ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第一章

1-45 友との再会と、軽めの引っ越しの挨拶？！

　数日かけて、荷馬車を走らせると、ようやく目的地が見えて来た。

お母さんに連れられて来た時は、そこまで遠いと感じなかったが、こうやって人間の手順で移動するとかなりの距離の所に彼らは住んでいるのだった。

私達の気配を察知してか、懐かしい彼らの姿が家から出てきた。

彼らが近くまで来ると、お父さんは馬車を止めた。

「おい？！お前達その姿？！それに、えっ？？それお前達の子供か？
おっ？！一丁前に目眩しの魔法かけてやがるなぁ～。
　しっかし、珍しい事もあるんだなぁ～。なんでまた人の姿で、馬車なんぞ使って来たんだ？」

なんでもお見通しの様に喋る年配の男性。

その横には、彼の息子夫婦と孫もいた。

"久しぶりだな。相変わらず元気そうだなぁー。
おっ！お前の小倅偉くデカくなったなぁ～。
一丁前に嫁と子供も...。
互いに歳をとるはずだなぁ～。"

お父さんは呑気そうに答える。

そして、2人は挨拶の様に拳を交わした。

「だろう？と言っても、お前さん達の方が俺よりかなり歳はくってるだろう？
　で、わざわざ子供達に目眩しの魔法をかけてまで来たのはなんだ？」

口元は笑っているが、目は笑っておらず真剣な眼差しで、お父さんに質問する。

お父さんは、やれやれと言った表情を浮かべながら返事をしようとしたが、先に私が答えた。

"お引越しなの。"

思わぬ相手からの、思わぬ返答に一同目が点状態に。

しかも、男性はスットンキョンな声をあげるします。

「はへっ？」

すると、それを皮切りに兄弟達が変わるがわる話出した。

"そうだぜ！引越しだ"

"妹の為に、こちらへ引っ越して来ました。"

"あのう...よろしくお願いします"

子供達に先を越された両親は、微笑しながらちゃんと説明をした。

"子供達が失礼を。でも、引っ越しは本当よ。
長老とも話し合って、この子の...子供達の今後の事を考えた上での結論で、貴方達の側で生活をする方が良いかと思って。"

"何より、君達の側にいる方が娘が元気なものでね。子供の事を考えると...な。
お前も親なら分かるだろう。
そういう事だ。
あー、別にお前の家にいそうろうする気はない。
　近場に家を建てて住むから、心配はいらんさ。
ここに居る間は私達は人間として生活をする予定だから..."

"そう。あくまでも予定ね...。
なにせ、この子達は何をしでかすか、親の私達ですらわからないもの。"

そう和かに話す両親と裏腹に、彼らは驚き通しだった。

驚き過ぎて声も出せずに口をパクパクさせていた。

"取り敢えず、お前さん達の家の裏手側にある森の中に家を構えさせてもらうぞ。
　私達は、家を作らないといけないから先を急ぐ。
また、改めて挨拶に伺うからな。"

そうお父さんは言うと、彼らの返事を待たずに馬車を走らせたのだった。