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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜
4-24 どこでもやらかすのが...私たち兄妹
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北側に新たに大きな街が完成した。
同盟国との行き来にも有益になるための窓口の一つとして。
その名も..."ゴッティガーデン"という、何とも神々しい名前が付けられた街がこの国の首都となる街の次につくられた。
無事に完成した街で、一晩ゆっくり過ごし、不備がないか確認することにした。
最後まで苦戦した街灯や灯台もちゃんと役割を果たしている。
灯台は灯りを回転させながら遠くまで海を照らしている。
街の外壁に設置した街灯は、街の中の街灯より光の大きさや強さを大きくかつ強めにしているので、数キロ先までほのかな灯りが見えるようにしてある。
その灯りもちゃんと機能している事をドムじぃーちゃんとムキじぃーちゃんで確認してくれた。
街の中の街灯は時間帯に応じて灯りの数と光の強さが自動調節されるように設計してあるのだが...こちらも問題なく作動している。
建物も今の所不備がなく、人が増えたらその都度調節できるようにゆとりをもって土地も確保してあるので問題なさそうだった。
全ての確認を終えて、全員安心してその日はゆっくりと就寝を迎えることができた。
翌朝、フウちゃんとスカイにお願いして、お父さん達の居る街に北側の街が完成した事と街の名前が、"ゴッティガーデン"という事を伝えに行ってもらった。
フウちゃん達が報告に行っている間に、
この街に彩りを添えるために、気候に適した植物を植えたり、直ぐにでも住める様に必要な薪や保存食なのど準備をする事にした。
そないあればなんとやらという事らしい。
フウちゃん達が帰って来て、返事を聞いてからまた先発部隊と後発部隊に分かれて、今度は西側の街を造りに行くとムキじぃーちゃんが教えてくれた。
もちろん、この街から次の街までの道も作っていく。
【大聖霊】達に確認すると、"問題ない"と元気に返事が返って来たので、問題なく予定通りに進みそうだった。
今後の予定は立てたので、この街の残りの補正をする事に集中する。
私とお兄ちゃんと【大聖霊】と【聖獣】達で、草木を生やしたり、花を咲かせたり、街の近くに食料が確保出来る様に森や林を作ることにした。
あと、小川や溜池なんかもあると生活に便利かなぁ?という意見があったので、そちらも作っていくことにした。
食べるものだけでなく、薬草や毒草などここで生活する人に役立つ物を植えたり、生やしたりした。
私達が色々やらかしている間、大人達は薪の準備と保存食の準備に精を出していた。
海で釣りをしたり、潜ったりして海産物を集めたり、後続部隊がこの街に来る道中で仕留めた食べれる魔獣の肉の加工などを手分けして行っていたのだ。
海産物を主に集めたのは、ドラしゃんだった。
今回、【大聖霊】達が側にいるし【聖獣】も居るので、ドラしゃんは街に残って食糧確保の方に尽力することになった。
何かあれば直ぐ連絡を寄越すと言う約束付きで...なんだけどね。
不貞腐れ気味のドラしゃんの活躍で、海産物は大量に確保できたみたい。
次の旅路への私達の食糧確保も兼ねていたので、かなりの量が確保できたようだ。
それでも、海の生態系に影響が出るほどではないらしく、状況的には凄く恵まれているのが目に見えてわかる。
大量の食料が確保できたので、それを薪割りを終えた皆も合流して、長期保存が効くように加工にとりかかる。
ドラしゃんが、海に行っている間で皆で薪を作成して、ふた冬越せるぐらいの量は十分に備蓄できていた。
薪も腐らない様に魔法で細工済みだったしね。
それが終わり、魔獣の肉の解体と加工をしようと思ったが、魔獣の肉の解体と加工はムキじぃーちゃんが1人で請け負い、他の人達は海産物の方へ向かわせた。
ムキじぃーちゃんが1人で頑張っていると、私達が大量の果物や薬草、野菜にきのこ類を集めて持って帰って来ている姿と遭遇することに。
遭遇したと言うより、帰って来たのを見つけたと言う方が正解だ。
「おい!お前達、どうしたんだそれ?」
私達が持って帰って来たモノを見て、ムキじぃーちゃんはかなり驚いていた。
ドラアドが造った蔦の特大の網籠から溢れんばかりの食糧を見て、その言葉を発したようだ。
私とお兄ちゃんはもちろん笑顔で答える。
「みんなで、まちのまわりに、もりとはやしをつくったの。」
「で、この街で住む人達が困らない様に、食べれる果物や野菜や木のみ、きのこ類を作って、あと薬草や毒草もだったけ?作りすぎたから、少し持って帰って来たんだ。」
私とお兄ちゃんの言葉に、ムキじぃーちゃんはどう答えようか悩んでいた。
少し?どこが?
その前に、はっ林?森だと?!
色々言いたい事があったが、思うように言葉がでなかったようで、ムキじぃーちゃんは無言で解体作業を中断して街の外へ向かう。
そして自分の目でどんな状況になっているのか確認しにいったのだった。
ムキじぃーちゃんが街の外に向かうと...来た時は荒れた荒野だったのが、今や青々しい緑が見える範囲一面に広がっていた。
草原...レベルなら笑って許せたのだろう...。
しかし...、ムキじぃーちゃんの視界に入っているのは、草原というレベルを越えており、森や雑木林...あと、山??みたいなものまでがあるのが見えたのだ。
さらに...少し離れたところには小川らしきものが流れていて、それなりの橋もかかっている。
ムキじぃーちゃんは、ダッシュで戻ってきて私達に小言をいいだした。
「おい!お前たち!あれはなんだ?!
いったいあの短時間で何をしてきた!
あれは、大丈夫なのか?!」
ムキじぃーちゃんの言葉に、私とお兄ちゃんは少しずつ不安になってきた。
作業をしている時は、【大聖霊】や【聖獣】達と和気藹々と楽しくて夢中でしていたから特に何も思う事なく作業に没頭していからね。
【大聖霊】達も特に止める事もなく、それどころか彼らから色々してくれたから...完全に大丈夫だと思っていたのだが...。
今のムキじぃーちゃんの反応を見ると、またやらかした感が...。
そんな私とお兄ちゃんの気持ちと裏腹に、【大聖霊】達が爆弾を投下する。
『頭が固いですわね。ここで、人が生活をするなら緑は必要ですよ。あれでも遠慮したんですからね。本来ならあれの十倍は必要ですのよ?』
『海水だけだと、植物は育たないから淡水もわざわざ用意したんだぜ?感謝されても怒られるいわれわないよなぁー。』
『まぁ~俺たちの手にかかれば朝飯前さ。ちなみに溜池もつくってあるよ。
あと、小さいけど湖もだったよね?』
『あと、あの森や林などは、俺たちが造ったモノだから、俺たちが消滅しない限り滅びることはないな。常に一定の実りが得られるようにしてあるから感謝しろよ。』
『食べ物だけでは、心許ないと思って薬になる薬草や毒草もつくってあるよ。根っこごととっえも、ある一定の時期が来たらまた生えてくるようにしてあるから心配はないです。』
『...勝手に...増える...。あと...新種も時々...現れる...。』
『全体の量が減ると、勝手に増えるし、逆に増えすぎると量が減るまで増えないわ。凄いでしょう?
