607 / 664
第四章
4-156 ギルマスを連れて森のダンジョンの再調査〜昆虫類エリア⑦〜
しおりを挟む
皆が集まったので、休息をかねての食事をとることにした。
食事の間もテンション高く話をするギルマスに楽しそうに相槌をうつブルーム兄さんとローダン。
どうやらこのエリアでこの三人はかなり気が合うみたいだ。
そんな三人を見つめながらラース兄さんがボソッと呟く。
『今晩もギルマスの相手はあの二人に任せたままでいいんじゃないか?』
そう呟きたい気持ちは分からなくもないが...あの二人に任せていると碌なことにならない予感がひしひしと伝わってきたので、私は首を横に振りラース兄さんの言葉に意見する。
『兄さん...その気持ちは分かるけど、今回はギルマスも一緒なのよ?爬虫類系エリアでのギルマスとならあの二人と一緒に任せてても暴走する事はないだろうけど、ここでは無理よ。
どう見てもいや予感しかしないわ。全員で対応は流石に今後の日程を考えるとかなりきついから、せめて交代で対応とれるようにしてないと...。』
私がそう言うとフレアも同じ事を考えていたのだろう、静かに頷く。
私とフレアの反応を見てゲンナリとした表情になるラース兄さん。
その気持ちは分かる。本当に痛いほど分かる!
だけど、ここで妥協するとかなり苦労するのは目に見えているので、踏ん張るしかなかった。
『ラース兄さん。とりあえず、今日の夜は私とキュリッチで対応するから、兄さんとフレアは休んでて。』
私のこの言葉にラース兄さんとフレアはかなり驚いた表情をして、大丈夫なのか?と尋ねてくるが、私は大丈夫だと頷く。
『私なら少々徹夜が続いてもどうにかなるし、キュリッチもいるから魔物達もそうそう突っかかってきたりはしないだろうしね。問題はどのように三人が暴走するかだから...。』
私の言葉に納得するふたり。しかし、まだ何か思う事があるのだろう。
何かを言おうとした時...
『大丈夫!ここは私の庭ですよ?ある程度のことは迅速に対応していきますよ。問題はあの状態の御三方に我々がどこまでついていけるかです。ボスに会う前に我々が疲れきっていてしまってはここでの滞在期間が無駄に伸びるだけですからね。それは...流石に避けないと、まだまだ序盤の序盤ですよ?奥まで行くのに日数をどれだけかけるの??ってかんじですよ。』
キュリッチの言葉に腹を括ったのだろう、ラース兄さんの表情が落ち着きを取り戻した。
『じゃー今晩、私はテントに遮音結界を張って寝るから。』
『いいわよ。まかせて。フレアもそうして寝るといいわ。後は私達に任せて。』
ラース兄さんと私の言葉を聞いてフレアは大きくため息をついた後、しっかり頷くのだった。
私達がそんな会話をしていると、例の三人は夜の虫について熱く語っていた。
「お前ら知ってるか?夜にしか活動しない虫がいっていうことを!」
得意げに話すギルマスに対して、ブルーム兄さんとローダンはニヤニヤした表情でいる。
ふたりの反応にいまいち面白くないのだろう、少しムスッとするギルマスにブルーム兄さんが自信満々に返事をする。
『何言ってんだ?そんなの知ってるさ!なんせ、俺たち前にも一度ここで過ごしてるからな!』
その言葉にローダンも自慢げに頷くとギルマスは本当に悔しそうな表情を浮かべる。
本当にここでのこの三人は幼稚だなぁーと思い静かに状況を見る私達。
ギルマスはよほどブルーム兄さんとローダンが夜の虫について知っているのが悔しかったのだろう、さらに話を掘り下げていく。
「ふっん!なら、その虫達にどんな特性があって、どんな種類があって、どんな名前か知ってるのか?知らないだろう!」
そう話すギルマスの言葉に、ブルーム兄さんもローダンも若干の焦りを見せ出す。
確かに前回夜もここで過ごしたことがあるので、夜に活動する虫がいることは知っているが、そこまで詳しく案内人から聞いてもないし、虫取りをしようとするふたりを必死に抑えるので精一杯だった事を思いだす。
ふたりも初めて見る虫に興奮して暴れるのを私とフレアに必死に抑えられていた事を思い出したのだろう...チラッと私達の方を見つめ出したのだった。
食事の間もテンション高く話をするギルマスに楽しそうに相槌をうつブルーム兄さんとローダン。
どうやらこのエリアでこの三人はかなり気が合うみたいだ。
そんな三人を見つめながらラース兄さんがボソッと呟く。
『今晩もギルマスの相手はあの二人に任せたままでいいんじゃないか?』
そう呟きたい気持ちは分からなくもないが...あの二人に任せていると碌なことにならない予感がひしひしと伝わってきたので、私は首を横に振りラース兄さんの言葉に意見する。
『兄さん...その気持ちは分かるけど、今回はギルマスも一緒なのよ?爬虫類系エリアでのギルマスとならあの二人と一緒に任せてても暴走する事はないだろうけど、ここでは無理よ。
どう見てもいや予感しかしないわ。全員で対応は流石に今後の日程を考えるとかなりきついから、せめて交代で対応とれるようにしてないと...。』
私がそう言うとフレアも同じ事を考えていたのだろう、静かに頷く。
私とフレアの反応を見てゲンナリとした表情になるラース兄さん。
その気持ちは分かる。本当に痛いほど分かる!
