異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第三章 発展〜街から小さな国へ〜

3-1 新しい【大聖霊】と花園館

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 大事に持っていた胸ポケットのガラス玉から2人の【大聖霊】が新たに誕生。
私の目の前には合計6人の【大聖霊】が楽しそうに会話をしている。
本来なら大騒ぎするものなんだろうけど、私は満面の笑顔でその光景を見つめながら自分から彼らに話しかける。

「初めまして。リンです。4歳になりました。よろしくお願いちます。」

私は現れた2人に自己紹介をすると2人から意外な言葉が。

『知ってるよ。君の事もそうだし君の家族の事もずっと見てたからね。
勿論だけど君の側にいる人達の事も知ってるよ。この世界では君達家族は珍しいよ。心根のいい人達ばかりだね。』

『あなたが...いい子だから...周りも...いい人達が...集まる。それは...いい事よ。よろしくね。』

2人は私に笑顔でそう答えてくれたのと同時に私の腕輪が光輝きだした。
今まではめていた腕輪に新しい宝珠が増えて、またデザインも新しくなったのだ。

『これで契約完了だね。今日からよろしくね。』

『私も...よろしく...。』

これで私は6人の【大聖霊】と契約が完了してしまった。
新しくなった腕輪と目の前にいる【大聖霊】を交互にみる。

『これで私達の力の回復も早まるわね。』

『新しい魔法も使える様になるよ。』

『君の事だから悪用はしないだろう。』

『まず、コントロール方法を身につけないとなぁー...。』

『無理にしなくても自然と覚えるよ。賢そうだし。』

『うん...。周りに...迷惑...さほど...かけてない...。』

皆の話をじーっと見つめながら不思議そうに聞く私。
だって私は"魔法"と言う物を使った記憶がないからね。

私は楽しそうに話をしている6人に再び声をかけてみる。

「リン。魔法つかえるの?」

その言葉を聞いて6人は何故か固まる。
私は固まった6人に手を振りながら

「ねぇー。リン。魔法つかえるの?
なんの魔法?教えて?」

私が目を輝かせて聞いてくるので6人はかなり焦っている。

『イヤね。まだ魔法は...ね?』

『そうそう。まだ主人は小さいからなぁ?』

『保護者が居ないとなぁー...。』

『そうだ!保護者が居るな!』

『うん。そうだよ。僕たちだけではまだダメだよ!』

『待つ...保護者...その方が...いい。』

6人は焦りながら私を説得し出す。
そんな時だった。

運良く?悪く?ドラしゃんが戻って来た。
少し席を外すしている間に増えている【大聖霊】を見て頭を抱えるドラしゃん。

『いったい何が...。いや...おおよその検討はつきますが何故この様な事に...。』

無駄な呟きを呟くドラしゃんの元に私は駆け寄りお願いをしてみることに。

「ドラしゃん。リンね。魔法使えるの?保護者が居るっていうの。ドラしゃん、一緒に魔法教えて!」

私の言葉に凍り付くドラしゃんと6人の【大聖霊】達。
ドラしゃんと【大聖霊】達は何故か目線で会話をしていた。

"『誰だ!お嬢様にそんな事吹き込んだのは!』"

"『つい...ポロッと...』"

"『まさかここまで食い付きが良いとは...』"

"『マジですまん!でも保護者が居ないとダメだと言ったぞ!』"

"『悪気はないよ』"

"『まったく...ない...』"

私はそんなやり取りがされているとは知らないので、ドラしゃんのズボンを引っ張ってアピールする。

「ドラしゃん。リンも。魔法使う!」

私がドラしゃんのズボンを引っ張りながら足踏みをした瞬間だった。

草しか生えていなかった地面に色んな色の花や草花が咲き乱れていく。
しかも新しく作った菜園以外の地面にも。

範囲としては家の敷地内と菜園の近くの小川までですんだのだが、それでも大変なできごとには違いない。
あまりの出来事に私とドラしゃん、【大聖霊】達も驚いてすぐには身動きが取れないでいた。

私が咲かした花はこの世界にないものばかりだったようで、見たことのない風景にさすがのドラしゃんも【大聖霊】も焦りを隠せないようす。

しかし、私には見慣れた花々だったので1人で大喜び。

そこに咲いていた花々は、"ひまわり"、"たんぽぽ"、"紫陽花"、"彼岸花"、"百合"、"かすみ草"、"パンジー"、"マリーゴールド"、"薔薇"、"金木犀"、"藤"、"梅"、"桃"、"桜"等が咲き誇っていた。

「しゅごーい!きれいだね!」

私はその中でおおはしゃぎ。
ドラしゃんと【大聖霊】達はまた相談し合う。

『これは不味すぎる。足踏みだけでこのざまだ。魔法なんか教えたら威力は桁違いになる。』

『しかし、教えないのも無理なのでは?』

『今は幼いからこの程度ですんですけど...』

『成長して言葉や思考がしっかりし出したら大変だ。』

『魔法はイメージだけでも使えるが、言葉に出すと威力が増す。』

『それは...ヤバいね。』

『今でも...凄いのに...これ以上は...。違う...方法...教え...ないとね...。』

言葉に出さなくてイメージだけでここまでの能力があるのは今まで見てきてわかっていた。

しかしこれから私は成長していく。
それは誰も止められない。
なら魔法の使い方を私に合わせて対応するしかないのだ。
私が成長仕切るまでにその方法を編み出すしか保護者である彼等には選択肢がなかった。