ちなみに、雪が降ってもあの区域のみ寒さや雪に耐えて実ものが生えるようにしてあるのよ。』
『我らの力を使って試し済み。問題なかったら心配無用だ!』
『この街で住む人は、とりあえずそこまで食糧難にはならないわね。
主人や我らを怒らせない限りね...ふふふっ。』
『少ない太陽でも大丈夫ですよ。ノームと協力して土地にひと工夫してますので、まず不作になることはありませんから。』
『主人と我らからの贈り物だと思え。』
彼らの数々の言葉に、ムキじぃーちゃんはいつのまにか戦意喪失して、意気消沈していた。
「いいか、お前達。あとで、フレアに怒られろ...。」
そう虚な目つきをして呟き、ほんのわずか現実逃避してから解体作業を再開する。
私とお兄ちゃんは、どうしよう?と思っていたが、【大聖霊】達はふんぞり返っていた。
ムキじぃーちゃんをその場にそっと置いて、私達はドラしゃんの元へ向かうことにした。
ドラしゃんの元へ向かっていくと、磯のいい香りが漂ってきた。
磯の香りが強くなるにつれて、視界には魚や貝などの海産物の姿がはいってくる。
捌かれた魚が網の上に乗せられて、並べられていたり、ワカメや昆布、ホタテも種類ごとに網の上や専用の箱に入れられて並べられている。
どうやら干物を作っているみたい。
作業している人混みの中に目的の人を見つけ、私とお兄ちゃんで声をかけた。
「「ドラしゃん!!」」
私達の声が届いたのか、ドムじぃーちゃんと話をしていたドラしゃんが、話を中断して私達の方を向く。
最初は笑顔を向けてくれたが、【大聖霊】達の持っている籠を見て、一瞬にして表情が様変わり...お怒りモードへと変貌をとげた。
私とお兄ちゃんは、思わずヒッ!と声を上げて、【聖獣】達の後ろに隠れる。
街の空気が徐々に変わっいき、作業に集中していた人達も私達の存在に気付いて、驚きの声をあげだす。
そして、人混みをかき分けてドラしゃんが私達の方へと向かって来る。
"笑顔であるが、あの笑顔は説教する時の笑顔だ!"と、私とお兄ちゃんは本能で理解しているようで、恐怖で体が震える。
好きなドラしゃんだが、あの顔のドラしゃんは苦手だ。
そして...。
『おやおや。おかしいですね??彼らの持っているのは、野菜や果物?木のみやキノコ類もありますね。あとは?おや?薬草なんかも...。おかしいですね??
ここらの周りにそんなモノは、あるはずがないはずですよ?
だって、この街の周りは荒野のはずですよ?この短時間で何をしでかしたのですか?うん?』
そう笑顔で聞いてくるドラしゃん。
私とお兄ちゃんは、そのドラしゃんが怖くて声が出なかったので、代わりに【大聖霊】達が、先程ムキじぃーちゃんに言った事をドラしゃんにも伝えた。
『先程も入り口で、ハゲ頭の男性に説明しましたが、...まぁーいいでしょう。
もう一度説明しますわ。
頭が固い人は困りますね...ここで、人々が生活をするのですよね?なら緑や飲み水が必要でしょう?だから我々が協力して、人が生活するのに困らないようにこの街の周りの環境を整えてあげたのよ。』
と笑顔でドライアドが話す。
『あとよ、海水だけだと植物は育たないから淡水も用意したんだぜ。枯れないようにため池や湖、小川まで作ったんだぜ。ちゃんと生物も住めるようにもしてあるから困らないぜ。』
ウンディーナも自慢げに話す。
『まぁ~僕達の手にかかれば朝飯前さ。土地も栄養たっぷりにしてあるからここら一帯の草木は枯れることがないよ。食料には困らないようにしてあるからね。』
ノームも自慢げに笑顔で話す。
『この街の周囲につくってある森や林などは、俺たちが造ったモノだから俺たちが消滅しない限り、枯れる事も消える事もないぞ。』
イフリートも自慢げに話す。
『食べ物だけでは、心許ないと思って薬になる薬草や毒草もつくってあるよ。』
サクラちゃんよ笑顔で話をする。
『...勝手に...増える...。定期的...困らない...。いいでしょう?』
ミストも珍しく笑みを浮かべながら話をする。
『全体の量が減ると、勝手に増えるし、逆に増えすぎると量が減るまで増えないわ。凄いでしょう?』
『ちなみに、雪が降ってもあの区域のみ寒さや雪に耐えて実ものが生えるようにしてあるのよ。』