だけど、ここで妥協するとかなり苦労するのは目に見えているので、踏ん張るしかなかった。
『ラース兄さん。とりあえず、今日の夜は私とキュリッチで対応するから、兄さんとフレアは休んでて。』
私のこの言葉にラース兄さんとフレアはかなり驚いた表情をして、大丈夫なのか?と尋ねてくるが、私は大丈夫だと頷く。
『私なら少々徹夜が続いてもどうにかなるし、キュリッチもいるから魔物達もそうそう突っかかってきたりはしないだろうしね。問題はどのように三人が暴走するかだから...。』
私の言葉に納得するふたり。しかし、まだ何か思う事があるのだろう。
何かを言おうとした時...
『大丈夫!ここは私の庭ですよ?ある程度のことは迅速に対応していきますよ。問題はあの状態の御三方に我々がどこまでついていけるかです。ボスに会う前に我々が疲れきっていてしまってはここでの滞在期間が無駄に伸びるだけですからね。それは...流石に避けないと、まだまだ序盤の序盤ですよ?奥まで行くのに日数をどれだけかけるの??ってかんじですよ。』
キュリッチの言葉に腹を括ったのだろう、ラース兄さんの表情が落ち着きを取り戻した。
『じゃー今晩、私はテントに遮音結界を張って寝るから。』
『いいわよ。まかせて。フレアもそうして寝るといいわ。後は私達に任せて。』
ラース兄さんと私の言葉を聞いてフレアは大きくため息をついた後、しっかり頷くのだった。
私達がそんな会話をしていると、例の三人は夜の虫について熱く語っていた。
「お前ら知ってるか?夜にしか活動しない虫がいっていうことを!」
得意げに話すギルマスに対して、ブルーム兄さんとローダンはニヤニヤした表情でいる。
ふたりの反応にいまいち面白くないのだろう、少しムスッとするギルマスにブルーム兄さんが自信満々に返事をする。
『何言ってんだ?そんなの知ってるさ!なんせ、俺たち前にも一度ここで過ごしてるからな!』
その言葉にローダンも自慢げに頷くとギルマスは本当に悔しそうな表情を浮かべる。
本当にここでのこの三人は幼稚だなぁーと思い静かに状況を見る私達。
ギルマスはよほどブルーム兄さんとローダンが夜の虫について知っているのが悔しかったのだろう、さらに話を掘り下げていく。
「ふっん!なら、その虫達にどんな特性があって、どんな種類があって、どんな名前か知ってるのか?知らないだろう!」
そう話すギルマスの言葉に、ブルーム兄さんもローダンも若干の焦りを見せ出す。
確かに前回夜もここで過ごしたことがあるので、夜に活動する虫がいることは知っているが、そこまで詳しく案内人から聞いてもないし、虫取りをしようとするふたりを必死に抑えるので精一杯だった事を思いだす。
ふたりも初めて見る虫に興奮して暴れるのを私とフレアに必死に抑えられていた事を思い出したのだろう...チラッと私達の方を見つめ出したのだった。
10
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる