ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第三章

3-45 まずは自己紹介から

　ようやく建物から出てきてナチョマの課題という名の試練を受けることを承諾したローダンは、まずナチョマに慣れることからスタートとなるので自己紹介から始めた。

本来ならそんなことはしないが、ローダンがかなりの人見知りであると判断したナチョマが今のローダンに合わせたものにしないといけないと判断したからだ。

《では...まずは自己紹介からスタートしようか？》

『えっ？』

ナチョマの言葉に驚くローダン。
そんなローダンに本当に優しく接するナチョマ。

まるで幼い子供を育てる父親になった気分だと心の中で呟くナチョマ。
彼自身独身なので子育て経験はないが、きっと父親になったらこんな思いをするのだろうなぁーと想像したらしい。

《まずはお互いのことを知らないと不安だろう？だから自己紹介からスタートだ。》

『で、でも...。』

《大丈夫。これも課題(試練)の一つだから。君の兄弟達はどんなことをしているかは私も実際は知らないんだ。
　あくまでもそれぞれに合わせた内容で行っているからね。
　だから、これはローダン。君の課題(試練)だからね。君に合わせたものでやらないと意味がない。》

ナチョマがそう説明するとローダンは納得したのだろう。
震えながらも頷く。
そして...

『ほ、僕はローダン。四兄弟のす、末っ子。ブルーム兄さんみたいにリーダーシップはないし、筋肉もなくて...ラース兄さんみたいに賢くなくて...スノー姉さんみたいに強くないけど...魔法は兄弟の中で得意です。
　と、特に結界魔法は...。
あ、あと...辛いものは苦手...苦いのも...。酸っぱいものと、甘いものが好き。
スノー姉さんが作ってくれるパンケーキが一番好き。
あ、あとこ、攻撃魔法はに、苦手...。
は、走るのも...。で、でもかくれんぼはと、得意です。』

ローダンはポツリポツリとゆっくりと自ら自己紹介をしだした。

これにはナチョマはかなり驚いたが...ローダン自らしてくれた事がとても嬉しくて、満面の笑みを浮かべてローダンの自己紹介を最後まで聞いたのだ。

ローダンの自己紹介が終わると今度はナチョマがローダンに自分の自己紹介を始めた。

《私は魔法の神と言われているものだ。本当は、魔力の神の方が正解なんだが...どっちでもいい。魔法も魔力も私の管轄だからね。
　ちなみに名前はナチョマ。年は...数えるのをやめたから分からない。でも、君よりかはかなり年上である事は間違いないね。
ちなみに独身で彼女なし。募集中だ。
兄弟は兄が一人と妹が三人いる。兄は火の神の一人で、妹達は花の神だ。
兄弟でも属性が違うから役職も変わってくるんだ。面白いだろう？
　私も辛いのや苦いのは苦手だね。あと、酸っぱいのも。でも甘いものは大好きだよ。
それは君と似ているね。》

そう話すナチョマにローダンは初めてぎこちないが笑みを見せたのだった。