シヴァとセルシウスが優雅な笑みを浮かべながら話す。
『我らの力を使って試し済み。』
『この街で住む人は、とりあえずそこまで食糧難にはならないわね。
主人や我らを怒らせない限りね...ふふふっ。』
『少ない太陽でも大丈夫ですよ。』
『主人と我らからの贈り物だと思え。と先程説明したばかりだが?』
他の【大聖霊】【聖獣】達の言葉に、その場にいた人達は呆然と驚愕の表情をして固まる。ただ一人を除いてだ。
私とお兄ちゃんの前に居るドラしゃんのみ、変わらずの笑みを浮かべていた。
が、纏うオーラは邪悪さを増してきている。
思わず、私とお兄ちゃんは涙をこぼしながら、お互い抱き合ってしまった。
それに気付いたドラしゃんが、放っていたオーラを消し、いつもの笑顔に。
『お二人とも。私がお側を離れたため、少し伸び伸びし過ぎましたね。
まぁ~、今から2人のことを責めても仕方がありません。が、やる前に一言相談をお願いしますね。』
いつもの優しい雰囲気をまとい私とお兄ちゃんに語るドラしゃん。
私とお兄ちゃんは涙が止まらず、2人で抱き合ったまま、しかも涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔のまま頷いた。
そして、私とお兄ちゃんの頭を優しくぽんぽんとドラしゃんがした時、ふっと意識が遠のいた。
どうやらドラしゃんが魔法を使って私とお兄ちゃんを眠らせたようだ。
そして、ふわふわの移動式ベッドに寝かされて、ドムじぃーちゃんに預けると...。
戦闘開始となった。
【大聖霊】達は空気を察した様で、持っていた籠を作業をしていた1人に託す。
そして、空間を魔法で遮断しドラしゃんと自分達だけの空間にした。
『貴様らが付いていながら、何をした!』
ドラしゃんが、本来の姿に戻り【大聖霊】達に吠える。
『あら久しぶりに見ますわね。その姿。トカゲ風情が、生意気な。
主人が居るから、我らはお前の態度に対しておおめにみていたが、今日はいいでしょう。』
『歳を取り過ぎると短気で、僻みぽくなるからやだねぇ~。』
『そうだぞ。俺たちが付いていたからこそ、出来たことだぞ!
感謝されど、怒られる謂れはないなぁ~。』
『そうそう言い忘れてたが、妖精や聖霊も住んでるぞ。』
『もう少しすれば、生き物も寄って来るかもね。荒野も砂漠も大事だけと、緑も水もだいじなんだよ?』
『...風もね...。種を運んで...少しずつ...緑...増やすの...。』
『主人も喜んでくれたんだからいいじゃない!!人が住むなら、食糧が必要なんでしょう?なら良いじゃない!』
そう言う彼らに、ドラしゃんが呆れ気味に溜息を吐く。
『ここに住むのは、【大聖霊】の加護も受けてないただの人間だ。
最初からこんなに恩恵を与えてどうする?それが"当たり前"になるだろうが!!それどころが、欲深い人間を生み出し、お嬢様やアキラ様の能力に目を付けたらどうする?
お2人はまだ幼い。対応しきれると思うか?そういう事を考えて行動しないでどうする。人間達だって、自分たちに必要なものがあるなら、自分達の手で開拓ぐらいできる!』
そのドラしゃんの言葉に、【大聖霊】達は先程までの威勢は消え去っていた。
それどころが、自分達の行いがやり過ぎだと言うことに気付いたようで、珍しく反省の色を見せている。
それを理解したドラしゃんは、怒りを収めた。
『わかったのなら、2人が眠っている間に元に戻しておけ。
集まって来た精霊や聖霊達は、旦那様達が住む街へ案内しておけ。』
そう言うと、いつもの姿に戻り空間から消えた。
ドラしゃんが姿を消したあと、【大聖霊】達は自分達が造ったモノを(ある程度)元に戻しに行ったのだった。
ムキじぃーちゃん:
困ったチビ達だ。~_~;
ドラしゃん:
【大聖霊】達が居るからといって油断しすぎた~_~;
ムキじぃーちゃん:
ワシ、アレを見た瞬間どうすりゃ良いかわからなかったぞ。
ドラしゃん:
お2人は、やり過ぎる面があるので困ったものです。
子供のうちだけだと信じて、我らが頑張るしかないでしょう~_~;
ムキじぃーちゃん:
これが、まだまだ続くのかぁー...
