残っているので、お父様達と一緒に彼らの入場を待ちました。

「まぁ、あれはラフォン侯爵家の…」
「ええ、随分と雰囲気がお変わりになって…」
「隣にいるのが例の?」
「見た感じ、随分と親密そうに見えますが…」

 リシャール様と今日の舞踏会の流れや会場の話をしていると、周りの貴族たちが私達を見てひそひそ話をしているのが聞こえました。まぁ、こうなるのはいつもの事なので想定内です。しかも今回は婚約破棄した後、始めて出席する舞踏会です。今までは婚約破棄を理由に欠席していましたし、しかも婚約してから初めての公の場ですので、皆様も気になって仕方ないのでしょう。
 どうやら婚約破棄された私が自棄になって下位貴族に求婚したとも、王家からの罰として下位貴族との婚約を命じられたとも噂されているようですが、私がリシャール様の色を纏っている上、両親も一緒に仲良く出席しているので戸惑っていらっしゃるようですわね。中にはリシャール様を見て頬を染めている女性もいますが…これは気を付けないといけませんわね。
 別の方に視線を向けると、この前のお茶会に参加していたご令嬢達がいました。キラキラした目を向けられましたが、機会があればご挨拶だけでも出来るといいですわね。

「ああ、そろそろ王家の皆様の入場ですわ」
「そのようですね」

 貴族たちの入場が終わると、次は王族の方々のご入場です。王家の侍従長が高らかに王族の入場を宣言しました。これまでは私もエルネスト様の婚約者としてそちらの列に加わっていましたが、その重責から解放されてとても気分がいいですわ。
 そう言えば…今日のエルネスト様のパートナーはどなたでしょうか。婚約していない相手をパートナーにする事は今までなかった筈です。お二人の婚約はアネット様の王子妃教育の終了が条件でしたし、それはあまり進んでいないとも聞きます。となれば今日はどうなっているのでしょう…
 そんな私の疑問は直ぐに解消されました。王族の最後に登場したエルネスト様の隣にいたのは…

(ア、アネット様…?)

 エルネスト様にエスコートされていたのはアネット様でしたが…その姿に会場内にいた皆様も唖然と見上げるばかりで、会場が一瞬シン…と静まり返りました。


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