異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜

5-31 次の依頼は初の護衛依頼?!!

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 いつも寝る時間になってもキャッキャと私達の声が聞こえることに気付いたドラしゃんが部屋の扉をノックして開けた。

私とお兄ちゃんは急いで本を隠そうとしたが遅かった。

本を抱えている姿を見られてしまい、ドラしゃんがお怒りモードに入りそうになった。

が、その本を渡したのは自分のため怒るに怒れない感じになっていた。
私とお兄ちゃんは、そんなドラしゃんの様子を察して素直に謝る。

「ドラしゃん!ごめんなさい!今から寝ます!」

「私も寝るわ!この本ありがとう!」

私は本を部屋にある机の上置いてベッドに戻って寝る準備をした。

魔獣達も私達に合わせてそれぞれの寝床で寝る準備をする。

そんな私達の姿を見てドラしゃんは苦笑いを浮かべ

『分かりました。ではゆっくり休んでくださいね。』

ドラしゃんはそう言って部屋から出て行った。

私達はドラしゃんを見送りベッドに潜り込んだのだが...気付いたら夢の世界へ。


   翌朝。私とお兄ちゃんは寝過ごしたため慌てて着替えをしてギルドへ。

ドラしゃんから貰った本は机の上に置いたまま。

本当はパーティーのメンバーにも教えてあげようと思ったが、机の上に置いてきてしまったのであきらめた。

この日はランクアップも果たしたので、初めて少し遠出する依頼を受けようと決めていた。

ギルドにつきパーティーメンバーにもその事を話して皆で依頼内容を決める事に。

そして、掲示板を見るといい感じの依頼内容があり、それにする事にした。

その依頼内容が、南側の街へ行く商人達の護衛と南側の街の近くにある洞窟にある素材の採掘の二つの依頼だ。

もちろん受ける際に、付き添う保護者を選んでからにして下さいねとコイムさんから念押しされた。、

この日身軽なのは...。
私達の後ろ満面の笑顔を浮かべているドラしゃんとラミィお兄ちゃんの姿が。

これは...ね。

「ドラしゃんとラミィお兄ちゃんを指名します。」

私がそう言うと二人は密かにガッツポーズを。

ロドじぃーちゃんとムキじぃーちゃんは悔しそうにしていたが、二人ともギルドの仕事をしていたから仕方がない。

コイムさんは依頼書の手続きをして私に説明をしてくれた。

「護衛の依頼は初めてですよね?」

「はい。」

「では、パーティーの皆さんを集めて下さい。簡単に説明しますから。」

コイムさんに言われて私はお兄ちゃん達を呼ぶと、私に呼ばれてお兄ちゃん達も受付に集まって来た。

もちろんあの二人の王子はいない。
今頃セバしゃんにコッテリお説教されながら鍛えられているはず。

受付に皆が集まるとコイムさんは護衛任務について簡単に説明してくれた。

護衛任務は依頼主に寄って待遇や金額、仕事内容は異なるらしい。

特に商人の護衛任務は一番危険が伴う依頼だとコイムさんは教えてくれた。

大体の護衛依頼には戦闘が含まれるのだが、商人の護衛依頼任務の時は闘う相手が魔物だけでない。
人も含まれるから一番厄介だという。

商人の運ぶ荷物や売上金を狙って盗賊や野盗が狙うからだ。

そのため警戒するのが魔物だけでなく同じ人間に対しても警戒をしないといけないのでかなり神経をすり減らすのだと教えてくれた。

「今回はあなた方には保護者が付いてきますので、あなた達だけて行くより安全だと思います。
それでも油断だけはしないで下さい。
この護衛任務に関しては制限はございません。
自分達の命を最優先にして下さい。」

コイムさんはいつになく真剣な表情で説明していくので、私達も真剣に話を聞いた。

「あと、護衛依頼の報酬は基本の報酬に出来高制での追加報酬がつきます。
それに、護衛依頼で好評価を得られると冒険者としての知名度が上がります。
商人は独自のいろんな繋がりがありますからね。これからも冒険者として頑張るならこの依頼はうってつけです。」