心臓もつかのう?
ドラしゃん:
.....。
同盟国との行き来にも有益になるための窓口の一つとして。
その名も..."ゴッティガーデン"という、何とも神々しい名前が付けられた街がこの国の首都となる街の次につくられた。
無事に完成した街で、一晩ゆっくり過ごし、不備がないか確認することにした。
最後まで苦戦した街灯や灯台もちゃんと役割を果たしている。
灯台は灯りを回転させながら遠くまで海を照らしている。
街の外壁に設置した街灯は、街の中の街灯より光の大きさや強さを大きくかつ強めにしているので、数キロ先までほのかな灯りが見えるようにしてある。
その灯りもちゃんと機能している事をドムじぃーちゃんとムキじぃーちゃんで確認してくれた。
街の中の街灯は時間帯に応じて灯りの数と光の強さが自動調節されるように設計してあるのだが...こちらも問題なく作動している。
建物も今の所不備がなく、人が増えたらその都度調節できるようにゆとりをもって土地も確保してあるので問題なさそうだった。
全ての確認を終えて、全員安心してその日はゆっくりと就寝を迎えることができた。
翌朝、フウちゃんとスカイにお願いして、お父さん達の居る街に北側の街が完成した事と街の名前が、"ゴッティガーデン"という事を伝えに行ってもらった。
フウちゃん達が報告に行っている間に、
この街に彩りを添えるために、気候に適した植物を植えたり、直ぐにでも住める様に必要な薪や保存食なのど準備をする事にした。
そないあればなんとやらという事らしい。
フウちゃん達が帰って来て、返事を聞いてからまた先発部隊と後発部隊に分かれて、今度は西側の街を造りに行くとムキじぃーちゃんが教えてくれた。
もちろん、この街から次の街までの道も作っていく。
【大聖霊】達に確認すると、"問題ない"と元気に返事が返って来たので、問題なく予定通りに進みそうだった。
今後の予定は立てたので、この街の残りの補正をする事に集中する。
私とお兄ちゃんと【大聖霊】と【聖獣】達で、草木を生やしたり、花を咲かせたり、街の近くに食料が確保出来る様に森や林を作ることにした。
あと、小川や溜池なんかもあると生活に便利かなぁ?という意見があったので、そちらも作っていくことにした。
食べるものだけでなく、薬草や毒草などここで生活する人に役立つ物を植えたり、生やしたりした。
私達が色々やらかしている間、大人達は薪の準備と保存食の準備に精を出していた。
海で釣りをしたり、潜ったりして海産物を集めたり、後続部隊がこの街に来る道中で仕留めた食べれる魔獣の肉の加工などを手分けして行っていたのだ。
海産物を主に集めたのは、ドラしゃんだった。
今回、【大聖霊】達が側にいるし【聖獣】も居るので、ドラしゃんは街に残って食糧確保の方に尽力することになった。
何かあれば直ぐ連絡を寄越すと言う約束付きで...なんだけどね。
不貞腐れ気味のドラしゃんの活躍で、海産物は大量に確保できたみたい。
次の旅路への私達の食糧確保も兼ねていたので、かなりの量が確保できたようだ。
それでも、海の生態系に影響が出るほどではないらしく、状況的には凄く恵まれているのが目に見えてわかる。
大量の食料が確保できたので、それを薪割りを終えた皆も合流して、長期保存が効くように加工にとりかかる。
ドラしゃんが、海に行っている間で皆で薪を作成して、ふた冬越せるぐらいの量は十分に備蓄できていた。
薪も腐らない様に魔法で細工済みだったしね。
それが終わり、魔獣の肉の解体と加工をしようと思ったが、魔獣の肉の解体と加工はムキじぃーちゃんが1人で請け負い、他の人達は海産物の方へ向かわせた。
ムキじぃーちゃんが1人で頑張っていると、私達が大量の果物や薬草、野菜にきのこ類を集めて持って帰って来ている姿と遭遇することに。
遭遇したと言うより、帰って来たのを見つけたと言う方が正解だ。
「おい!お前達、どうしたんだそれ?」
私達が持って帰って来たモノを見て、ムキじぃーちゃんはかなり驚いていた。
ドラアドが造った蔦の特大の網籠から溢れんばかりの食糧を見て、その言葉を発したようだ。
私とお兄ちゃんはもちろん笑顔で答える。
「みんなで、まちのまわりに、もりとはやしをつくったの。」
「で、この街で住む人達が困らない様に、食べれる果物や野菜や木のみ、きのこ類を作って、あと薬草や毒草もだったけ?作りすぎたから、少し持って帰って来たんだ。」
私とお兄ちゃんの言葉に、ムキじぃーちゃんはどう答えようか悩んでいた。
少し?どこが?
