ドラゴンなのに飛べません!〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

藤*鳳

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第一章 

1-36 困った事が...

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 すったもんだがあったが、どうにか落ち着く所に落ち着いた?感じにはなった気がする...。

そうそう、落ち着いた...(はず)

怒り狂ったお母さんに、殺されかけた長老は、自分の命の危機をかなり感じて、その場で、ドラゴン族全員にある指示を出した。

《我が家(ランスロード一家)、特に子供のドラゴン(スノー)に関しては、必要以上に干渉不要!!
ワシ(長老)の記憶によれば、スノーはドラゴン族の長老にのみ語り継がれる、伝説級のドラゴンとなりうる存在。
能力値も未知数。どの様に成長するかも未知数。
ただ...現状では、ワシ(長老)を超える能力値が確定した。
その為、保護者と長老以外は口出し不要!!
珍しいドラゴンの為、他種族に命が狙われる危険性の高いので、情報を見聞きしたら直ぐに長老まで連絡を!!
 破れば、命がないと思え!!》

と言う内容の伝達が、一気に広がったのだった。

急な伝達に、腑に落ちない者が現れ、苦情が来るのでは?
と、思いもしたが...。

この内容と並行して、お母さんの長老への"例の"行動が、どこからか漏れていた様で、誰も異議を唱えるものがいなかった。

皆んな、我が身が大事なのだろう...。

(お父さん曰く、お母さんに勝てるドラゴンがいないのかも...)

...。それは...否定できない...。

この一件も加わり、ますます我が家は有名となった。

特に、私(スノー)に何かをすれば、"悪魔の一撃"をくらうことになるや、"天に召される"などと大袈裟な話が広まっていったため、最悪なことに、友達ができなくなった。

同い年のドラゴンを見つけて声をかけようものなら、祖が出てきてどこかへ連れて行く...。

なら、まだ我慢できた。

それよりか、私の姿を見ると泣いて逃げ出す子もいたぐらいだった...。

さすがに凹んだね...。

今までは、明るくおてんばだった私が、今や静かに、住処の奥で1人で居る事が増えて来た。

さすがに、その状況に責任を感じたのか、長老とお母さん、親戚の大人達が周りへ正しい情報を伝えて行ったが、効果は薄かった...。

"スノー大丈夫か?"

いつもは意地悪ばかりする兄達も、私の置かれた状況を感じ取ってか、最近はかなり優しくなった。

それどころか、今の私には、兄弟しか遊び相手がいない状況だったのだ。

兄や弟には、沢山の友達が居るのに...。

同じ兄弟なのに...。

私は特に何も悪い事していないのに...。

あの一件以来、私は涙する日々が続いた。

 ある日、落ち込む私の姿を見かねて、お母さんが私をある場所へと連れて行ってくれた。

もちろんその場所に行くのは、私のお母さんのみ。

"スノーごめんなさいね。まさかこんな事になるとは...お母さんも思わなかったの...。"

何度目かわからない、お母さんからの謝罪。

私は別にお母さんに怒ってるわけではなかった。

まぁ~、最初の頃はお母さんのせいだと思っていたが、一生懸命に周りに誤解を解いて回る姿を見ているので、今はぜんぜん...。

逆に、それでも納得しない周りのドラゴンの方が...。

私が、彼らに不信感を抱かすモノがあるから...未だにこんな事になっているのだろう...。

そうなると一つしかない。

自分が、あまりにも規格外な存在である事。

そして、何より前世の記憶を断片的でも、持って産まれたことに何かあるのだろうと...。

しかし、上手い対策やアイデアが出てこなかった...。

お母さんは、返事がなく凹んでいる私の気配を感じて、落ち込みつつも目的地まで、ひたすら飛んでいた。


 どれくらい経っただろうか。

ふと、お母さんの飛ぶ速度が落ちて来た。

落ち込んでいた私は、周りを見渡すと...?!

なんと、そこには人間の住む家が!!!

"えっ?!!ここ、どこ?"

思わず私がそう呟くと、お母さんが微笑み返事をしてくれた。

"ここわね、お母さんとお父さんの友達が住んでるところよ。
特別に、スノーに合わせてあげるわ。"

そう言って、お母さんは広い草原の中にポツンと建っている家の前に降り立ったのだった。



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