コイムさんの話を聞きながら私はメモをとっていく。
そのためか、コイムさんはできるだけゆっくり話をしてくれた。

「あと、護衛任務には夜間の見張りの仕事が付き物です。
不安でしたら今から依頼をキャンセル事も可能ですが...。」

コイムさんがそう言うとお兄ちゃんが断りをいれた。

「大丈夫です。何事も経験ですから。」

お兄ちゃんの言葉に皆は頷く。

私達の反応を見てコインさんは溜息を吐きながらも受領印を押した依頼書を渡してくれた。

「護衛相手は南側の門の近くで待ってくれています。行けばわかりますよ。」

コインさんの言葉を聞いて私は依頼書を受け取り受付から離れようとした。

すると。

「本当に自分達の命を優先して下さいね。」

コイムさんは不安そうに私達に声をかけてくれた。

私達はそんなコイムさんの不安が飛ぶ様に満面の笑顔で"行ってきます!"と言って保護者達とギルドを出た。

ギルドから出たらドラしゃんにそれぞれ一度家に帰り荷物の補充し直す様にと促された。

どうして?と質問するとラミィお兄ちゃんが答える。

「しばらく街を離れる依頼だよね?
南側の街に行く道中小さな街や村はあるが、そこに寄るとは限らないよ。そのため準備は過剰なぐらいにしておく方がいいのさ。」

ドラしゃんとラミィお兄ちゃんの助言を受けて私達は5分後ギルド前にと言ってそれぞれ一度家に戻り準備のし直しをすることにした。

着替え、薬、食料品など旅に必要だと思われる物をそれぞれの魔法鞄に詰め込んでいく私とお兄ちゃん。

その間も【大聖霊】や【聖獣】達に対しても今回の依頼についての話をしておいた。

改めてしなくても石の中で聞いていたとは思うけど...念のためだ。

準備を済ませて家を出る前に両親に宛てて手紙を書き、それをテーブルの上に置いて私達は家をあとにしてギルドの前へ向かった。

ギルドの前に行くとまだ誰もきてなかったが、私達が着いてから直ぐに他のメンバーも集まってきた。

「じゃー行きますか?」

私がそう声かけると皆は"もちろん"と答えたので、南側の門へと向う。


 南側の門の所へ行くと少し大きめの荷馬車が一台停車していた。

荷馬車には大型の馬の魔獣が二匹いた。
どうやらその馬の魔獣が荷馬車をひくのだろう。

荷馬車の側には中年の男性と私達と歳がかわらないぐらいの男の子が一人いた。

どうやら彼らが今回の依頼主のようだ。

私達はその荷馬車に向かって歩いて行くと二人が私達に気付いてお辞儀をする。

私達が側まで行くと中年の男性が声をかけてきた。

「この度は私どもの依頼を引き受けて頂きありがとうございます。私は移動商人のコバルと申します。こちらはセガレのナガレと言います。
こら!ナガレ挨拶をせんか!」

コバルと名乗ったおじさんは側で不貞腐れている男の子の頭を押さえて私達に挨拶をさせようとしていた。

私は慌てて止めて自分達の自己紹介をする。

「いいですよ。私はこのパーティーのリーダーをされてもらってます。
リンと言います。」

「僕はリンの兄のアキラです。」

「俺はアサだ。」

「私はレビレットと言います。」

「私はライネルです。よろしくお願いします。」

私達が自己紹介すると先程まで不貞腐れていた男の子が急に態度を変えて私の両手を握って来たのだ。

「えっ!お前...じゃなかった!あなたがリンさんだったんですね!
お、俺!ナガレって言います!
俺、あなたのファンなんです!
超嬉しいです!」

そう言ってナガレは私の手を握ってはなさいのだ。

私は驚きながらも笑顔でありがとうと言うとナガレは顔を真っ赤にして口をパクパクさせていた。

そんな私達のやりとりが気に食わないのが...ほぼ全員...。

特に保護者二人はナガレを殺しそうな感じだった。

コバルさんは顔を真っ青にして慌てふためく。

怒りを抑えながら笑顔でお兄ちゃんが私の手を握っているナガレの手を引き離して、アサくんが私の消毒してくれた。

そして、私は今にも殺しにかかろうとする保護者二人をなだめて改めてコバルさんに話をした。

「す、すみません。今回護衛の依頼を受けさせて貰いました。
行き先は南側の街でよろしいですか?」

私の言葉にコバルさんは慌てながらも答えてくれた。

「は、はい。その通りです。
あ、あのう...む、息子は大丈夫なんでしょうか?」