その前に、はっ林?森だと?!
色々言いたい事があったが、思うように言葉がでなかったようで、ムキじぃーちゃんは無言で解体作業を中断して街の外へ向かう。
そして自分の目でどんな状況になっているのか確認しにいったのだった。
ムキじぃーちゃんが街の外に向かうと...来た時は荒れた荒野だったのが、今や青々しい緑が見える範囲一面に広がっていた。
草原...レベルなら笑って許せたのだろう...。
しかし...、ムキじぃーちゃんの視界に入っているのは、草原というレベルを越えており、森や雑木林...あと、山??みたいなものまでがあるのが見えたのだ。
さらに...少し離れたところには小川らしきものが流れていて、それなりの橋もかかっている。
ムキじぃーちゃんは、ダッシュで戻ってきて私達に小言をいいだした。
「おい!お前たち!あれはなんだ?!
いったいあの短時間で何をしてきた!
あれは、大丈夫なのか?!」
ムキじぃーちゃんの言葉に、私とお兄ちゃんは少しずつ不安になってきた。
作業をしている時は、【大聖霊】や【聖獣】達と和気藹々と楽しくて夢中でしていたから特に何も思う事なく作業に没頭していからね。
【大聖霊】達も特に止める事もなく、それどころか彼らから色々してくれたから...完全に大丈夫だと思っていたのだが...。
今のムキじぃーちゃんの反応を見ると、またやらかした感が...。
そんな私とお兄ちゃんの気持ちと裏腹に、【大聖霊】達が爆弾を投下する。
『頭が固いですわね。ここで、人が生活をするなら緑は必要ですよ。あれでも遠慮したんですからね。本来ならあれの十倍は必要ですのよ?』
『海水だけだと、植物は育たないから淡水もわざわざ用意したんだぜ?感謝されても怒られるいわれわないよなぁー。』
『まぁ~俺たちの手にかかれば朝飯前さ。ちなみに溜池もつくってあるよ。
あと、小さいけど湖もだったよね?』
『あと、あの森や林などは、俺たちが造ったモノだから、俺たちが消滅しない限り滅びることはないな。常に一定の実りが得られるようにしてあるから感謝しろよ。』
『食べ物だけでは、心許ないと思って薬になる薬草や毒草もつくってあるよ。根っこごととっえも、ある一定の時期が来たらまた生えてくるようにしてあるから心配はないです。』
『...勝手に...増える...。あと...新種も時々...現れる...。』
『全体の量が減ると、勝手に増えるし、逆に増えすぎると量が減るまで増えないわ。凄いでしょう?
