ドラゴンなのに飛べません!〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

藤*鳳

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第四章

4-156 ギルマスを連れて森のダンジョンの再調査〜昆虫類エリア⑦〜

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 皆が集まったので、休息をかねての食事をとることにした。

食事の間もテンション高く話をするギルマスに楽しそうに相槌をうつブルーム兄さんとローダン。

どうやらこのエリアでこの三人はかなり気が合うみたいだ。

そんな三人を見つめながらラース兄さんがボソッと呟く。

『今晩もギルマスの相手はあの二人に任せたままでいいんじゃないか?』

そう呟きたい気持ちは分からなくもないが...あの二人に任せていると碌なことにならない予感がひしひしと伝わってきたので、私は首を横に振りラース兄さんの言葉に意見する。

『兄さん...その気持ちは分かるけど、今回はギルマスも一緒なのよ?爬虫類系エリアでのギルマスとならあの二人と一緒に任せてても暴走する事はないだろうけど、ここでは無理よ。
 どう見てもいや予感しかしないわ。全員で対応は流石に今後の日程を考えるとかなりきついから、せめて交代で対応とれるようにしてないと...。』

私がそう言うとフレアも同じ事を考えていたのだろう、静かに頷く。

私とフレアの反応を見てゲンナリとした表情になるラース兄さん。
その気持ちは分かる。本当に痛いほど分かる!
だけど、ここで妥協するとかなり苦労するのは目に見えているので、踏ん張るしかなかった。

『ラース兄さん。とりあえず、今日の夜は私とキュリッチで対応するから、兄さんとフレアは休んでて。』

私のこの言葉にラース兄さんとフレアはかなり驚いた表情をして、大丈夫なのか?と尋ねてくるが、私は大丈夫だと頷く。

『私なら少々徹夜が続いてもどうにかなるし、キュリッチもいるから魔物達もそうそう突っかかってきたりはしないだろうしね。問題はどのように三人が暴走するかだから...。』

私の言葉に納得するふたり。しかし、まだ何か思う事があるのだろう。
何かを言おうとした時...

『大丈夫!ここは私の庭ですよ?ある程度のことは迅速に対応していきますよ。問題はあの状態の御三方に我々がどこまでついていけるかです。ボスに会う前に我々が疲れきっていてしまってはここでの滞在期間が無駄に伸びるだけですからね。それは...流石に避けないと、まだまだ序盤の序盤ですよ?奥まで行くのに日数をどれだけかけるの??ってかんじですよ。』

キュリッチの言葉に腹を括ったのだろう、ラース兄さんの表情が落ち着きを取り戻した。

『じゃー今晩、私はテントに遮音結界を張って寝るから。』

『いいわよ。まかせて。フレアもそうして寝るといいわ。後は私達に任せて。』

ラース兄さんと私の言葉を聞いてフレアは大きくため息をついた後、しっかり頷くのだった。

私達がそんな会話をしていると、例の三人は夜の虫について熱く語っていた。

「お前ら知ってるか?夜にしか活動しない虫がいっていうことを!」

得意げに話すギルマスに対して、ブルーム兄さんとローダンはニヤニヤした表情でいる。

ふたりの反応にいまいち面白くないのだろう、少しムスッとするギルマスにブルーム兄さんが自信満々に返事をする。

『何言ってんだ?そんなの知ってるさ!なんせ、俺たち前にも一度ここで過ごしてるからな!』

その言葉にローダンも自慢げに頷くとギルマスは本当に悔しそうな表情を浮かべる。

本当にここでのこの三人は幼稚だなぁーと思い静かに状況を見る私達。

ギルマスはよほどブルーム兄さんとローダンが夜の虫について知っているのが悔しかったのだろう、さらに話を掘り下げていく。

「ふっん!なら、その虫達にどんな特性があって、どんな種類があって、どんな名前か知ってるのか?知らないだろう!」

そう話すギルマスの言葉に、ブルーム兄さんもローダンも若干の焦りを見せ出す。

確かに前回夜もここで過ごしたことがあるので、夜に活動する虫がいることは知っているが、そこまで詳しく案内人から聞いてもないし、虫取りをしようとするふたりを必死に抑えるので精一杯だった事を思いだす。

ふたりも初めて見る虫に興奮して暴れるのを私とフレアに必死に抑えられていた事を思い出したのだろう...チラッと私達の方を見つめ出したのだった。
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