私の後ろで地面に正座させられて保護者二人に説教をされているナガレ。

私はコバルさんに謝りながら大丈夫ですと答えるしかなかった。

「護衛する馬車はこちらでいいですか?」

私はなんとか場を和ませようと必死だった。

そんな私の気持ちを察してくれたのだろう、コバルさんも息子の状況をチラチラと確認しながらも気持ちを切り替えて私と会話をしてくれた。

「あ、はい。こちらの馬車です。中には商売品が入ってます。南側の街の店におろす品ばかりです。
ですので、皆さんは歩きになるかと思いますが大丈夫でしょうか?」

コバルさんは遠慮気に話しをしてくれた。

南側の街までの道中は意外に長い。
そのため大概の人が馬車か移動用の荷馬車を使って移動している。

中には馬に乗って移動したり、移動用の魔獣と契約して魔獣に乗って移動する人もいるのだ。

今回護衛するのは荷馬車だが、荷馬車には大量の荷物を積んでいるため人を乗せる余裕がない。
それを気にしてくれているコバルさん。

私はそんなコバルさんに笑顔で返事した。

「大丈夫です。私達にはこの子達がいますし、いざとなったらどうにかなるので問題ないです。」

そう言って小型化している魔獣達をコバルさんに見せた。

しかしコバルさんは困惑の表情を浮かべたままだった。

まぁ~そりゃそうですよね。
私が紹介した魔獣は小型化しているのから傍目からしたら魔獣達の雛を連れている感じなのだから。

私はいったん家に準備しに戻った時に魔獣達に私達がお願いするまで小型化しておく様に伝えたので、今も小型化したままなのだ。

それは依頼主を安心させる目的もあるが、私がたんに癒やされたいと言うのが大きな目的だった。

が、その案はドラしゃんに好評だった。

『先に良い手札を見せびらかすのはよろしくないでしょう。
少しずつこちらが持っている手札を見せて行く方が相手もじっくりと正しい評価をしやすいものですから。』

と言ってくれた。

私達の実力の正確な判断をするには小出しの方がいいとのことだ。

それにはお兄ちゃんも賛同してくれ、お兄ちゃんも自分の魔獣達に私と同じように自分が言うまで小型化しておく様に伝えてた。

とりあえず保護者二人によるナガレの説教が終わった様なので移動する事にした。

ナガレは心なしかやつれていたが仕方がない。  

あの二人の保護者がナガレを殺さなかっただけでも良しとして欲しかったからだ。

とりあえず私達は移動しながら護衛の対応方法をパーティーの皆で話し合って決める事にした。

そのためコバルさんにいつものように移動する様に伝えた。

私に言われて渋々と言った感じでコバルさん親子は荷馬車に乗って馬を走らせた。

初めは荷馬車のあとをついて移動する事にした。

一応こっそり【大聖霊】達にお願いして前方と左右の見張りをお願いはしてある。
何かあれば私に伝える様に説明して。

日が高いうちに移動を開始したから辺りは見やすかったし、人の行き来も多かった。

道中すれ違う人から声をかけられる私達。

大体の人達が私達兄妹を小さい頃から知っている人が多いのからだ。

それでなくても私達一家はこの世界で有名人なのだ。

それになりより保護者二名がかなり目立つのがいけない気がするが今更なので仕方がない。

街から出てしばらくした所に作った大きめの休憩所が近づいて来た。

するとコバルさん達の乗った荷馬車はその休憩所にて止まる。

何かあったのか聞くと、どうやら商品の買い付けに精を出していたため朝から何も食べてないからお腹が空いたらしく小休憩をしたいとの事だった。

それならと、私達は見張りをしながらも一緒に食事をする事にした。

特に私達はお腹は空いてなかったから見張りだけしようとしたら、次いつ休憩に入るか分からないから食べれる時に食べる様にとドラしゃんに言われたから素直に保護者の意見にしたがったのだ。








リン:
私達が作った道皆んな利用してくれてるんだね。

アキラ:
そうだね。
作った時より道らしくなってるよね。

リン:
それわかる!土が踏みしめられているからね。

アキラ:
作ってよかったね^ ^
















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