ちなみに、雪が降ってもあの区域のみ寒さや雪に耐えて実ものが生えるようにしてあるのよ。』
『我らの力を使って試し済み。問題なかったら心配無用だ!』
『この街で住む人は、とりあえずそこまで食糧難にはならないわね。
主人や我らを怒らせない限りね...ふふふっ。』
『少ない太陽でも大丈夫ですよ。ノームと協力して土地にひと工夫してますので、まず不作になることはありませんから。』
『主人と我らからの贈り物だと思え。』
彼らの数々の言葉に、ムキじぃーちゃんはいつのまにか戦意喪失して、意気消沈していた。
「いいか、お前達。あとで、フレアに怒られろ...。」
そう虚な目つきをして呟き、ほんのわずか現実逃避してから解体作業を再開する。
私とお兄ちゃんは、どうしよう?と思っていたが、【大聖霊】達はふんぞり返っていた。
ムキじぃーちゃんをその場にそっと置いて、私達はドラしゃんの元へ向かうことにした。
ドラしゃんの元へ向かっていくと、磯のいい香りが漂ってきた。
磯の香りが強くなるにつれて、視界には魚や貝などの海産物の姿がはいってくる。
捌かれた魚が網の上に乗せられて、並べられていたり、ワカメや昆布、ホタテも種類ごとに網の上や専用の箱に入れられて並べられている。
どうやら干物を作っているみたい。
作業している人混みの中に目的の人を見つけ、私とお兄ちゃんで声をかけた。
「「ドラしゃん!!」」
私達の声が届いたのか、ドムじぃーちゃんと話をしていたドラしゃんが、話を中断して私達の方を向く。
最初は笑顔を向けてくれたが、【大聖霊】達の持っている籠を見て、一瞬にして表情が様変わり...お怒りモードへと変貌をとげた。
私とお兄ちゃんは、思わずヒッ!と声を上げて、【聖獣】達の後ろに隠れる。
街の空気が徐々に変わっいき、作業に集中していた人達も私達の存在に気付いて、驚きの声をあげだす。
そして、人混みをかき分けてドラしゃんが私達の方へと向かって来る。
"笑顔であるが、あの笑顔は説教する時の笑顔だ!"と、私とお兄ちゃんは本能で理解しているようで、恐怖で体が震える。
好きなドラしゃんだが、あの顔のドラしゃんは苦手だ。
そして...。
『おやおや。おかしいですね??彼らの持っているのは、野菜や果物?木のみやキノコ類もありますね。あとは?おや?薬草なんかも...。おかしいですね??
ここらの周りにそんなモノは、あるはずがないはずですよ?
だって、この街の周りは荒野のはずですよ?この短時間で何をしでかしたのですか?うん?』
そう笑顔で聞いてくるドラしゃん。
私とお兄ちゃんは、そのドラしゃんが怖くて声が出なかったので、代わりに【大聖霊】達が、先程ムキじぃーちゃんに言った事をドラしゃんにも伝えた。
『先程も入り口で、ハゲ頭の男性に説明しましたが、...まぁーいいでしょう。
もう一度説明しますわ。
頭が固い人は困りますね...ここで、人々が生活をするのですよね?なら緑や飲み水が必要でしょう?だから我々が協力して、人が生活するのに困らないようにこの街の周りの環境を整えてあげたのよ。』
と笑顔でドライアドが話す。
『あとよ、海水だけだと植物は育たないから淡水も用意したんだぜ。枯れないようにため池や湖、小川まで作ったんだぜ。ちゃんと生物も住めるようにもしてあるから困らないぜ。』
ウンディーナも自慢げに話す。
『まぁ~僕達の手にかかれば朝飯前さ。土地も栄養たっぷりにしてあるからここら一帯の草木は枯れることがないよ。食料には困らないようにしてあるからね。』
ノームも自慢げに笑顔で話す。
『この街の周囲につくってある森や林などは、俺たちが造ったモノだから俺たちが消滅しない限り、枯れる事も消える事もないぞ。』
イフリートも自慢げに話す。
『食べ物だけでは、心許ないと思って薬になる薬草や毒草もつくってあるよ。』
サクラちゃんよ笑顔で話をする。
『...勝手に...増える...。定期的...困らない...。いいでしょう?』
ミストも珍しく笑みを浮かべながら話をする。
『全体の量が減ると、勝手に増えるし、逆に増えすぎると量が減るまで増えないわ。凄いでしょう?』
『ちなみに、雪が降ってもあの区域のみ寒さや雪に耐えて実ものが生えるようにしてあるのよ。』
シヴァとセルシウスが優雅な笑みを浮かべながら話す。
