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第一章 

1-13 成長とお披露目?

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 湖に行った翌日から、お母さんとの約束で、お父さんの前では極力魔法を使わない様にした。

お父さんはお母さんにビンタされてから、私が魔法を使った事を忘れたフリをしてくれていたからだ。

そのため、下手に使っているのが分かると、後々面倒だと判断したお母さんの指示を私はひたすら守ったのだった。

移動の際は、お母さんが誤魔化してくれたり、背負って移動してくれたりした。

そんな日々をいつくも過ごして来た。

行動範囲も住処の岩場を中心に、湖のある山、木の実が沢山みのる木が生息している森、小さな生き物が生活している草原など。

少しずつ私達の成長に合わせて広がっていった。

今まで何匹か子育てして来た両親でも、今回の子育ては想像以上に大変そうだった。

お父さん達が見た目より高齢って言うのもあるのだが、私達の成長スピードが思っているより速かったそうだ。

特に、私は見た目は変わらないが魔力量やパワー、身体能力等が兄弟の中でも群を抜いてずば抜けていたのだった。

その為、些細な行動でもとんでもない事態を招くため、両親揃って私に力加減の仕方を念入りに教え込んだのだった。

なんせ、尻尾を軽く振っただけで鎌鼬が起きたり、岩が粉々に砕けたり。

足踏みすれば、軽い地震や地鳴りが起こり、転けたら地面にヒビが入ったりなど、色々あったのだ。

(私は至って普通にしているのにね...。どっちかと言うとお母さんの方が...やめておこう。お父さんみたくなりたくない!)

その事もあるのか、移動する場所が広がる度に、お父さんとお母さんは周りをかなり警戒していたのだった。


 ある日ことだ。のんびり住処でお母さんと戯れていたら、お父さんからある話が上がった。

"近々長老達に子供達を合わせようかと思う。"

お父さんの言葉にお母さんは落ち着いた声で答えた。

"今回は早いのね"

お母さんの返事にお父さんは苦笑いをした。

私達は何のことか分からず、キョトンとしていた。

すると、お母さんが私達に教えてくれたのだ。

"子供が産まれて、ある程度したら私達ドラゴン族の長老に産まれた子供を見せる習わしがあるのよ。
 それは、自分達の子供のお披露目の意味もあるけど、大事な儀式もあるのよ。
それはね、長老による"加護渡しの儀"て言うものよ。
その年に産まれた子供達に"加護"を授けてくれるのよ。それは、子供の成長も大きく左右される事でもあるのよ。"

お母さんの言う事は少し難しく理解ができなかった。

するとお父さんが簡単に説明してくれた。

"まぁ~要するに、元気に生まれたよってアピールするんだ。"

お父さんの説明にお母さんは呆れていた。

私とお兄ちゃんは、なるほどって感心した。

"いつあうの?"

私はお父さんに効くと、お父さんはニコって笑った。

"今度、話し合いがある。その時に確認する。"

お父さんの言葉に、私達はなんだか楽しみになってきた。

家族以外のドラゴンと会うのもそうだけど、行動範囲が増えるため自分がまだ見たことのない、この世界の姿を知る事ができる気がしたからだ。

しかし、この時私も含め家族皆んなが、長老との面談で今後の生活が大きく変わる事になるとは思っていなかった。

ただその時は、楽しみでしかなく気持ちが浮き足立っていたのだった。

長老がどんなドラゴンなのか、兄弟で戯れ合いながら話している姿をお父さんとお母さんは、2人仲良く寄り添って見ていたのだ。





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