喜びながらはしゃぐ私を見ながらドラしゃん達は溜息をつく。

まずは私が出した草花と花をどうするかを考える事にした。

 私の地団駄で発生した草花と花々や木々達は、この世界にはないものだったため放置ができない。
範囲が意外にも広範囲となってしまったので隠す必要がある。

そこでドラしゃんは私を【大聖霊】達に預けて、お母さんに相談しに行くことにした。
【大聖霊】達はお互いに顔を見合わせながらも私の相手をしてくれた。

その間も私は咲いている花を次々と見てまわる。
すると桜の木の下でピンクに光ガラス玉をまた運よく見つけてしまった。

誰も気付いていなかったのでそのガラス玉を拾って胸ポケットに隠し、私はそのまま木の下で座って過ごす事にした。

 私が桜の木の下で座っていると【大聖霊】達が集まってきた。

『どうしました?ご気分でも悪くなりました?』

ドライアドが心配そうに私に話しかけてきたので私は静かに首を振り笑顔で答える。

「ひさしぶりに、花を見たのね。ゆっくり座って見るがいいの。」

私の言葉に皆んなホッとした顔をして周りでくつろぎだした。

「花...見ながらお茶したいね。」

私がボソッとそう言うと【大聖霊】達は賛同してくれ、何やら相談し出し出した。

『このままもいいけど、天気が崩れたら汚れるから屋根をつけましょうか?』

『一層のこと、透明な鱗を使って外からも見れる様に小屋風にするのはどうだろう?』

『いいじゃねえーか!草花やこの木々達も種類事に分けて植え直したらいいんじゃないか?』

『小屋の中に椅子やテーブルも用意してお茶を楽しめる様にしようぜ。』

『良いね。小屋の温度は常に一定にしたらいいね。暑すぎたら花が枯れちゃうしね。』

『じぁー...皆んなで...作ろう...。主人。ここで...休んで...いて...。』

話が纏まり私は【大聖霊】の皆に言われて大人しく桜の木の下で待機する。
私が大人しくするのを確認して姿を元の大きさにして何やら魔法を使いだす【大聖霊】達。

私が咲かせた草花と木々はシルフとドライアドが植っていた土ごとある程度浮かしてから1箇所に纏める。

するとノームが穴だらけになった場所に新しく土を盛っていき、小川に沿って横長い感じでウンディーナにイフリートとミストが協力してサンルーム風の小屋を建ていく。

建てた小屋にノームとドライアドが浮かしてあった草花と木々を種類ごとに分けて植え直していく。

植え直しが完了したらミストとウンディーナが草花と木々に水を与え、イフリートとシルフで机と椅子を設置していった。

なんというのでしょうか?!
瞬き数回しているうちに新しく花園が完成したのだった。

その頃大人しく待っていた私は何故か桜の木と一緒に花園の中へ運ばれていた。
"大人しく"と言われたので、浮かぶ桜の木の幹にしがみついてことの成り行きを見守っていたからだ。

そしたら誰も私に気づかず作業を続けているではないか。
私は桜の幹にしがみついたままだったので、桜が土に植る時にそっと拾ったガラス玉も一緒にうえみた。
植った後はまた桜の木の下で大人しく座って待つ事に。

ちゃんと言われた通りに大人しくしていたらミストとウンディーナの水を軽く浴びてしまった。
この時私は大人しくするのもどうかと思ったのは黙っておこうと思う。


【大聖霊】達も作業に夢中で私の存在を忘れていたようす。
桜の木と一緒に植えられなかっただけまっしだった。

私の姿が桜の木があった所にいない事にようやく【大聖霊】達は気付き、桜と一緒に濡れた私を見つけてくれた。
イフリートとシルフが急いで乾かしてくれたお陰で風邪をひかなくてすんだ。

完成した花園で皆んなと寛いでいたらお母さんとドラしゃんがやってきた。
新しくできた建物と花々を見て喜ぶお母さんとは反対にドラしゃんの眉間には深い皺が寄っていた。

「ドラしゃん!皆が作ってくれたよ!」

私がドラしゃんに駆け寄って報告するとドラしゃんは笑顔で抱き上げてくれた。

『だった数分側を離れると直ぐこれだ。何故大人しく待てない?』

ドラしゃんは私ではなく【大聖霊】達に言うが、皆ドラしゃんから視線を外し私の腕輪の中に逃げて行った。

その間お母さんは花々を見て歓声をあげる。
そして何かを思い付いたのか小屋の外に出て、出入り口の上に看板を付け出した。

"日本の花園館"

お母さんの作った看板にはそう書かれていた。

「リン、凄いわ。この世界でもこの花が見れるとは思わなかったわ!ありがとう。」

お母さんの笑顔と言葉にドラしゃんは怒る事が出来なくなり、代わりに私の頭を優しく撫でてくれた。

ちなみにここに咲いている花々は私の魔力量が多いため季節関係なく咲き乱れるとのこと。

これに関しては数ヶ月後にドラしゃんが気付いて、また王様に連絡する事になった事は言うまでもない。

こうしてこの街の名所がまた一つ増えたのだった。












リン:
やっちゃいました(*゚∀゚*)

ドラしゃん:
お嬢様...。

お母さん:
リン、やり過ぎはだめよ?

リン:
はーい!

ドラしゃん:
私の身が持ちませんので

リン:
Σ(゚д゚lll).°(ಗдಗ。)°.

ドラしゃん:
この街は、どうなっていくのでしょうか...。
次回もよろしくお願いします








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