『我らの力を使って試し済み。』
『この街で住む人は、とりあえずそこまで食糧難にはならないわね。
主人や我らを怒らせない限りね...ふふふっ。』
『少ない太陽でも大丈夫ですよ。』
『主人と我らからの贈り物だと思え。と先程説明したばかりだが?』
他の【大聖霊】【聖獣】達の言葉に、その場にいた人達は呆然と驚愕の表情をして固まる。ただ一人を除いてだ。
私とお兄ちゃんの前に居るドラしゃんのみ、変わらずの笑みを浮かべていた。
が、纏うオーラは邪悪さを増してきている。
思わず、私とお兄ちゃんは涙をこぼしながら、お互い抱き合ってしまった。
それに気付いたドラしゃんが、放っていたオーラを消し、いつもの笑顔に。
『お二人とも。私がお側を離れたため、少し伸び伸びし過ぎましたね。
まぁ~、今から2人のことを責めても仕方がありません。が、やる前に一言相談をお願いしますね。』
いつもの優しい雰囲気をまとい私とお兄ちゃんに語るドラしゃん。
私とお兄ちゃんは涙が止まらず、2人で抱き合ったまま、しかも涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔のまま頷いた。
そして、私とお兄ちゃんの頭を優しくぽんぽんとドラしゃんがした時、ふっと意識が遠のいた。
どうやらドラしゃんが魔法を使って私とお兄ちゃんを眠らせたようだ。
そして、ふわふわの移動式ベッドに寝かされて、ドムじぃーちゃんに預けると...。
戦闘開始となった。
【大聖霊】達は空気を察した様で、持っていた籠を作業をしていた1人に託す。
そして、空間を魔法で遮断しドラしゃんと自分達だけの空間にした。
『貴様らが付いていながら、何をした!』
ドラしゃんが、本来の姿に戻り【大聖霊】達に吠える。
『あら久しぶりに見ますわね。その姿。トカゲ風情が、生意気な。
主人が居るから、我らはお前の態度に対しておおめにみていたが、今日はいいでしょう。』
『歳を取り過ぎると短気で、僻みぽくなるからやだねぇ~。』
『そうだぞ。俺たちが付いていたからこそ、出来たことだぞ!
感謝されど、怒られる謂れはないなぁ~。』
『そうそう言い忘れてたが、妖精や聖霊も住んでるぞ。』
『もう少しすれば、生き物も寄って来るかもね。荒野も砂漠も大事だけと、緑も水もだいじなんだよ?』
『...風もね...。種を運んで...少しずつ...緑...増やすの...。』
『主人も喜んでくれたんだからいいじゃない!!人が住むなら、食糧が必要なんでしょう?なら良いじゃない!』
そう言う彼らに、ドラしゃんが呆れ気味に溜息を吐く。
『ここに住むのは、【大聖霊】の加護も受けてないただの人間だ。
最初からこんなに恩恵を与えてどうする?それが"当たり前"になるだろうが!!それどころが、欲深い人間を生み出し、お嬢様やアキラ様の能力に目を付けたらどうする?
お2人はまだ幼い。対応しきれると思うか?そういう事を考えて行動しないでどうする。人間達だって、自分たちに必要なものがあるなら、自分達の手で開拓ぐらいできる!』
そのドラしゃんの言葉に、【大聖霊】達は先程までの威勢は消え去っていた。
それどころが、自分達の行いがやり過ぎだと言うことに気付いたようで、珍しく反省の色を見せている。
それを理解したドラしゃんは、怒りを収めた。
『わかったのなら、2人が眠っている間に元に戻しておけ。
集まって来た精霊や聖霊達は、旦那様達が住む街へ案内しておけ。』
そう言うと、いつもの姿に戻り空間から消えた。
ドラしゃんが姿を消したあと、【大聖霊】達は自分達が造ったモノを(ある程度)元に戻しに行ったのだった。
ムキじぃーちゃん:
困ったチビ達だ。~_~;
ドラしゃん:
【大聖霊】達が居るからといって油断しすぎた~_~;
ムキじぃーちゃん:
ワシ、アレを見た瞬間どうすりゃ良いかわからなかったぞ。
ドラしゃん:
お2人は、やり過ぎる面があるので困ったものです。
子供のうちだけだと信じて、我らが頑張るしかないでしょう~_~;
ムキじぃーちゃん:
これが、まだまだ続くのかぁー...
心臓もつかのう?
ドラしゃん:
.....。
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